せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

チャンチン

2013-04-21 | 日記
たまたま古本屋で見つけた「植物と病気」(大木 理著 東京化学同人、1994)をさっき読んだ。人間の病気には感染症、アレルギーや膠原病などの自己免疫病、糖尿病などの内分泌異常、腫瘍などあるが、植物の病気はたいていが病原体による感染症によるもののようだ。「病気は個体群の中のすぐれたものを残すために、劣っているものを間引いていく活動」であり「その危機的状況に対処するために生物は変異を起こし続け、ひいては生物の進化にも役割を果たしている」という。20年も前に書かれた本なのに知らないことがいっぱい書かれている。松枯れ病の原因はマツノザイセンチュウでありこれを媒介するのがマツノマダラカミキリであること、霜が降りて植物が枯れるのは氷核活性細菌のせいであること、植物ホルモンにはオーキシン、ジベレリン、サイトカイニンなどがありモモ縮葉病とかサクラてんぐ巣病を引き起こすこと、植物は病原菌に対抗してフィトアレキシンという物質を作ることなどなど、知らない事だらけであることを知った。




国道沿いの高速道路の出口近くには遠くからみてもピンク色に葉を染めた高木を数本見ることが出来る。あれは多分センダン科チャンチンに違いないと以前から確信している。毎日それを見て春のチャンチンの紅葉具合を知ることができる。このチャンチンの木には一般の人は近づくことはできないから公園のチャンチンを見に行った。チャンチンは春の新葉が桃色から肌色で徐々に黄色味を帯びてそして緑色に変わっていく。これを見ずしてチャンチンの良さはわからないだろうといつも思う。今年は4/8と4/18の2回見る機会があった。


まず4/8のチャンチン。

木の陰から遠くのチャンチンが新葉を展開し始めたのが覗える。


少し近づいてみる。


奇数羽状複葉で紅葉しているから少しハゼノキやウルシの仲間かと勘違いしそうだ。でもハゼノキの新葉はこんなピンク色はしていない。






葉脈が透けて見える。


4/18のチャンチン

木の間から黄葉したチャンチンが見えた。


4/8に見た時よりも黄色がかってきている。










木の根元付近にはひこ生えが出てきている。やはり薄い肌色の葉。

フジ

2013-04-21 | 日記
2-3日前まではとても暖かだったのに今日は冬に戻ったかのように寒い。しかも朝から雨が降っていた。確か4/18は快晴で気持ちがいい朝だった。国道を飛ばしていると防音壁に絡む青紫の花が見えて、そうかもう藤が咲いているんだなあと思うと以前大学の裏山にフジが一面に咲いていたのを思い出した(2010/5/6のブログ)。県立公園の藤棚も霊園の裏山のフジも素晴しかった。これまで見てきた数々のフジの花が頭をよぎる。藪をかき分けジャングルのような林の中を進んで見上げた樹上高くに薄紫のフジが花のカーテンを降ろして光に輝いているのに出くわした時、あっと声をあげるほど美しい光景に出合ったのだった。強い香りを放つ花のい周りをマルハナバチがぶんぶんと羽音を鳴らしているのが聞こえる。近寄ってもまさか刺されることはないだろうからかまわずに進んでいった。あれはいつのことだっただろう。


公園のフジ棚を見上げて朝日に浴びたフジのなんと美しいことかと感動。


少し離れたところでは例のおじいさんも大きなカメラを抱えてうろうろしている。




青空とフジはよく合う。


今度は別の藤棚を見てみる。

こちらは低い所に長い花序を伸ばしている園芸種のような感じ。随分前に宇治の平等院に行った時ちょうど藤が満開で素晴しかったのを覚えている。この田舎のフジはそれにはとても及ばないものの明るい日差しの中でそれなりに輝いていて素晴しい。







隣には色の薄くて白っぽいフジの花。




世の中の嫌なこともわずらわしいことも苦しいこともつらいことも、ちょっとの間吹き飛ばしてしまってこの絢爛豪華なフジの花に包まれて酔いに浸る時間があってもいいだろう。