20代半ばから30代前半くらいの男性から電話が掛ってきた。
お客様「ROLEXを貰ったんですけど、本物か偽物か判りますか?」
店主「ROLEXを貰った...」
コピー度 90%
店主「箱とか保証書の類はないですか?」
お客様「時計だけ貰ったんです」
コピー度 95%
お客様「見分ける方法があったらと思いまして」
店主「なるほど。時計本体からブレスを外す工具と外すためのちょっとした技術をお持ちでしょうか?ブレスを外せば判るんですが」
お客様「工具も技術もありません(笑)」
店主「ですよねぇ(笑) 本物だったらブレスを外した本体側面に型番と製造番号が刻印されているんです。コピー品には入っていないのですぐ判るんですが」
お客様「なるほど...」
店主「お近くのROLEXを扱っている時計販売店や百貨店へ持って行って見てもらえば一発で判ると思いますよ。うちは東大阪ですが、お近くにお住まいでしょうか?見せていただいたらすぐ判りますが」
お客様「堺です」
(堺か。車だと小一時間だな。堺の北に住んでたら中環で来るか、阪和―近畿使ったら30分~40分くらい、南に住んでたら阪高堺線―東大阪線でやっぱり40分くらいか。地道で来ると1時間以上かかるかも...)
店主「あと、見分けるポイントとしては、最近のコピー品はよくできているので時計本体ではなかなか判断しにくいんですが、ブレスとかバックル部分に結構違いが出ます。本物はブレスの1コマ1コマが丁寧に作られていて、角もしっかり面取りしてあります。コピー品はコマの角やバックルの角を触ったら指が切れそうに尖っていたりと雑に作られています。ブレスを曲げたりブラブラさせて、滑らかにシャラシャラ~ッと動くのが本物で、ギクシャクしてたり、硬かったりしてスムーズに動かないのがコピー品ですかねぇ」
お客様「はぁ...」
(本物をしょっちゅう触っていないと判りづらいか)
ここで思い切って聞いてみた。
店主「あの、大変失礼な質問で申し訳ないんですが、そのROLEXをくれた方というのはお金持ちでしょうか?」
お客様「あ~ぁ、よく食事とか奢ってもらいますけど(笑)」
コピー度 80%
お客様「あの...秒針が1秒ずつ動いてるんですけど...」
店主「えっ!?」
コピー度 100%
店主「自動巻きなら秒針は1秒ずつは動きませんね。文字盤にOYSTER QUARTZと入ってます?」
お客様「え~ ... 入ってます」
店主「入ってます!?...ということは、クォーツモデルですね」
コピー度 50%
店主「一部ですが、ROLEXにもクォーツ式のものがありますからねぇ。お電話口では何とも判断がつきませんね」
お客さま「そうですね。やっぱり見てもらわないと判りませんね」
店主「ごめんなさい」
お客さま「お手数お掛けしました」
この電話から数日経つが、まだいらっしゃらない。
お近くの時計店か百貨店へ持ち込まれたんでしょうか。
お電話での会話から推測したところ、お客様のROLEXは50%の確率で本物と判明しました。
半々です(笑)
ここで、一つ訂正がございます。
オイスタークォーツの場合、ケースとブレスの繋ぎ目の形状が自動巻のモデルと異なりますので、ブレスを外しても型番及び製造番号は刻まれておりません。
型番、製造番号はケースの裏(裏ブタではなく、本体のラグ近く)に刻印されています。
本物だったらいいですね。
ROLEXをくれる友人知人を数多く持ちたいと思う腕時計修理専門店トゥールビヨン店主
いや、まずはよく食事を奢ってくれる友人でいいや。
ということで、明日と明後日はお休みです。
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