せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

ウワミズザクラ 

2013-04-15 | 日記

大学の裏山でも谷津田の林縁でも車を走らせると必ずといっていいほど白い小さな花をブラシ状にたくさんつけた高木がある。


遠目に見ても総状花序であることが判る。バラ科ウワミズザクラだった。これでもサクラの仲間。


太陽の光が当たると白い輝きが増して美しい。


花序の下に3-5枚の葉がつく。イヌザクラの花序には葉は無いので区別できる。


近寄ってその花の美しさを見て、低い所に咲いている花を手にしてそのいい香りを確かめる。


たくさんの小さな5弁花が集まっている。優しい緊張を取ってくれそうなこの香りはアロマセラピーにも使えそう。

ムラサキケマン

2013-04-14 | 日記

湿地帯の草むらに紫色の小さな花がたくさん咲いていた。近寄って観察。ムラサキケマン(ケシ科)だった。 


まだ朝露に濡れている。


平泉町にある中尊寺金色堂に行ったときに華鬘(けまん)が飾ってあったのを覚えている。辞書によれば華鬘とは仏前を荘厳(しょうごん)するために仏殿の内陣や欄間などにかける仏具のこと。インドの風習で、生花をレイのごとく花環にして首に掛けて飾りにしていたのを、転じてそれを仏前に供えたのが華鬘の起りであるという。


ムラサキケマンと華鬘とはどこが似ているのかは分からないなあ。


葉は2-3回3出複葉で小葉には細かい鋸歯がある。このムラサキケマンとよく似たものにジロボウエンゴサクがある。ジロボウエンゴサクは小葉に鋸歯はないのですぐに区別できる。

タチツボスミレとキランソウ

2013-04-13 | 日記
タチツボスミレ スミレ科

用水路の土手で見つけたスミレ。タチツボスミレかなあと思いつつ近寄っていくと横にはキランソウが群生していた。


スミレの仲間には地上茎があるものとないグループに分かれる。スミレは地上茎はなく根元からだけ花柄や葉柄が立つのに対して、タチツボスミレは地上茎のある。






薄紫のタチツボスミレの横には白花のタチツボスミレも咲いていた。




キランソウ(ジゴクノカマノフタ) シソ科

ジュウニヒトエの花とそっくりで地面に張り付いたように咲いている。ランナーを出して増える。


花の色は紫色がかった青であざやか。




隣のタチツボスミレが女性的でやさしい感じなのに対してキランソウは毛深くて男性的。別名は地獄の釜の蓋

ニリンソウ

2013-04-10 | 日記
音読してくれる海外ニュースアプリ『Umano: News Read to You』を聞いていたらFive Life Secrets From Old Peopleと題して次の5つの教訓をあげていた。

1) Remember that life is short.
2) For career? Do what you enjoy.
3) Healthy living? “Treat your body like you’re going to need it for 100 years.”
4) Biggest regret? Pointless worrying.
5) Happiness? Don’t make your happiness contingent. Be happy in spite of bad times.

人生は短い。自分のやりたいことをやりなさい。やりたくないことをする時間などないんだから。100年間使えるように体をケアしなさい。最も大きい後悔は意味のない悩み。悩むことに時間を使うと後で最も後悔する。幸福は運ではない、どんな時も幸福になれる。

どれもストレートに生き方を教えてくれるいい言葉。




ニリンソウ キンポウゲ科

公園の木陰に群生するニリンソウを見つけた。


切れ込みのある3枚の葉がある。葉柄はなくその中心から花柄が伸びている。


花は1-3個で2個ついているものが確かに多い。だからニリンソウ。


これは3個の花がついている。


花は下向きに咲いているものもある。


上向きに大きく開いているものもある。

クロモジとアブラチャンの花

2013-04-09 | 日記
クスノキ科クロモジとアブラチャンはその花があまりに地味で最近は好んで庭に植えることはないだろう。今ちょうど咲いているのにほとんど誰にも気付かれない。



クロモジ クスノキ科

落葉低木。雌雄異株。


葉の展開と同時に枝の節に散形花序を出し淡黄緑色の小さな花を多数付ける。


これは柱頭が見えるから雌花かな。



アブラチャン クスノキ科

落葉低木。雌雄異株。クロモジと同じ仲間。葉が展開し始めている。


花は葉に先立って咲くからもう花は大分落ちてしまっている。


雄しべがはっきり見えるので雄花かな。

ムスカリとタケノコ

2013-04-09 | 日記
ムスカリ ユリ科

4/6(土)の朝は晴れていたが4/7(日)は春の嵐で最悪。それ以後はいい天気が続いている。公園の片隅に咲いているムスカリを発見。


ムスカリはユリ科の球根植物。2-3年前に市内を流れる川の土手にムスカリが群生しているのを見つけたことがある。その時のことを思い出した。土手に腰をおろしてその対岸を何気なく眺めていたら家畜小屋があってヤギかヒツジを飼っているのが見えた。こんなところに畜産場があるなんて不思議な気がした。大学からもそう遠くはない。高速道路が近くを走ってはいるが通り抜ける道がなく誰も近くを通ることはできないから、いわば安全地帯でヤギがのんびりと土手の草を食べているのもうなずける。ずい分前に大学でネズミを使って研究をしていたときに大先輩の先生が「自分たちの頃は牛の膵臓を土手の横の畜産場でもらってきて実験したものだ」と言っていた。この近くには昔は畜産場がいくつもあったのだろう。土手のムスカリの小さな花とその対岸の畜産場はあの頃と同じようにゆっくりと進む時の流れの中でいつまでも存在し続けるような気がする。


下から覗いてみよう。



ムスカリに気を取られていると目の前にタケノコが生えてきている。山の中なら掘ってみたいところだ。もうタケノコの季節になったんだなあ。


竹林の隅に生えてきたタケノコは何とも可愛い。

セリバヒエンソウ

2013-04-07 | 日記
先週郊外のまだ歩いたことのない谷津田を早朝に散歩した。以前一度来たことがあったがそれは栗が実っているのを遠くから見つけて来た時だから秋だった。土地の人が時折散歩している。竹林には竹の子があちこちで顔をだしている。いい季節だなあ。


タチツボスミレやサクラソウが咲いている土手を歩いていった。


田の畔の近くの草むらに紫色の小さな花が群生していてムラサキケマンかなあと近づくとまだ見たことのない草花だった。




花の印象からキンポウゲ科ではないかと思った。デルフィニウムの花と同様に長い距を持ちどこか似ていたから。


葉は2-3回3出複葉でセリの葉のように切れ込みがある。


萼片は5個で花弁状、最上部の萼片には長さ約1㎝の距がある。花弁は萼片の内側に4枚。いつものようにネット検索してキンポウゲ科セリバヒエンソウであることが判明。中国からの帰化植物で現在は関東地方で野生化しているという。

トウゴクミツバツツジ

2013-04-04 | 日記
昨日の風雨はひどかった。千葉では40m/秒の風が吹いたらしい。一夜明けた今朝は台風一過同様見事に晴れ渡った空が現れた。温帯モンスーン気候である日本では変化する気候は当たり前だからそれを面白いと受け入れるしかない。




雨あがりの郊外の散歩道。まだ通勤、散歩には早すぎて誰も歩いていない。一人老人が大きなカメラを持って被写体を探している。立ち止まってそこにしゃがむと足元のムスカリを撮り始めた。確かにあれはいいなと思って近づこうとしたときに、遠くに明るい薄紫桃色のミツバツツジ独特の輝きを見つけた。ムスカリはひとまず置いておいてミツバツツジ?のほうに向かった。


ミツバツツジの花はなぜか自ら光を放っているのではないかと思うほど輝く。それが朝日を浴びて眩しいほど明るい色をしている。


まだ葉は展開していない。花の大きさは少し小ぶりで上の花弁には、しみのような赤い斑点がある。


雄しべの数は10本。5本は短く5本は長い。ミツバツツジの雄しべは5本だからこれはミツバツツジではない。


ミツバツツジの仲間で関東に多いのはトウゴクミツバツツジらしい。千葉県清澄山で見つかったキヨスミミツバツツジというものもあり見た目はそっくりらしい。これはどちらだろうか?ネットで検索すると、トウゴクミツバツツジの花の花糸は無毛で花柱の下半分には腺毛があるが、キヨスミミツバツツジは花糸も花柱も無毛であることが鑑別になるという。


さて改めて依頼品を見てみよう。花柱の下半分に腺毛らしきものがはっきりと見えることからキヨスミミツバツツジではなくてトウゴクミツバツツジのようだ。

オオシマザクラとヤマザクラ

2013-04-02 | 日記

朝、通勤途中の道を少しそれてオオシマザクラ?の植えてある公園を覗いてみることにした。朝日が差し込んできたので桜の観察にはちょうどいい。


小さな児童公園の割には4-5本のオオシマザクラと思われる桜とヤマザクラ、ソメイヨシノなどが植えられている。隣は広い畑になっているので日当たりがいい。


手前に見えている枝はヤマザクラ。


オオシマザクラ

月は数日前に見たときは満月だったのに今ではもう右半分が欠けている。


隣の広い畑にはナノハナが植えられている。桜の傘の下に入ってナノハナ畑のほうに目をやる。


満開の桜の下。


オオシマザクラはいい香りがする。


ここのオオシマザクラはどれも同じものはない。大きさも花弁の形もみな少しずつ違っている。ソメイヨシノはどれもみな同じクローンだから全く同じだけれど、ここのオオシマザクラは実生苗から育てたものなのだろう。個性があってそのほうがいい。



ヤマザクラ

ヤマザクラは新葉が茶色でがく筒や花柄に毛がない。もう少し散りかけている。


吉野山の桜はこのヤマザクラだそうだ。


花弁が散ったあとも雄しべ、雌しべが残っている。


いつまでもいつまでも長く咲き続けていてほしい。

ユキヤナギとヒメリュウキンカ

2013-04-02 | 日記
ユキヤナギ バラ科

早朝の散歩は天気のいい日に限る。まだまだ寒いし薄暗いと草木もまだ眠っている。今日4/2の日の出はAM5時27分で10日後の4/12は5時13分だから10日で14分早くなっている。春分、秋分の日前後がやはり日の出の時間が一番変わりやすいだろう。夏至、冬至は折り返し点だから日の出の時間はあまり変化がないはずだから。


先週の天気のよかった朝、公園のユキヤナギは最高だった。


小さな花だけれども拡大するとびっくりするくらい美しい。


後ろ姿。



ヒメリュウキンカ (Ranunculus ficaria) キンポウゲ科


昨年も一昨年も毎年このヒメリュウキンカを同じ場所で観察している。水辺のカエルのいるようなところに咲いている。幸いにも水は干上がっていて近くに行くことができた。学名にラナンキュラスRanunculusとあるのはカエルのすむ様な所に生えているからで、ficaria は「イチジクのような」という意味で根茎がイチジクに似ているからつけられている。


花弁状の萼片8-9枚の中心部に雌しべが集合して多数つきそれを囲むように雄しべがある。


花弁状の萼のさらに裏側に3枚の萼片があるのがヒメリュウキンカの大きな特徴(リュウキンカには3枚の萼片はない)。

ニワトコ

2013-04-02 | 日記

大学の裏手の藪の中に白い綿のような花が見えた。


ブロッコリーのようなつぼみも見える。桜の季節、林縁に新緑の若葉と白い泡立つような花を見つけたらそれはスイカズラ科ニワトコだろう。


つぼみから芽が吹き出す姿は力強く心湧きたつような勇気をもらうことができる。


新緑の葉に囲まれて小さな花をたくさんつけた円錐花序はよく見ると雄しべは5本、雌しべは1本の小さなな花からできている。雌しべは紫色で柱頭は短く先端は3裂している。夏には真っ赤な果実をたくさんつけることだろう。昔骨折の治療に用いたことから別名は接骨木(せつこつぼく)。

ハマダイコンとムラサキハナナ 

2013-04-02 | 日記

土手に沿って桜と菜の花が咲く。ナノハナに交じって同じアブラナ科の淡紅紫色の総状花序の花がちらほらと咲いている。


ムラサキハナナにしては花が小さく紫が薄い。おそらくハマダイコン。ダイコンの野生化したもので海岸の砂地に生えるという。


花。


下の方の葉はダイコンに似ている。


ムラサキハナナ アブラナ科

こちらは公園に咲いていたムラサキハナナ。別名オオアラセイトウ、ハナダイコン、ショカツサイなど。ハナダイコンとハマダイコンは違うものだから紛らわしいい。


ムラサキハナナの花。

オオバヤシャブシ?

2013-04-02 | 日記

川のほとりにある小高木が目を引いた。枝にはハンノキを思わせるような黒褐色の果実がたくさん残っている。カバノキ科ハンノキ属であることは間違いなさそう。雄花序に柄が無いのでハンノキではなくヤシャブシの仲間だろう。しかし葉がないから葉で確定はできない。


ちょうど花序ができ始めていている。雄花序と雌花序の位置関係が大事だという。どうも雌花序の方が雄花序よりも先端にあるようだ。ヤシャブシとヒメヤシャブシは逆に雄花序が雌花序よりも枝先側にあるらしい。しかも雌花序の数もヤシャブシは1-2個、ヒメヤシャブシでは3-6個と多く、オオバヤシャブシは1個のみ。


この木には果実は一個ずつしか付いていないからオオバヤシャブシの可能性大。


葉芽が展開しつつある。そのすぐ下に雌花序が上を向いて付いている。そして周りの大きな雄花序。


これは雄花序。