藪の中でアケビの花に出会った。濃い香りが辺りに漂っている。右肩上がりのツル性植物でこんな藪の中にあるものと言えばこの辺ではアケビかミツバアケビが一番多い。そしてアケビとミツバアケビは決まって一緒の所に生息している気がする。
ごく薄い紫の3枚の花被(がく片)の中に濃い紫のしべが見える。
雌花も雄花も葉脇から花柄を伸ばし、基部の方に1-2本の雌花を上部には雄花序をつける。雌花序は花柄に対して鋭角に分岐して長く下の方に垂れ下がる。
雌花は少し大きくて中から7-8本の雌しべが突き出でている。しかもカタツムリの角のようにその先端が濡れている。雄花は総状花序を垂らし小さい花の中にはバナナの房状の雄しべが並ぶ。
近くにこのアケビの花よりももっと紫の濃い花被をもつアケビ?を見つけた。5枚の掌状複葉でアケビの葉と似ているけれどもわずかな鋸歯がある。花の大きさはアケビとほぼ同じだが雌花の花被は濃い紫色。花序からほぼ直角に花柄を長く伸ばしている点もアケビと少し異なる。
右に2本の雄花序がからまっている。その一つからほぼ直角に雌花序が長く出て1つだけの雌花をつけている。ミツバアケビも雌花序は直角に出るが花柄は短い。
雄花序だけのものもある。
調べて見ると両種の特徴を受け継いでいるアケビとミツバアケビの雑種であるゴヨウアケビというものがあるらしい。う~ん、ゴヨウアケビかなあ?
2012/4/8に撮影したもので葉を比較してみる。
これはどちらもミツバアケビ。右は花序。雌花序は雄花序の基部から直角に分岐してしかも花柄は雄花序よりも短い。
左はゴヨウアケビ?、右はアケビ。5小葉からなる掌状複葉でゴヨウアケビには鋸歯がみられる。アケビの葉には鋸歯はない。