特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

確執(公開コメント版)

2016-03-28 09:07:29 | 消臭 消毒
進学、就職、転職、転居・・・
この時期、人生の岐路にある人は多いと思う。
希望と期待、意地とプライドを持って新たな歩を踏み出す人もいれば、失意と不安の中、意地とプライドを捨てて歩きださざるを得ない人もいるだろう。
私は、意地もプライドもなく、絶望と不安の中、ヤケクソ気味で新たな道に進んだクチ。
もう、24年余も前のことになるけど、その経緯は、何度か書いてきた通り。
毎度のことながら、思い出してでてくるのは溜息と苦笑いくらい。
「自業自得」と、無理矢理、自分を納得させている。

とにもかくにも、新しい環境には、新しい人間関係がつきもの。
初めて会う上司・先輩・同僚、初めて会う先生・上級生・同級生etc・・・
そういった人達と仲良く、うまく付き合えれば、それに越したことはない。
ただ、人は、十人十色。千差万別。
中には、嫌いなタイプの人間、苦手なタイプの人間、ウマが合わない人間がいても不自然ではない。
もっと言うと、自分にストレスをかけてくる人間、腹の立つ人間は、「必ず」と言っていいほど、どこにでもいる。
結局のところ、自分の意に関係なく、嫌いな人間と関わらなければならない、ウマの合わない人間と付き合わなければならないこともでてくるのである。

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椅子とりゲーム(公開コメント版)

2016-03-22 08:45:47 | 遺品整理
“椅子とりゲーム”
子供の頃、やったことがある人は多いと思う。
頭数より少ない椅子を並べ、その回りを音楽に合わせてグルグルまわり、合図とともに座るってヤツ。
競い争い、最後まで残るのが、このゲームの目的と娯楽性。

当然、ゲームの途中で、一人一人、脱落者が生まれる。
生き残るには、相手を押しのける必要がある。
時に強引に、時に乱暴に、そして、奪い取ることが必要なときもある。
そうして、最後まで座り続けることができた者が最終的な勝者となる。
私だけかもしれないけど、何故だか、この遊びは、負けたときに独特の寂しさを覚え、勝ったとしても独特の切なさを覚える。
結局のところ、独特の虚無感を覚えるため、私のとっては、あまり楽しい遊びではなかったように記憶している。

大人になって社会にでると、また別の“椅子とりゲーム”をやるハメになる。
そう・・・朝夕の満員電車だ。
多くの人が座りたいのに、限られた人しか座れない。
車内は、冷静を装った熱気と緊迫したムードに包まれる。

通勤時間帯、始発駅でもないかぎり、乗ってすぐ座れることなんてない。
何駅が通過して、先客が降りて席が空かないと座れない。
そのためには、まず、座席の前に立つ必要がある。
ドア付近や通路に立っていては、立つ客と入れ替わって座ることなんてできないから。

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噴火(公開コメント版)

2016-03-15 09:02:21 | 特殊清掃 消臭消毒
依頼された現場は、孤独死が発生した賃貸マンション。
集まったのは、遺族・管理会社の責任者(以後「責任者」)・マンション管理人(以後「管理人」)、そして私。

遺族は、故人の遠い親戚。
悲しみのせいか、事の始末にかかる費用を心配してか、少し不機嫌な様子。
「ヨロシクお願いします・・・」
と、困惑の表情を露に私に頭を下げた。

責任者は、管理会社の管理職。
紳士的な人物で、物腰も穏やか。
「こういう経験は初めてなものですから、色々教えて下さい」
と、師に向かうかのように私に頭を下げた。

管理人は、その管理会社に有期契約で雇われた現地スタッフ。
組織上は、責任者の部下にあたり、マンション1Fに住み込み勤務。
自分の仕事場で孤独死が発生したことに戸惑っているのか、はたまた、上司が同席しているせいか緊張の面持ち。
とにかく落ち着かない様子で、意味もなくペコペコ。
「どうも・・・」
と、少しオドオドした感じで私に頭を下げた。

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自己不満足(公開コメント版)

2016-03-10 09:12:26 | Weblog
“死”のニュースは、毎日、世界中を駆け巡っている。
遠い世界だけのことではなく、それは、身近なところでも起こっている。
それを見れば、“死”というものは、いつ訪れてもおかしくないことがわかる。
人を死に至らしめるのは老いや病気が多いのは間違いないけど、それだけではない。
“生”というものは常に“死”と隣り合わせであり、人は、いつ死んでもおかしくない状況で生かされているのである。

あまりにインパクトが強すぎて、地が大きく揺れた恐ろしさが、まるで昨日のことのように思い出されるが、あれから明日で五年。
2011年3月11日の朝、その日で自分の人生が終わることを知って仕事や学校に出かけた人はどれだけいただろうか・・・
多分、一人もいなかったはず。
それでも、多くの人の人生が終わりを迎えた。
そして、それぞれの意思に関係なく、残された多くの人の人生が予期せぬ方向へ流されていった。

それでも、五年という時間は変わりなく過ぎた。
そして、過ぎた時間の分だけ、非被災地にとっての震災は遠くにぼやけていった。
それが、時間が持つ優しさでもあり冷たさでもある。
だからか、この時期以外、普段は、あまりニュースにもならなくなった。
どうでもいいように思える有名人のスキャンダルは飽き飽きするほど繰り返し報道されるのに、震災のニュースは、まるで“旬”でもあるかのように一時的なものになっている。
しかし、今でも、困っている人はたくさんいる。
長い苦しみに耐えている人はたくさんいる。
そして、ボランティアで、それを支えている人もたくさんいるのだろう。

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孤軍糞闘(公開コメント版)

2016-03-04 09:42:26 | 特殊清掃 トイレ 便所 便器
しばらく更新していないうちに、暦はもう3月。
外は、日に日に春めいてきている。
寒くて暗い冬は何かとツラいことが多いので、春は大歓迎・・・
なんだけど、このところの私は、心身ともに不調が続いている。

滅多に風邪なんてひかない私なのに、先月中旬、風邪をひいてしまった。
異変に気づいたのは、2月16日(火)の夜。
腹は減っているはずなのに、思うほどモノが食べられず、妙に思った。
そして、翌日。
倦怠感・食欲不振・発熱・喉痛・間接痛・頭痛・咳・鼻水etc・・・一通りの症状がではじめた。
ただ、その時点ではまだ軽症。
「一晩、二晩、辛抱すれば治るだろう・・・」
と、高を括って、特段の策を打たず放置してしまった。

病原は、B型インフルエンザ。


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