特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

隠し事(公開コメント版)

2014-04-14 11:40:38 | ゴミ屋敷 ゴミ部屋
依頼者は、若い女性。
依頼の内容は、ゴミの片付け。
現場は、女性の自宅アパート。
女性は、電話で色々と訊いてきたが、現場を見ないで答えられることは限られている。
私は、現地調査の必要性と説明し、女性はそれを理解。
ただ、当日の待ち合わせ場所には、アパートではなく少し離れた公園を指定。
そこから、女性に、それなりの事情があることを感じた私は女性の指示に従い、調査日時を約束した。

その日時、約束した公園に女性は現れた。
仕事は休みのはずなのに、キチンとしたスーツ姿。
作業服姿の中年男とスーツ姿の若い女性が二人でベンチに座っている光景を思い浮かべると、明らかにミスマッチ。
話が長くなりそうな雰囲気はあったけど、私は、立ち話で通すことにした。

誰しも、アカの他人に自分の身分や経歴、個人情報に関することを知られるのは抵抗があるだろう。
隠し通せるものなら隠し通したいもの。
女性も同様のようだったが、それらは、部屋の中にあるものを見ればすぐにわかってしまうこと。
それを悟った女性は、何もかも包み隠さずに話して、自分が抱える事情を汲んでもらったほうが、自分にとってはプラスと考えたよう。
私が訊きもしない事情や心情を吐露し、抱える苦悩を打ち明けた。
もちろん、そんな女性にも羞恥心はあるはず。
私は、女性の羞恥心を刺激しないよう、感情を抑えた態度と淡々とした受け答えを心がけた。


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春待ち人(公開コメント版)

2014-04-02 08:08:19 | 自殺 事故 処理
暦は四月。
やっと春。もう春。
ついこの前まで極寒が続いていたのに、いきなりこの暖かさ。
車に乗っていると暑いくらい。
ともない、桜も満開。
宴会の予定はないけど、走る車窓から街々の桜を愛でている。

見慣れた景色に桜をみると、昨年の桜が昨日のことのよう。
「もう一年たったのか・・・」
歳のせいか、一年が過ぎるのがはやい。
当り前のように移ろう季節と、当り前じゃない自分の時間の重なりが、何とも不思議なことのように思えてくる。

まだ過去形にはできないけど、今年の冬も何かとツラい思いをした。
この性格・性質を否定し、自分の不甲斐なさと若い頃の薄慮を恨めしく思った。
それでも、そんな人間にも、こうして春は来た。
何の代償も、何の努力もなく、ただ待っただけで。



「飛び降り自殺が起こった」
「血まみれで、肉片も残っている」
「住民が気持ち悪がってるから、至急、片付けてほしい!」

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