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電通と麻薬密売

2021年04月25日 | 未分類
  電通は、1901年、光永星郎によって「日本広告」という名で、広告斡旋企業として発足し、1907年「日本電報通信社=電通」として、メディア向け情報通信業務に変わった。
 やがて第一次世界大戦の報道で名を上げ、1932年、日本軍が、情報宣伝、統制の戦略的重要性に気づいて、満州における通信と情報管理のための国策会社である「満州国通信社」として、里見甫を主筆として出発している。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E9%80%9A
 (電通の麻薬密売にかかわる負の歴史は、昭和通商とともに完全にウィキから削除されている。里見甫と岸信介の麻薬関連情報は、今では探すのも困難なほどだ)

 電通の国策会社としての任務は、日本軍が大陸で軍資金を調達するための組織であり、当時、上海麻薬王と謳われた里見甫をトップに据えて、満州・朝鮮で、大規模な麻薬・武器の密売を通じて得られた利益を日本軍に上納した。

 当初は、品質の良い中東アヘンを輸入して売りさばいていたが、天才的麻薬技術者である二反長音蔵の協力により、満州・朝鮮北部でもアヘン生産が大規模に行われるようになり、これを精製してヘロインを製造するための工場が、北京通州に作られた。
 後に、この工場は、同じ麻薬密売組織である青幇(蒋介石)によって襲撃され、残虐な皆殺し被害に遭っている。この事件が南京大虐殺の発端となった。

 このヘロイン密売を行った組織は、電通傘下の「宏済善堂」であり、これは「里見機関」の一部でもあった。岸信介の経営する「昭和通商」も麻薬密売に加わった。

 なお、敗戦後、里見甫がA級戦犯として逮捕されてから、不可解に釈放された理由も、岸信介が、麻薬密売利益を米軍と取引して、巨額の密売資金と交換に岸信介・里見甫・児玉誉士夫・笹川良一・正力松太郎らとともに、死刑確実なA級戦犯として逮捕された麻薬密売グループ全員を解放させたといわれている。

 里見甫が電通を通じて、世界の流通量の90%を超えるヘロインの密売を始めたのは、1915年、星製薬が台湾から粗製モルヒネを後藤新平の助力によって輸入し、モルヒネ・ヘロインの精製を開始してからだが、大日本製薬、三共、武田薬品工業も追従し、それらは、里見甫の支配する電通・里見機関によって大陸で売りさばかれ、日本軍の武器調達資金になった。
 実際問題、この密売資金がなければ、戦前の巨大な海軍力はありえなかった。
 (星新一著・「人民は弱し、官吏は強し」に詳しく描かれている)
 https://www.amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E6%B0%91%E3%81%AF%E5%BC%B1%E3%81%97-%E5%AE%98%E5%90%8F%E3%81%AF%E5%BC%B7%E3%81%97-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%98%9F-%E6%96%B0%E4%B8%80/dp/4101098166

  植民地時代の日本の麻薬政策  小森榮弁護士(1950-2019)のブログから
 https://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/17_colonial_morphine.html

太平洋戦争における日本の戦費は(現在価値に換算して)4400兆円、貧しかった戦前の日本は、どこから、この金を持ってきたの? 2020年12月08日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1335.html

 麻薬王 岸信介 2020年11月18日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1314.html

 以下の「アヘン帝国」は、非常に優れた内容だが、この著者は、星製薬が1915年からモルヒネ・ヘロインの製造を行って日本軍部の秘密機関である、里見機関や昭和通商が、アヘンではなく、モルヒネ・ヘロインを主体に大陸で軍資金調達のための密売を行ったことに、あまり気づいていない。
 http://asait.world.coocan.jp/kuiper_belt/section4E/kuiper_section4E.htm

 実は、私も、1900年代初頭における台湾のアヘン統制密売の主役だった後藤新平の時代、中東アヘンが売りさばかれていたことは知っていたが、その後、二反長音蔵という天才技術者が現れて、満州でアヘンが栽培され、ヘロイン精製にまで進み、日本軍の戦争を支えるだけの巨額の利益を得たことは、昨年末までよく理解していなかった。
 ヘロインは、アヘンの数十倍の利益を生み出す「打ち出の小槌」だったのだ。

 上のリンクのなかに書かれた、現在価値にして4400兆円という太平洋戦争軍費が、どこからひねり出されたのか、探ってゆくと、里見甫や岸信介に行き着くしかなかったのだ。それも、当時の全世界麻薬流通量の、おそらく95%を超える可能性があり、信じられないほど大量の麻薬を、日本が世界に売りさばいていたのだ。

 戦後、日本では麻薬取り締まりが非常に苛酷な国として知られ、現在ではアメリカの多くの州政府が大麻を解禁しているのに、日本では、芸能人が連日、大麻魔女狩りの犠牲となっている。
 https://toyokeizai.net/articles/-/387609

 だが、この麻薬に対する厳しさは、実は、麻薬の危険性を認識したからではなく、戦前の日本の凄まじい麻薬密売を隠蔽する目的であった可能性が強い。
 「これだけ厳しい麻薬取り締まりを行っている日本政府が、世界の9割以上の麻薬を密売していたわけがない」と、人々に思い込ませるためなのだ。
 こうした大麻・麻薬に対する国民的アレルギーを作り出してきた、自民党宣伝部の主体も電通である。

 今回は、麻薬密売組織であった電通が、戦後自民党政権のなかで、どのような役割を果たすようになったのかについて調べたい。

 電通は日本のメディアを支配しているのか? 2016-05-15 内田樹
  http://blog.tatsuru.com/2016/05/15_0947.html

 http://www.inaglobal.fr/television/article/le-publicitaire-dentsu-tire-t-il-les-ficelles-des-medias-japonais-9000

 電通は世界第五位のコミュニケーショングループで、日本の広告市場の過半を握っている。日本のメディアの自由に、とりわけ原子力産業について語る場合のメディアの自由に、強い影響力を行使している。

 参院選の夜、型破りの反原発候補者であった元俳優の山本太郎はどこの政党の支持も受けず、ツイッターで選挙運動を展開してきたが、東京の参院議席を獲得した。
 メディアの検閲を受けながら、この熱情的な若い候補者は原発と並んでメディアに対しても激しい批判を向けていた。メディアは「広告代理店の支配下にあり、それゆえ電力会社に買収されている」「原発に関するすべての情報をシステマティックに検閲している」と彼は主張したのである。

 あるテレビ局が彼に放送の最後に発言機会を与えたが、まずスタジオにいるジャーナリストに業界擁護の弁明をさせた。画面では、若い参院議員は返答のために1分弱の時間しか与えられなかった。
 「僕は簡単な例を挙げます。これから食糧はキロ当たり100ベクレルまで含有することができる。それは食事を摂るだけで被曝するということを意味しています。しかし、このことをテレビは放送していない」
 そこまで言ったところで山本は発言を遮られた。番組終了のジングルが鳴り、スタジオの司会者は嘲笑しながら番組の終了を告げた。

 広告は文字通り日本全土を覆い尽くしている。列車の中も駅構内もポスターが所狭しと貼られ、スクリーンが並んでいる。ビルの上には巨大な看板が立ち、車には巨大なポスターが貼り付けられ、街路にはコマーシャルソングが響き渡っている。
 小便器の上に広告のスクリーンがあるレストランさえある。この広告の帝国においてメディアも例外ではいられない。新聞雑誌は、フランスと同じく、相当の頁数を広告に割いているが、それ以上なのがテレビである。

 放送はスポンサーの告知から始まり、以後、五分おきに短時間のスポット広告が、それも同一スポンサーの広告が番組を中断する。
考える時間などない。ほとんどのテレビ局はパチンコ業界のようなプログラムを提供している。目障りな色彩、絶えざる騒音、中学生なみの俗悪な笑い。

 このテレビという曲馬館のような騒ぎにおいて、広告は世界的な巨人、電通によってコントロールされている。電通は世界第五位のグループ企業であり、広告業界トップの代理店である。

 日本における第二位の会社であるライバル博報堂と共に、二社は「電博」と呼ばれ、広告、PR,メディアの監視を集中的に行い、国内外の大企業・自治体、政党あるいは政府のための危機管理を担当し、マーケットの70%を占有している。この広告帝国が日本のメディアの論調を決定していると批判する人々がいる。

 電通の重要性を表わす数値を掲げる。2015年において、グループは70億ユーロの売り上げを達成した。これは同時期のFrançais Publicis の売り上げ96億ユーロに続く数字である。ビジネスの中心はテレビ広告。どれもいずれ劣らず突飛なものである。例えば電通は10年前にSoftbankの「白戸家」シリーズを始めた。このCMでは父親が犬で、長男がアメリカの黒人俳優で、家政婦がトミー・リー・ジョーンズである。

 2013年、グループは英国のAegis を37億ユーロで買収し、ロンドンに電通Aegisネットワークを立ち上げて、国際的な企業に拡大した。この国際的なネットワークは世界140カ国に拡がる10社ほどの広告代理店を擁し、デジタル・マーケティングを中心に、盛んな活動を展開している。
 国際市場で存在感を示し、その売り上げはグループの半分以上(2015年で54.3%)に及ぶ。電通の社員は世界で47000人、日本に7000人いる。

 汐留のビジネス街、日本テレビ、フジテレビ、朝日新聞に隣接して電通タワーがあり、その偉容は辺りを圧している。デザインはフランスの建築家ジャン・ヌーヴェル、軽やかな曲線とガラスの仕切り壁にはいかなる突起物もない。
 建物の中では、グループの広報部長河南周作が満面の笑みで私たちを迎えてくれる。一階はオノ・ヨーコの白いチェスボードをはじめとする現代美術作品が並べられている。そこからエレベーターで社員たちは違う階のそれぞれの部署に向かう。グループはそれぞれの業界のトップ5を顧客に持っている。

「それぞれの業界で競合する会社のために働く社員は決して交わらないようにされております」と河南は私たちに保証してくれた。電通は見たところ透明である。だが、そのイメージはそれほどに滑らかなものだろうか。

 2012年に出版されたある本の中で、本間龍は電通の装飾の裏側についてある程度のことを書いた。電通がその上得意の一つである東京電力のためにメディアをきびしく統制していることである。本間は広告代理店のハーレムの外側にいる人間ではない。彼は18年間業界二位の博報堂で働いていた。
 詐欺罪で1年の禁固刑を受けた後、彼は作家生活に身を投じ、最初にまず自身の監獄体験を書き、次に彼が広告業界で過ごした日々について書いた。彼がメディアを丸め込むために用いたさまざまな方法について。2012年、彼の著書『電通と原発報道』はほとんどのメディアが黙殺したにもかかわらず、数ヶ月の間ベストセラーとなった。

 本間は著書で無視することのできない媒介者である電通がメディアに対して、原発について書いてよいことと書いていけないこと、どういう条件の場合にそうなるかを暗黙裏に指示するメカニズムを仔細に記述した。
「電通は特別な地位を占めています。日本における原子力広告市場の80%を占有しているからです。」本間龍氏は上野駅の喫茶店で行われたインタビューで私たちにそう指摘した。

 2012年、広告市場において、地域企業である東電は広告費については10位に過ぎず、三菱重工業より下位にいた。その知、福島原発事故の直前に、東電は200万ユーロ以上を広告に投じた。10社ある地域の電力会社の広告費総額は700万ユーロに達した。

 この数十年、とりわけいくつも事故が続いて原子力に対する疑念が高まってきた1990年以降、東電と他の電力会社は広告スポットとジャーナリズムへの広告記事を増大させていった。
 テレビでは、この広告出稿はそれだけであらゆる批判を封じることができる。大企業はトークショーや1クール丸ごとのシリーズをしばしば提供する。自己検閲は一般に行われており、これに異議を唱えることは事実上不可能となっている。

 しばしばドキュメンタリー番組が電力会社の連合組織であり、原子力ロビーの中心的なアクターである電事連によって製作され、原発事業の利点を宣伝する。
原発反対の声はなかなか聞き届けられない。それをすれば貴重なスポンサーを失う怖れがあるからである。福島の事故後、山本太郎はその犠牲にされた。彼はタレントとしてそれまでスタジオにレギュラー出演していたが、反原発の立場を明らかにしたために、いきなりテレビ界そして映画界においてさえ、「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)に認定された。

 今に始まったことではない。ずっと以前から、広瀬隆や小出裕章のような反原発運動の中心人物たち、ベストセラー作家は事実上テレビスタジオに登場することがなかった。福島の事故以後も。

 本間が告発するこの「メディア支配」は原発にのみかかわるものではない。彼の著書では、トヨタのアクセルペダルの不良についてのリコール事件についても言及している。事件が日本のメディアで報道されるのは、トヨタの社長がアメリカ議会で謝罪した後のことである。
 「広告代理店が彼らのクライアントの企業イメージに傷がつかないように報道を抑えていたことが確かだ。しかし、スキャンダルがあまりにも大きく、海外でも報じられたので、日本のメディアはやむなくこれを報道することになったのである。」
 と本間は語る。

 テレビ朝日の『報道ステーション』は質の高い報道番組で、しばしば政府批判を行っているが、これを除くと、テレビのニュース番組はどれも凡庸なもので、雑報的なものを前面に報道し、特定の企業の評判にかかわるような主題はまれにしか扱わず、政府発表をそのまま留保なしに中継し、国際ニュースは日本人の在外国民がかかわる場合にしか報道しない。

 これらの民間のメディアの中にあって、NHKだけが受信者から直接受信料を徴収することで、この広告帝国の支配を免れており、独立性を誇っている。だが、残念ながら、NHKの状況はさらに劣悪である。会長籾井勝人はNHKは安倍政権のスポークスマンであるべきだと何の遠慮もなく繰り返し断言している。

 200人の退職者を前にした最近の宣言の中で、籾井はNHKの記者たちに九州での地震については当局からの確かな公式発表と地震が列島南部のみを伝えることで満足するように、また列島南部で稼働中の原発に地震が与えるリスクについては独立的な専門家の意見には耳を貸さないように厳命した。

 電通は共同通信、時事通信というふたつの通信社と特別な関係を持っている。いずれも電通の歴史的な株主であり、それには理由がある。この三つの会社は戦前は同一の企業体を形成していたのである。
 新聞報道はテレビに比べると統制がむずかしい。この点においては電通は広告出稿しかできないが、ある種のアフターサービスを提供している。メディアの監視、危機管理コンサルティング、広告サービスを経由しての新聞への間接的な圧力の行使である。

 フランスでは企業グループによる出版社の買収は企業からメディアへ直接的な圧力のリスクがかかることを意味しているが、日本では、圧力の行使は広告代理店を経由して行われている。広告代理店がメディアに対する企業サイドの「大使」の役割を演じているからである。
「どういうようにそれが行われているか、私は熟知しています」と本間は言う。

 「私は博報堂にいたとき、まさにそのような仕事をしていたからです。工場や発電所で何かトラブルが起きる。メディアがそれについて報道すると、電通がただちに介入してきます。そして、問題になっている新聞の営業部門を訪れます。」
別に声を荒立てるわけではない。ことは「日本的」に行われる。「ただ、この件についての報道をもう少し抑制してくれないかとお願いする。記事にしないか、あるいは読者の少ない夕刊に記事を掲載してくれないか、と」。新聞の営業部門はそのメッセージを編集部門に伝える。

 記者たちはそのプロセスについては何も知らない。翌日になって続報はさらに小さな扱いになるか、まったく報道されなくなる。その場合には紙面に余裕がなかったという理由が用いられる。
しかし、疑惑は無数にある。本間によれば、彼の著書の出版の後、多くの記者たちが彼のところに取材に来て、検閲の事例について確認を求めた。

「少なくとも私が知っている例が一つあります。それはある自動車メーカーが三大日刊紙の一つである毎日新聞に対して検閲を成功させたことです」と彼は言う。原発に関しては、検閲はさらに広がり、週刊誌や地方紙にまで及んでいる。
福島の原発事故以来、広告は停止している。

 しかし、電通にとってはこれは新しいビジネスチャンスの到来を意味していた。福島県産の農作物のプロモーションである。テレビ広告、新聞広告、駅貼りポスターなどなど。2011年以来、有名歌手の参加を得て、福島県は県産の桃や米やトマトについて「福島のプライド」「福島は元気だ」といったプロモーションに対する出費を惜しまなかった。

 こういったことのすべてには電通と電通PR(電通のPR担当子会社)という日本第一位の広告代理店が関与している。「電通PRは経産省の仕事もしている」と電通PRの広報部長の藤井京子は私たちに説明した。
「私たちは海外のジャーナリストたち、タイとマレーシアのジャーナリストたちのために、被災地が被害からすでに立ち直っていることを示すために、東北地方への無料訪問を企画しました。」それは周辺の放射能を忘れさせるためでもあった。

 電通はまた原発広告においても、東電のためにまた強力な経産省と自民党の傍らにあって特異な地位を占めてきた。この二つも電通の広告のクライアントである。
このような状況において、電通が「原子力ムラ」の立場に与していると考えることは可能だろうか。
 この問いに私たちを電通タワーの上層階にある彼のオフィスに迎えた河南周作氏は「われわれはメディアに対する影響力を持ちませんし、政治にも関与しません」と即答した。

 しかし、私たちがではなぜ電通は日本の電気会社やEDF(フランス電力)と並んで原子力ロビーの中心組織である日本原子力産業協会のメンバーであるのかと問うと、河南周作氏はより用心深くなった。「そのような団体のことは存じませんが、それは確かなのですか」と彼は困惑した様子で答えてからスマートフォンを手にした。

 「ああ、そうですか。私たちはメンバーです。けれども、私たちはさまざまな協会のメンバーになっております。誰かを会議に出席させてくれと言って来る。誰かが言ってサインする。それだけのことです。」
 ややあってから、彼は「私たちは木材製造協会の会員でもあります」と付け加えた。明らかに彼自身自分の説明に説得力がないと感じていたらしく、他の理屈を見つけ出した。「ご覧なさい、博報堂も会員です!」と彼は突然声を上げた。原子力ロビーに関与しているのが電通だけではないことを知って彼はほっとしたようだった。

 本間龍によれば、これは原発促進活動の再開の徴である。「博報堂は二年前から日本原子力産業協会の主要メンバーです」と言いつつ、彼は福島の事故後に博報堂がこのような関心を示したことに驚いていた。明らかに、何十年にもわたって原発広告という「金鉱」から遠ざけられていた博報堂は、福島事故の後に強化されるはずの原発促進広告という「ケーキの分け前」にありつこうとしているのである。

 原発促進広告は2011年の3月11日の事故以来完全に消えている。東電によるテレビと新聞を使った謝罪広告のあと、原発の開発事業者と建設事業者たちは広告には消極的であり、5年間原発についての広告は一つの配信されていない。
だが、原発再稼働がいくつかも法廷で争われ、高浜原発のように稼働停止判決が下され、国民の多くが原発再稼働に逡巡しているうちに、原発促進の賭け金はどんどん吊り上がっていった。2015年の原発再稼働の後、2016年は原発広告のひそやかな再稼働の年となった。

 広告はまず原発が設置された地方の地方紙と地方テレビ局に登場した。本間龍氏は彼の最近の発見を誇らしげに見せてくれた。「2016年2月から、関西電力は福井新聞に何度か全面広告を打ちました。福井は高浜原発が再稼働してから一月後に稼働停止の仮処分を受けたところである。新潟日報と新潟の地方テレビ局では、東電の世界最大の原発柏崎刈羽原発再稼働のための広告が独特の文脈で登場した。

 現在の新潟県知事ははっきりとした反原発の立場にあり、再稼働一般に反対しているが、彼の任期が終わる年末に選挙がある。東電による原発広告の再開は新潟の市民たちの怒りに火を点けずにはいなかった。とくに福島からの避難民たちは広告の停止を求める請願を行った。
 これらの広告の伝えるメッセージはどれも同じであり、電通がその背後にいることを思わせる。電力会社は原発の安全性を保証するためにあらゆる手立てを尽くしていると約束し、その一方で、写真は原発労働者たちの姿を前面に押し出して、福井のような産業の乏しく、原発に依存している地域の雇用問題の琴線に触れてくる。

 本間龍氏によれば、これらの広告は氷山の一角に過ぎない。これらの広告は原子力に関するすべての広報と緊密な関係を持っている。これらの地方紙は原発反対派の発言についてはごくわずかな紙数しか割かない。
 先月公表された報道の自由度についての報告で「国境なき記者団」は日本を世界72位に格付けした。これはハンガリーやタンザニアよりも下位である。日本は6年前はこのランキングで世界11位であった。東京を訪れた国連の調査員もまた日本のジャーナリストたちが受けている圧力が、民間でもNHKでも、日々強まっていることについて警告を発した。

 問題になっているのは政府による圧力の強化である。これは特定秘密保護法の施行によって一層強まった。特定秘密のうちには原子力に関するものも含まれている。この規定の曖昧な法律は「秘密」情報を漏洩したジャーナリストを投獄すると恫喝している。
 この状況を象徴するように、三人のジャーナリスト、それぞれ硬骨で知られた人々がテレビのレギュラーを辞職するということが起きた。その中の一人『報道ステーション』のキャスターであった古舘伊知郎は、本間龍氏によれば、数年前から原発政策と安倍政権の政治に対する批判的な態度ゆえに、電通の標的になっていた。

 日本の巨大企業の特権大使である電通が、これから後も、日本で今起きているメディアに対する大がかりな締め付けにおいて負託された役割を演じ続けることには疑いの余地はない。
*************************************************************
 引用以上

 長すぎて申し訳なかったが、電通の自民党政治に関する役割を理解してもらうためには、内田樹氏の、この文章を転載するしかなかったのだ。
 かつて、麻薬密売組織、そして満州・朝鮮における情報統制機関としてCIAのような役割を担い、戦後は、米国CIAの手先機関として、国内の情報統制を担ってきた電通の正体を全国民に報せるためには、この百倍以上も、書き続けなければならない。
 電通の正体が、広く国民が知るようになれば、そのとき、日本は真の民主化に向かう。


ああ美浜原発3号機 40年超再稼働

2021年04月24日 | 未分類
  今を去ること十数年前、反原発派の間では、日本で最初にメルトダウン事故を起こすとすれば、それは東京電力、福島第一原発1号機か、あるいは美浜原発3号機かと囁かれていた。
 いずれも、東電・関電のデタラメ運営と事故隠し、卑劣な情報操作に定評があったからだ。
 そして2011年3月、東日本大震災とともに、福島第一原発は巨大放射能事故を起こした。事情を知る反原発派の多くが顔を寄せ合って、「次は美浜3号機」と頷きあった。

 40年超の原発再稼働、同意へ 福井知事、月内にも判断 2021年4月23日
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/100030
 
福井県議会は23日の臨時議会で、運転開始から40年を超えた関西電力の美浜原発3号機(同県美浜町)と高浜原発1、2号機(同県高浜町)の再稼働を前提に、原子力政策の明確化などを国に求める意見書案を賛成多数で可決した。議会として容認した形。両町は既に同意しており、杉本達治知事は閉会後、報道陣に「確認すべき内容は煮詰まってきた」と発言。同意の方向で月内にも最終判断する見通しだ。

 再稼働すれば、東京電力福島第1原発事故後にできた「原則40年、最長で延長20年」のルール下で初となる。ただ長期運転の安全性への懸念は根強く、知事には丁寧な説明が求められそうだ。
****************************************************************:
 引用以上

 そもそも原子力発電、とりわけ関西電力原発の大半が「加圧水型原子炉」=PWVだが、建設当初の設計寿命は、25年に設定されていた。それから、世界的に耐用年数を30年と設定する傾向が続いた。
 日本政府はフクイチ事故を受けて、どさくさ紛れに40年に延長してしまい、これが現在の耐用年数の法的根拠になっている。

 2012 年6月改定、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」
 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=332AC0000000166

 関西電力では、ほとんどの原子炉が加圧水型だが、この炉型には、沸騰水型にはない特別な危険性が存在している。
 それは、構造上、原子炉一次冷却水に160気圧という圧力をかけて水を300度まで沸騰をさせないようにして熱交換器に送り込む。ここで二次冷却水に熱を移し、12気圧、180度で発電タービンにスチームを送り込むのだ。
 
 このとき、圧力容器にかかる160気圧という圧力は、蒸気機関車ボイラーの10倍で、もしも、圧力容器に、わずかな欠陥が生じていれば、莫大な放射能を含んだまま巨大爆発を起こす、地上最悪の超大型爆弾のようなものだ。
 問題は、圧力容器がどの程度、信頼できるかだ。

 実は、原子力発電の歴史は、まだ70年程度しかない未熟なもので、圧力容器の信頼性に関するデータは乏しく、内部に試験片を入れて調べながら、行き当たりばったりで運転するという超危険な運用が行われている。

 この圧力容器は厚さ数十センチの鍛造鋼材(低合金鋼)で、核分裂による中性子を絶えず浴びているので、鉄原子の一部が変質したり、中性子捕獲反応で、ニッケルやコバルトに変化してしまい、いわばスポンジのようなスカスカの鋼鉄に変わってゆく。

 このとき、「脆性破壊」という現象が起き始めるのだが、これは、最初は、よほどの低温でしか起きなかったものが、中性子によってガラスのように変質することで、徐々に、高い温度でも起きるようになる。
 つまり、圧力容器全体が、高い温度でも、まるでガラスのような脆い材質に変わってゆき、簡単なショックで破壊されるようになる。
 
 こうなると、何らかの事情で、ECCS(非常冷却装置)が作動して、冷たい水が原子炉に入ると、高温ガラスに冷水を浴びせたようにバリバリっと破壊され、超高圧で大爆発を起こしてしまう。

 このため、原子炉内に、圧力容器同等物質の試験片を置いて、「脆性破壊遷移温度」を調べ、運転温度で十分な強度が保たれているか、調べなければならないシステムだ。
 https://cnic.jp/424

 ところが、関西電力と原子力業界は、この脆性破壊温度予測式で、PWV寿命に都合の良いデータの捏造を行い、脆性破壊現象をごまかしていたことが、上のリンクに書かれている。
 おまけに、全国の加圧水型原発の試験片データが明らかになると、驚くほど脆性劣化の進んだ危険な原子炉が続々と見つかった。

  いつ巨大爆発を起こすか分からない高浜原発1号機 2019年07月08日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-800.html

  http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-864.html

 この高浜1・2号機も、40年超再稼働予定に含まれている。しかも、使用済み核燃料の冷却保管に500年間もかかるMOX運用だ。
 関電も規制委も政府も、自治体も誰一人、使用済み核燃料を原発構内で500年冷却保管が可能かどうか考えてもいない。いわばトイレなきマンションを作っているのだ。
 あなたがたは、日本政府・電力企業・管理企業が本気で500年継続できると考えているのか? もし、ほんの少しでも子供たちの未来環境を考えているなら、絶対にできない超愚行なのだ。

 さて、我々が数十年も前に、日本で最初にメルトダウン事故を起こすにちがいないと予測した、フクイチと美浜原発だが。そう考えた恐ろしい理由を掘り返してみよう。
 それは「一次冷却水配管、ギロチン破断事故」である。(以下、広瀬隆)
***************************************************************
 https://diamond.jp/articles/-/82951
  
川内原発や伊方原発だけでなく、佐賀県の玄海原発も、福井県の原発銀座の原発も(敦賀1号機を除いて)、北海道の泊原発も、再稼働候補は、みな加圧水型です。

 美浜原発「ギロチン破断」事故

 これらを続々と動かそうと、政府と原子力規制庁が目論んできたのですが、「蒸気発生器」のギロチン破断事故が起こり、シビアアクシデント寸前まで進んだ大事故が1991年2月9日に、福井県美浜町の美浜原発2号機で起こりました。
 今の新聞記者、テレビ記者たちは、若いので、ほとんどこうした日本の重大事故を知りません。

 蒸気発生器のパイプが「ギロチン破断」して、スパンと切れたのです。そして原子炉が2度沸騰し、空焚き寸前まで進んで、20トン以上の冷却水が噴出しました。

 漏れた原子炉の水には、もちろん放射能が入っていました。そして汚染した水蒸気が、美浜町の空に吹き出してしまったのです。
 その水蒸気を、たまたま観光にきていた人が写真に撮っていたので、福井県内版の「朝日新聞」に出ました。しかし、「東京版」では、それを掲載しませんでした。マスメディアというものは、実に作為的ですね。このときは、ECCS(緊急炉心冷却装置)で水を投入して、かろうじて、大爆発を食い止めました。

 原子炉からタービンまで、どこかで熱を奪えなくなると、原子炉に熱がこもってしまうので、メルトダウンを起こします。地震などで大きな配管が破断すると、一気に大事故になります。

 100万キロワット級原子炉で10トンの水を沸騰させるのにどのくらいかかるか?

  日本の平均的な原子炉は100万キロワット級です。川内原発も伊方原発も89万キロワットですから、ほぼ100万キロワット級です。
 100万キロワットの原子炉で、10トンの水を沸騰させて水蒸気に変えるのに、どれぐらいの時間がかかると思いますか?

 1トンの水は、縦・横1メートル、つまり1立方メートルのサイコロです。10トンの水は、その10個分ですから、大変な量です。
 いったいどれくらいの時間で、その10トンの水が沸騰すると思いますか?

 たった1秒で、それが全部、水蒸気になる! それほど大量の熱が出ている。それが100万キロワット級の原子炉です!
 ですから、何かあれば、一瞬で、大事故に突入するのです。

 この国は、世界一の地震国ですよ。

 伊方原発は、中央構造線という日本最大の活断層の真上に原子炉があるので、それが動けば、制御棒を突っ込む時間がなく、そのまま大爆発して終りです。フクシマ原発事故では、震源が原発から130キロメートルも遠くの沖合だったで、揺れが襲ってくるまでに時間がありました。だから、制御棒を突っ込んで、核分裂を止めることには成功したけれど、伊方原発では、何もしないうちに終るのです。

 中央構造線とは、西日本の土台をつくった火山爆発の亀裂地帯なのです。ドーンと大地震が来た時には、伊方原発は終りです。しかも、フクシマ原発の「沸騰水型」は、300度以下で70気圧です。

 加圧水型はもっと高圧で150~160気圧です。つまり沸騰水型より2倍以上の圧力をかけています。高温高圧ですから、メルトダウンが始まったら、一瞬でダーッと大事故に突入してゆきます。

 フクシマとは比較にならないほど早く、原子炉が溶け落ちる。これは「加圧水型」が持つ宿命です。

 ところが日本で、川内原発を動かしてしまいました。バカ集団の原子力規制委員会の委員5人は、何も知らないド素人集団です。

 その配下の官僚──原子力規制庁の8割はどこからきたと思いますか?
 フクシマ原発事故を起こしたアホ集団、原子力安全・保安院です。事故を起こした当事者、責任者たちが、そのまま横すべりで原子力規制庁に入ってきて、デタラメ審査をしてきたのです。

 彼らに、「あなたはどこの出身か?」と尋ねると、みんな「保安院です」と答えます。そして彼らに何を質問しても、何も答えられない。
 原子力の専門機関のどこでも働いたことがない官僚たちが、原子炉の危険性を判断できるはずがない。

 ド素人集団たちが、アンパイア役として次々GOサインを出している!

 川内原発2号機は、交換しなければいけない蒸気発生器を、交換しないまま動かしました。つまり、30年前のボロボロの蒸気発生器を使って、2015年10月に動かし始めたのです。頭がオカシイとしか思えない。ほどなく大事故を起こします。

 すぐに起こった復水器トラブル

 川内原発を動かし始めて、すぐに起こったトラブルは、復水器で起こりました。
 これも熱交換器ですから、金属に腐食が起こり、海水が入りました。海水が入ったということは、蒸気発生器のほうに、塩分が入ってくるのです。

 途中に脱塩装置があり、海水の塩を取れると言っていますが、大量の熱水が流れるところですから、そんな装置で取れるはずがない。
 普通、塩分を取ると言えば、イオン交換樹脂で取ります。大量の海水から塩分が取れるはずがない。蒸気発生器に塩分が流れ込んだ状態で、今、再稼働しているのです。

 ここからは少し希望のある話をします。
 大事故が起こらないよう祈りますが、いつ起こるかわかりません。
 少なくとも安保法制は、憲法違反ですから、国民の8割の人が反対しています。

 憲法違反ですから、国民は、安倍晋三の法律に従う必要はない。憲法を超える法律はないのですからね。法律が無法なのです。国民はこれに従う必要はないけれど、自衛隊員は命令を受ければ従うでしょう。そこが困るところなのです。今の原発の場合も、こういう無法が、まかり通っている。では、いったいどうしたらいいのか。

 電力会社と話し合いをして、互いの協力によって、原発を断念しようと言っているのです。金が必要なら、日本中の金を集めて、電力会社の経営を助けてやるから、ケンカはしないで原発を止めよう、と。
 ところが、呼びかけても相手はまったく聞く耳を持たない。彼らは自分たちで墓穴を掘り続けています。

 
 現在、福島県内の子どもの甲状腺ガン発生率は平常時の70倍超。
 2011年3~6月の放射性セシウムの月間降下物総量は「新宿が盛岡の6倍」、甲状腺癌を起こす放射性ヨウ素の月間降下物総量は「新宿が盛岡の100倍超」(文部科学省2011年11月25日公表値)という驚くべき数値になっている。

 東京を含む東日本地域住民の内部被曝は極めて深刻だ。
 映画俳優ジョン・ウェインの死を招いたアメリカのネバダ核実験(1951~57年で計97回)や、チェルノブイリ事故でも「事故後5年」から癌患者が急増。フクシマ原発事故から4年余りが経過した今、『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』で描いたおそるべき史実とデータに向き合っておかねばならない。

 1951~57年に計97回行われたアメリカのネバダ大気中核実験では、核実験場から220キロ離れたセント・ジョージで大規模な癌発生事件が続出した。220キロといえば、福島第一原発~東京駅、福島第一原発~釜石と同じ距離だ。

 核実験と原発事故は違うのでは? と思われがちだが、中身は同じ200種以上の放射性物質。福島第一原発の場合、3号機から猛毒物プルトニウムを含む放射性ガスが放出されている。これがセシウムよりはるかに危険度が高い。

 3.11で地上に降った放射能総量は、ネバダ核実験場で大気中に放出されたそれより「2割」多いからだ。

 不気味な火山活動&地震発生の今、「残された時間」が本当にない。
 子どもたちを見殺しにしたまま、大人たちはこの事態を静観していいはずがない。

 最大の汚染となった阿武隈川の河口は宮城県にあり、大量の汚染物が流れこんできた河川の終点の1つが、東京オリンピックで「トライアスロン」を予定する東京湾。世界人口の2割を占める中国も、東京を含む10都県の全食品を輸入停止し、数々の身体異常と白血病を含む癌の大量発生が日本人の体内で進んでいる今、オリンピックは本当に開けるのか?

 同時に、日本の原発から出るプルトニウムで核兵器がつくられている現実をイラン、イラク、トルコ、イスラエル、パキスタン、印中台韓、北朝鮮の最新事情にはじめて触れた。
 よろしければご一読いただけると幸いです。
**************************************************************
 引用以上

 広瀬さんの文章を転載すると、他に書くものがなくなってしまうのだが、美浜原発の恐ろしさから、少し外れてしまったので、もう一度立ち返ろう。

  美浜3号で配管破断・死傷事故(原子力資料情報室通信363号より)2004/09/02
 https://cnic.jp/44
 非常に長大なので、以下一部引用

  2004年8月9日、11人の下請け労働者が死傷する大事故が、関西電力の美浜3号炉(加圧水型炉・82.6万キロワット・1976年12月1日運転開始)でおきた。

 2次系の主配管が突然、ギロチン破裂し、中をながれていた9.5気圧・140度の熱水が、爆発でもするかのように、蒸気となって一気にタービン建屋に噴き出した。

 噴き出した蒸気は、タービン建屋内で作業していた下請け労働者を直撃、5人が死亡・7人が全身やけどなどの重傷を負った(8月25日現在)。

 破裂したのは第4低圧給水加熱器と脱気器のあいだをつなぐ復水管で、外径560ミリ、肉厚10ミリの炭素鋼製の配管である。タービン建屋2階の天井近くに敷設されている。
 この配管は、事故後の調査で厚さが1ミリ程度にまですり減っているのがわかった。

 配管の中をながれる熱水の渦巻き様の流れや気泡をふくんだ流れなどによって配管が浸食される作用と、腐食(錆の生成)とが交互におこり、配管内部から肉厚を減少させる現象が進んだためだ。(アマ註、非破壊検査対象として普通の現象)

 美浜3号炉の配管の破裂した箇所については、運転開始以来、一度も肉厚の検査が行なわれてなかった。
 (アマ註、これには驚いた。高温高圧配管は減肉リスクが非常に大きいことが普通に知られており、これが検査対象になっていなかったというのは驚愕的であり、プラントの構造特性に無知蒙昧な、よほどのバカが運営していたとしか思えないが、これは管理責任者の重過失致死に該当する事件であるのに、起訴されていない)

 1970年に運転開始した美浜1号(34万kW)は大阪万博に電気を送ったことで知られるが、73年に燃料破損事故を起こし、関電と三菱重工は幹部ぐるみで隠蔽した。
 美浜2号(50万kW)は72年に運転開始し、91年に蒸気発生器細管ギロチン破断を起こしたが、ギロチン破断は起こらないと断言していたのが関電であった。
 そして美浜1号の燃料破損が内部告発によって明るみに出た76年に運転を開始したのが、美浜3号であった。1号~3号いずれも三菱重工製である。

 事故箇所は定期検査の直接の対象ではなく事業者の自主検査(02年の法改正後は定期事業者検査)の対象であったが、加圧水型炉(PWR)を運転する各電力会社は90年から、2次系炭素鋼配管について共通の「原子力設備2次系配管肉厚の管理指針(PWR)」を策定し運用していた。
 (アマ註、ならば原子力規制委員会の責任であり、担当者は逮捕起訴されなければならない)

 関西電力は80年代末から三菱重工に検査を委託していたが(それ以前の検査会社も公表されるべき)、他のPWR事業者が三菱重工に委託をつづけるなか、96年に系列会社日本アームに変更した。「電力自由化で、競争に勝つためにはコスト削減を進めなければならない」ため、「業者の変更で検査費用の約3割を削減」したとのことである(朝日新聞8月21日)。
 (アマ註、これで分かるように、この事故の最大の原因は、ヤクザと結びついて腐敗した、関西電力の金儲け体質であり、金儲けのために大事故を防ぐための保安検査態勢を縮小したのだ。まさに、美浜3号機の大事故は、関西電力の腐敗体質そのものから来ていたのだ)
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 引用以上

 これで分かる通り、東電・関電のあらゆる原発事故と隠蔽体質は、日本社会が原発を作って運営できるだけの知的レベルに達していない現実を如実に示すものである。
 日本人が原発を運営すれば、大事故を起こす。上の美浜3号機ギロチン破断事故は、運営検査の常識が、関係者にまったく理解されていなかったことを示していて、この知的水準で、超危険な原発を運営するなど、もってのほかどころではない、重大犯罪行為である。

 この程度の幼稚で軽薄な管理が行われている美浜原発が、巨大事故を起こさないはずがない。
 それは、「ハインリッヒの法則」の典型的適用例である。事故は偶然では決して起きない。すべての事故には必然性がある。
 https://www.kaonavi.jp/dictionary/heinrichs_law/
 ドロドロに腐敗した関西電力と、知的水準の著しく低い現場管理者が揃えば、大事故が起きないはずがないのだ。

 関西電力は、山口組と共謀し、地元自治体を金で抱き込み、安全性を無視して、金儲けと汚職に邁進してきた。
 我々が、次のメルトダウン事故は美浜原発と予測したのは間違っていない。
 その美浜原発が、超老朽化したまま再稼働だって!


江上波夫「騎馬民族征服王朝説」を小馬鹿にする三橋貴明

2021年04月23日 | 未分類
 【ダイジェスト】天皇は朝鮮人?文化勲章を受賞した売国歴史学者の罪とは?(三橋貴明)
 https://www.youtube.com/watch?v=j14IfcwBOSY&t=76s&ab_channel=%E3%80%8C%E6%96%B0%E3%80%8D%E7%B5%8C%E4%B8%96%E6%B8%88%E6%B0%91%E6%96%B0%E8%81%9E%E4%B8%89%E6%A9%8B%E8%B2%B4%E6%98%8E%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB

 私は、半世紀以上前から、三橋が嘲笑する江上波夫の大ファンだ。私の信じている歴史理論の多くが、江上波夫説から来ている。
 江上波夫は、1960年代の歴史学会における、反権力・反皇国史観・革新的雰囲気のなかで生き生きと革命的新説を明らかにした。江上説によって、古代史の謎が天地を覆すほどの衝撃で、歴史の闇から飛び出してきた。

 現在の天皇家は、今から1600年以上前に、朝鮮半島にあった百済という国にいた騎馬民族が渡来した末裔であるというのが江上説の骨子だ。
 このことは、日本書紀にも鮮明に記録されている。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%93%E6%9C%88%E5%90%9B

 弓月というのは、古代キルギスタンを示すが、応神14年、AD300年前後に、弓月氏=秦氏が、120県の民(約20万人)を連れて、百済から日本に上陸したと書かれている。
 彼らは「秦の始皇帝の末裔」を称していた。
 これが日本古代記録に表れた騎馬民族大量渡来の最初の記録である。
 これを知れば、キルギスタン先住民と日本人が酷似している謎が、容易に解けるだろう。

 それ以前の先住民は、2500年前に、呉越戦争によって呉(蘇州)が敗北し、国ぐるみの坑刑(生き埋め)を逃れて、水郷地帯特有の操船技術を生かして、南シナ海をこぎ出した「弥生人」である。
 行き着いた先は、台湾・山東半島・朝鮮南岸・そして九州であった。彼らを総称して、今では「弥生人」と名付けているが、弥生文化や稲作が、上の地域で共通して出土しているのは、呉越戦争という事情に伴うものだ。

 いわゆる「天孫降臨」の初代は「神武天皇」だが、中国史学では、これは呉の首長だった、太伯の弟の李歴であるとの学説が定説となっている。
 つまり、彼らが「邪馬台国」など弥生国家群の創始者なのだ。
 皇国史観学者は、これを否定するいかなる理論も持ち合わせていない。ただ天皇制を維持する目的の「万世一系論」が崩壊するという恐怖から、根拠の希薄なDNA論を持ち出して反対しているだけだ。

 太伯は、史記・東夷伝・魏志倭人伝における「邪馬台国人は、呉の太伯の裔」という一節で、日本でも有名だが、その人物の概括は以下に詳しい。
 https://blog.goo.ne.jp/mryanagi_1947/e/a06e8c3349c0cbd7804ec95603769d9b
 http://www.md.ccnw.ne.jp/rekishi_tajimi/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E6%AE%8B%E3%82%8B%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E7%B3%BB%E3%81%AE%E5%9C%B0%E5%90%8D%E8%80%83.html

 神武による「天孫降臨」は2600年前(皇紀)という皇国史観の主張も、呉が越に敗北して、蘇州民が船で逃れてくる時代と、ほぼ一致しているといっていいだろう。
 また、魏志倭人伝、東夷伝など、多数の記録にも一致している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E5%A4%B7%E4%BC%9D

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%8F%E5%BF%97%E5%80%AD%E4%BA%BA%E4%BC%9D

 この弥生人の渡来には、たくさんの民俗学的証拠が付随している。
 一番分かりやすいのが、稲作農耕を携えて、日本や朝鮮南岸にやってきたことだ。日本列島に稲作が確認されたのが2500年前なので、ぴったり符合する。
 (蘇州)呉国民が船で上陸した済州島・山東半島・九州などで、古代稲作の痕跡が多数出土している。たぶん台湾でも出土するはずだ。

 呉という地名と稲作農耕における「裾からげできる衣類」から「呉服」という言葉も生まれている。これはシッキム・レプチャに発して東亜三角弧、照葉樹林帯文化のなかで発展した、稲作に関連した文化であり、副食としての納豆や味噌文化なども含んでいる。
 また、収穫に使う刃物類も、鎌に類似した曲刀が伝えられ、直刀は見られない。彼らが騎馬民族と無縁であることの証明だ。

 弥生人における、蘇州人DNA問題は複雑なので、いずれ、まとまって書きたいが、弥生人のDNAは蘇州人に近似したものである。それは九州や瀬戸内居住民と共通している。
 朝鮮半島でもDNAの解釈で、皇国史観系学者と大きな齟齬が生じているが、彼らの主張はあまりに一方的で、騎馬民族文化と弥生文化を混同していたり、呉国人が海から朝鮮半島に上陸したという前提が顧みられていなかったり。エベンキ族と百済人を混同していたり、学問的に極めて未熟で疎漏が多すぎるのでアテにならない。
 
 皇国史観系歴史家たちは、何が何でも天皇制を守るための「万世一系論」を守りたい一心で、それを前提に、呉国人九州上陸説も、百済人、天皇家先祖説も頭ごなしに否定しているだけで、学問的な説得力のある根拠は何もない。
 30年ほど前から始まった「反江上論」の大半が、皇国史観系右翼による、逆襲と考えて良い。

 例えば、ウィキの説明のなかでも、「日本海の荒波を超えて馬が移動できるはずがない」と決めつけているが、釜山~対馬は、目視可能な、わずか50Kmであり、手こぎ船でその日のうちに移動できる。
 また、当時の馬を運ぶための専用船と思われる双胴船も出土している。対馬~壱岐~唐津は半日行程にすぎない。「日本海の荒波」を持ち出すのは、地理を知らないからだ。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E4%B8%8A%E6%B3%A2%E5%A4%AB

 現在では、ますます江上学説の正しさを確信するばかりだ。自民党、皇国史観系学者による江上波夫に対する誹謗中傷が私は我慢できないので、その浅薄さを糾弾するつもりで、上の三橋リンク動画に、たくさんのコメントを書いた。

 1700年前に、百済という国が、国ぐるみで、日本列島に渡来してきた証拠は無数にある。これから、三橋のYouTube動画を叩きながら証明してゆこう。

 冒頭の天つ神(騎馬民族)国つ神(呉由来弥生人)について、記紀の伝承に騎馬民族はない。「天皇が馬に乗っている光景など一つもない」と三橋は強調するが、冒頭に書いた弓月氏の応神14年、120県(20万人)渡来は、日本書紀に明記されていて、三橋は勉強不足もいいところだ。
 しかも、「百済から移動している」とも明記されていて、彼らが同時代の、百済武寧王の関係者であることも分かる。

 「天皇が馬に乗っている光景は皆無」という下りも、「その程度の知識で江上説を嘲笑しているのか?」と言うしかない。
 聖徳太子像を見れば分かるように、古代天皇の残された肖像画は、ズボンを履き、ミズラを結っている。
 ズボンは騎馬民族特有の衣類で、内股を馬の背のこすれから守るための工夫であり、ミズラは乗馬時の風圧から髪が暴れるのを防ぐための工夫である。馬に乗っていなくたって、彼らが騎馬民族であることを証明するものだ。

 江上は、天皇家の先祖について、高句麗→扶余→百済→(加羅)→大和と提示した。現行韓国民族は、元々、濊エベンキや沿海州オロチョンだったことが遺伝解析によって明らかにされたが、韓国歴史学会は、自分たちを美化する目的で、それを隠してしまった。
 https://career-find.jp/archives/221955

 だが、天皇家を生んだ百済(武寧王?)は、史学上では、高句麗・扶余由来であり、金・清・満州族と同じ女真族である。これはエベンキ族とは、まったく相容れない別民族である。百済が国ぐるみ日本列島に移住した本当の理由は、非妥協的で残虐といわれるエベンキ族による襲撃から逃れるためだったのだろうと、私は考えている。
 おそらく「好太王の碑」の好太王も、新羅のエベンキ族ではなかっただろうか?

 江上波夫が、天皇家が扶余・百済由来であり、加羅を経由したということは、対馬を船で渡ったことを意味するのであり、すべて正しい。三橋の嘲笑は、何一つ的を得ていない。
 弓月=秦という名を用いたのは、騎馬民族が先祖地を名字に使う習性があったからだ。
 民族的には、ツングース女真族(満州族)であり、同じツングースでも、濊・エベンキ・オロチョンなどとは全く異なる。

 女真族は、後に金・清を建国し、中国全土を支配しているが、天皇家は同族である。
 だから、昭和天皇は、清王朝皇帝=溥儀を傀儡満州国皇帝に据えたとき、溥儀に対して「兄弟」と呼びかけている。
 つまり裕仁氏は、満州族と天皇家が同一民族であったことを知っていたのだ。

 呉由来の、天孫降臨族=ヤマト王朝は、やがて、畿内に侵出し、騎馬民族に事実上、乗っ取られることになる。時代背景としては、私は継体天皇の時代を想定している。
 継体は福井海岸に上陸し、不可解な流れで、琵琶湖から京都に入ったが、このとき、「秦庄」という地名に名を残した。
 彼らは、当時、巨大な湿地帯だった京都盆地を埋め立てて、千年の都、京都を作り出した。

 天孫降臨族=呉の末裔ヤマト王朝は、おそらく大阪から奈良に向かい、そこに拠点を構えていたが、継体や曽我氏、聖徳太子らに王権を乗っ取られた。
 その歴史的記録を天武の時代、藤原不比等が焚書によって記録を消し去ったというのが私の推量だが、もちろん十分な証拠を得ているわけではない。

 しかし、民俗学的には、ズボンを履いた騎馬民族がAD300年以降、畿内に勢力を拡大し、やがて天皇家となるプロセスは確実と考えている。
 江上は、それまで円墳が主体だった古墳が、騎馬民族以降は方墳に変化し、馬具が大量に出土するようになったことも明らかにしている。

 これらの経過は、皇国史観系歴史家が江上を嘲笑しているような軽薄なものではない。江上説は、平泉澄学派の軽率独善からみて、桁違いに重く、現実的リアリティに富んでいる。

 この問題は、これからも何度も蒸し返して説明するつもりだ。

 追記 文中「彼らが同時代の、百済武寧王の関係者」と書きましたが、これは誤りでした。
 武寧王はAD462~523なので、弓月渡来とは時代が違います。むしろ継体王と同時代であり、血縁が疑われています。間違った記述、申し訳ありませんでした。

 

 

 


もんじゅと西村成生氏

2021年04月22日 | 未分類
 もんじゅは、敦賀半島の先端にある日本原子力研究開発機構(動燃が名前だけを変えた)の高速増殖炉である。文部科学省の所管。その10Kほど南西には美浜原発がある。
 もんじゅは、日本原電敦賀原発と、美浜原発に敷地が接続されていて、巨大な占有敷地を持っている。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%98%E3%82%85

 もんじゅは、MOXを使用する高速増殖炉の原型炉であり、常陽に続く日本で2番目の高速増殖炉である。1994年に臨界開始をしているが、以来、無数の事故・故障を繰り返し、一度として、まともな稼働が行われたことはない。

 核燃料を消費した分以上に生成すると謳われた核燃料サイクル計画の要だったが、1995年に、金属ナトリウム漏洩と、それによる火災事故を起こし、事故が動燃によって隠蔽されたことから、政府は、動燃の社名を「原子力開発機構」に変えさせ、再出発させた。
 この事故は、運が悪ければナトリウムの巨大爆発を起こし、、福井県のみならず、関西地方全体をプルトニウム放射能汚染で永久に居住不能にする可能性があった。

 運転再開のための本体工事が2007年に完了、2010年5月6日に2年後の本格運転を目指して運転を再開した。しかし、2010年8月の炉内中継装置落下事故により、再び稼働ができなくなった。
 2012年に再稼働する予定だったが、事故が想像以上に深刻な損傷をもたらしていたため、2016年12月21日に廃炉決定された。

 廃炉とはいうが、5年を経た2021年4月現在も、270体ある核燃料ユニットのうち、半分も取り出せていない。
 この理由は、MOX核燃料の崩壊熱が巨大で、100度以下の永久保管適応(冷却水が蒸発しない温度)になるため、500年以上かかり、その間、核燃料ユニットが高温で、傷つければ膨大な放射能が噴出するため、取り扱いが極めて困難だからだ。

 このことは、原発推進側によって強力に情報封鎖されていて、メディアも決して報道しない。500年もの間、強制冷却が必要な危険な核燃料である情報は外部に知らされず、それを知る者はほとんどいない。
 公開文書としては、九州電力の「当社見解」に、ちらりと真実が書かれている。
 http://www.kyuden.co.jp/nuclear_pluthermal_answer_12.html
 
monju01.jpg


 もし強制冷却を止めたなら、核燃料被覆管のジルカロイが加温クリープ現象や経年劣化によって、ピンホールやクラックが生じて、内部から放射能が噴出し、莫大な汚染が起きるのである。
 世界に500年の間、安定政権が続いた例はない。政変が生じたり、管理会社が消滅したりすれば、管理者を失った超危険な核燃料に何が起きるのか?

 まともな人間性と科学的知見があれば、MOX利用は人類の未来のために絶対にやってはならない無謀な暴走行為であることが誰にでも理解できるはずだ。

 もんじゅは、未だに、冷却剤のナトリウムさえ、取り出すことができない。固化防止加温とMOX冷却に必要な電気代(廃炉維持費)は、年間240億円だといわれる。
 もんじゅは、建設以来1ワットの電気も生み出したことがない。だが、これまで日本国民の血税を、3兆円近く浪費し、500年後に冷温解体するとすれば、さらに数十兆円を必要とする。

 なぜ、これほど、人類史上希なほどの超馬鹿げた汚物建設を行ったのか?
 それは、正力松太郎以来の、日本原子力推進勢力が、なんとかして「もんじゅ」による高純度プルトニウム生産を軌道に乗せて、核ミサイルを製造して世界に売りつけるつもりだったからに他ならない。

 正力松太郎や岸信介は、朝鮮・中国などに莫大なヘロインを売りさばいて軍事費を捻出させたが、戦後は、それに変わる資金手段として、核兵器開発に目を付け、核燃料サイクルからもんじゅを作らせたのだ。
 核兵器は戦前のヘロインに代わる金儲け手段だった。(「とんでも」情報と思うか?)

 もんじゅ西村裁判

 1995年12月8日に発生した、もんじゅのナトリウム漏洩火災事故において、事故現場の様子を撮影したビデオテープの一部を隠したことが発覚し、マスコミに追及された。ビデオ隠しが判明した時期は1995年12月25日だったにも関わらず、動燃が1996年1月12日に開いた隠蔽公表の記者会見では、会見直前の「1996年1月10日」と虚偽の発言を行った。

 この会見の翌日の1996年1月13日、ビデオ隠しの特命内部調査員として、マスコミ報道の矢面に立たされていた動燃総務部次長=西村成生の遺体が発見された。警察発表で自殺とされ、その後、マスコミの追及は尻すぼみとなっていった。
 遺族は自殺の原因を動燃に、嘘の記者会見を強要されたためであるとして、損害賠償請求訴訟を起こしたが、2012年1月31日付けで敗訴が決定した。

 ナトリウム漏洩火災事故
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/old/koso/siryo/koso01/siryo07.htm

 もんじゅでは2次系ナトリウム配管の熱電温度計保護管が折損し漏洩事故が発生した。
冷却材である金属ナトリウムは、200℃以上の高温でなければ流動性を失うため冷却力が消える。
ナトリウムは空気に触れるだけで自然発火する。また、もし環境に漏洩したなら、コンクリートや土壌の水分と反応して大爆発に至る。
 もんじゅの場合は、漏洩ナトリウムが床面コンクリートの水分と反応して火災に至った。

 この事故は2011年フクイチ巨大事故における(1・4号機)の「ジェット計測配管折損」と非常に似ている。フクイチ原子炉は、これによって冷却軽水を失いメルトダウンに至った。
 実は、原子炉には、この種の中小センサー配管が大量にあり、これらの事故シュミレーションを行っていると莫大な費用がかかるため、適当な推量で取り付けられている場合が多く、原子炉の安全性を根底から揺るがしている。

 この事故以来、もんじゅは運転休止状態が続き2010年まで運転を停止していた。
 事故当時の朝日新聞の報道によれば、ある納入業者の零細企業の商店主が、ナトリウム冷却装置の肉厚が均等過ぎる為、早期に装置の罅割れ・破断が起きるのと警告をしていた。温度計を装着する為に穴を空けて貫通した部分の肉厚をそれ以外よりもぶ厚くしないと、破損事故が起きるのは間違いないと指摘をしていた。

 業者の意見も聞いてみたらどうかというのが、記者の意見があった。その零細企業の店主の意見はその後も、全く採用されることもなかった。肉厚は均等にしておかないと、固有振動が起こって、却って装置全体の共鳴などの厄介な事態が起こって、それこそ炉全体が遣られてしまうだろう。酷い振動が起こり、寿命も短くなると言って、完全に無視しているのだ。将来はこの点で炉が破滅するだろうというのが朝日新聞の論評であった。

 しかし、X線写真によれば「さや」の先端は途中のくびれ部分から完全に折損しており、中の温度計は45度ほど折れ曲がった状態で管内にむき出しになっていた。日本原子力研究所が調べたところ、ナトリウムの継続的な流れにより「さや」に振動が発生、徐々に機械的強度が衰え、折損に至ったことがわかった。
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 実は、私はこのブログで、関西電力やその人材が移動した動燃について、福井県若狭地方のドロドロに腐った保守政治と結びついた「反社会マフィア」であるとくり返し指摘してきた。
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1066.html

 もんじゅや美浜原発建設時の敦賀市長は、有名な「パンティ高木復興大臣」の実父、高木孝一だが、この男は、「将来、原発でカタワの子供が生まれても、今金になればいい」と公然と発言するような人物だった。
 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/270810

 私は、1980年代から、たびたび敦賀市保健所などを訪れて、当時の白血病など被曝影響病を調べたことがあるが、なぜか、不審なデータばかりあり、被曝病は、全国平均よりも少なく記載されていたことで、もしかしたら敦賀市をはじめとする若狭の市町村は住民人口動態まで改竄しているのではないかと強い疑いを持った。

 また、福井市近郊の地震で、福井市が震度5弱だったとき、はるかに遠い中津川市が震度3だったのに、近い敦賀市では震度1になっていて、どうみても、震度データも改竄、あるいは最初から揺れの非常に少ない場所を選んでいると確信した。

 西村成生氏の死を知ったときも、どうみても、これは暴力団関係者を使った殺人であると確信した。
 私は、関西電力(動燃も同じ)幹部が、原発労働者斡旋から山口組と深い関係があり、刺青まで入れていることを知っていた。
 彼らは、原発運営にあたって、暴力団を自由に使っていた。脅しにとどまらず、殺人まで平然と行っていた証拠がある。
 https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_litera_9946/?p=3

 以下に、本沢二郎氏の報告を転載する。
 悪魔の動燃と戦う西村未亡人<本澤二郎の「日本の風景」(4061)
http://jlj0011.livedoor.blog/archives/28819557.html
2021年04月21日 jlj0011のblog

 <国家的犯罪に呑み込まれた夫の死の秘密に立ち向かう女性>

 手元に市民運動家・仲村さんが郵送してくれた動燃(動力炉・核燃料開発事業団)によって殺害されたともいえる夢の原子炉・もんじゅ重大事件の遺族・西村トシ子さんの陳述書(2020年12月16日作成)がある。なんと東芝経営の東芝病院で、命を奪われた次男・正文と共通する事実があった。

 「刑事事件の知識がなく、夫の遺体解剖をしなかった」と彼女は嘆いている。筆者も、息子の遺体解剖に気付かなかった。本来は、東芝病院が変死の通報を警察にすれば、必然的に解剖がなされるはずだったが、東芝病院はその義務を果たさなかった。

 それをよいことに、東京地検の松本朗という悪党検事は、解剖していないので死因不明と決めつけて、東芝に軍配を上げた。許しがたい暴挙である。西村さんの場合は、警視庁中央署が担当していながら、それでいて解剖しなかった。聖路加病院さえも、それを由とした。真相隠しに警察と病院が加担したものだ。

 専門家であれば、もうこれだけで西村さんの夫の成生さんの死は、自殺ではなく、動燃とその上の科学技術庁が関与した国家的殺人事件だと、ほぼ断定できるだろう。一人ぐらいまともな作家かジャーナリストがいなかったのか、悔やまれてならない。

 そもそもは、動燃そのものが、血税1兆円以上を浪費した、核兵器製造を最終目的とした、悪魔の組織そのものと見られている。日本国憲法に違反するプロジェクトである。現に当初は「核燃料開発」という露骨な名称を用いてきている。よって現在は「日本原子力研究開発機構」に変えている怪しげな組織は、もんじゅ廃炉でも存続している。

 現在は、文部省と科学技術庁が合体して文科省を名乗る。このところ、超右翼の神道政治連盟・日本会議の清和会ポストになっている。正義の前川喜平氏に解説してもらうと、分かりやすいだろう。

 森友事件関連による財務省職員の赤木さん事件と似ているが、露見した事実と不可解すぎる動燃当局の対応から見えてくるのは、どうみても警視庁まで巻き込んだ殺人事件の臭いが濃厚である。松本清張いでよ、との思いである。

 未亡人のトシ子さんと亡き夫の成生さんの無念は、計り知れないものがある。これに関与した動燃幹部・科技庁首脳陣と警視庁などの関係当事者の、その後の経緯も注目されよう。果たして、墓場に持ち込めるか、西村未亡人の執念の法廷闘争に敬意を表したい。東京地裁の裁判長がヒラメなのか、そうでないのか、ここも特段に重視すべきだろう。

<核武装目的?「もんじゅ」の秘密を知りすぎた総務部次長の悲劇>

 恥ずかしいことに、昨日まで西村トシ子さんのことを知らなかった。夫の動燃総務部次長の成生さんが49歳で「自殺した」と動燃・警視庁が決めつけていたことなど、全く知らなかった。この国が、三流国であることは分かっていても、組織の忠誠者に責任をなすりつける悪魔の所業には、やはり愕然とするばかりである。

 不幸中の幸いというべきか、トシ子さんも元動燃の職員だった。内部の事情に多少の理解がある。そのことは、森友関連の赤木夫人との差異である。

 西村裁判を担当する酒田芳人、大口昭彦両弁護士の活躍も目覚ましい。出来れば、遠慮せずにこの重大犯罪に関係した当事者の固有名詞を、記述してもらいたい。共犯者の中には、耐えきれずに真相を明かす者も出てくるからだ。

 資料などで分かったことは、成生さんが動燃の秘密を知りすぎた人物だった、という事実である。彼の資料・記録は段ボール箱5個もあったという。動燃が知られたくないデータ・記録の山に違いない。ゆえに動燃は、これを秘密の保管箱に押し込んで、隠ぺいしてしまっていることも知った。まさに動燃は犯罪組織そのものであろう。

 血税を数兆円も使う悪魔の組織の蓋を、なぜこじあけることが出来ないのか。

民主の国ではない日本の象徴であろう。しかしながら、とうとうコロナ襲来で、自民党と公明党に対して、鉄槌が落とされようとしている2021年である。

<怪しすぎるホテルから飛び降り自殺!正義に目覚めたことへの仕打ち?>

 とはいえ、動燃の悪徳に協力してきた幹部に対して、なぜ死で報おうとしたものか、ひどすぎて不可解千万である。

 法廷準備書面などで動燃の正体は、成生暗殺事件は既に暴かれている。呪われた原発組織であることは、誰もが資料や報道からも読み取れる。

 たとえば「ホテルからの飛び下り自殺」と有能な?警視庁中央署が、解剖もせずに事件直後に断定したことからも、この怪死事件は初めから馬脚を現している。息子の東芝病院事件や「木更津レイプ殺人事件」から、日本の警察の無様な実態を知ると、遺族や弁護士の指摘を余計に素直に納得できる。

 ちなみに、事件はもんじゅナトリウム漏洩重大事故に起因している。この現場のすさまじい配管破裂の現場撮影を、二人の職員がビデオ撮影している。なんと一人は東芝人間だ。東芝も事故の全容を知っている。廃炉への流れを理解している東芝であった。

 結局、2本のビデオを再編集したものを、報道陣に見せて逃げた動燃だった。この動燃のおぞましいばかりの嘘と隠ぺいに対して、動燃内部でこれの調査に当たっていた成生さんだ。彼は強く抵抗して、消されたのであないだろうか。

 「ここまでは妥協できない」との成生さんの正義に目覚めた開き直りに対して、動燃と科技庁首脳が悪魔の決断をした可能性が強い。同時に動燃事件を世論から封じ込める作戦・策略だったものだろう。遺体から、ホテルからの落下による損傷はなかったのだから。

<遺族に遺品を返さない日本原子力研究開発機構の恐ろしい悪魔暴走>

 ナトリウム漏洩事故は、戦後50年の1995年12月のことだ。この年、筆者は仲間50人と連れ立って、南京と盧溝橋へと平和行脚の旅を敢行した。この参加者の一人、美人栄養士がやくざの歯牙にかかって、安倍と太田ショウコウらが強行した、特定秘密保護法強行の4か月後に殺害された。

 「木更津レイプ殺人事件」だ。筆者は知らずに、富津市出身のやくざ浜名を、親切な大工だと信じ込まされて、自宅に招き入れた悪夢の日が、2014年4月20日だった。
 2年後の98年に動燃は「核燃料サイクル開発機構」に改組した。後ろめたい組織の手口だ。さらに7年後の2005年には現在の「日本原子力研究開発機構」に衣替えしているが、呪われた組織に変わりない。

 驚くべきことは、未だに遺族に対して、故人の遺品を返そうとしない。改めて闇の組織であることを内外に披歴している。国会での追及はどうなっているのか。殺人の容疑のかかる旧動燃は、責任を取らせて廃止することが正しい。

 <捏造された遺書、警察を巻き込んだ大掛かりな殺人事件の可能性>

 次なる驚きは、成生遺書なるものが存在している点からして、相当手が込んでいるというか、出鱈目な犯罪隠しが見て取れる。
 強引に書かせたものか、それとも偽の遺書の可能性が高い。書いたはずの万年筆までも、遺族に返却していない。遺品を洗えば、大掛かりな動燃犯罪が露見することになるからであろう。

 無能な警察官も関与しているのであろうが、コロナが自民党を退治することになれば、ヒラメ判事も消えることになろうから、今しばらくの辛抱かもしれない。 一連の安倍の戦争三法強行や東電福島の東芝製3号機の核爆発と汚染水海洋投棄問題は、1本の太い鉄の鎖でつながっている。

 正義が暴く時が必ず来る。その使命の一翼を担っている、西村トシ子さんの執念の戦いでもあろう。平和を愛する国民は、この機会に西村未亡人に感謝すべきだ。支援を呼びかけたい!負けるな一茶ここにあり、だ。

2021年4月21日記(東芝不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)
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 引用以上

 本沢氏の鋭い糾弾にも、動燃(関電人脈)が、どれほど卑劣な反社会集団であるかが指摘されているが、これらは警察と完全にリンクしている。
 「警察が反社会勢力と共同するのか?」
 と思われるかもしれないが、ならば、2015年4月に起きた伊藤詩織強姦事件を思い出して欲しい。

 この事件は、当時、TBS政治記者だった山口敬之に、フリーランスの伊藤さんがレイプされたものだが、警視庁高輪署が事件を受理して逮捕に向かうと、なんと、警察庁最高幹部の中村格刑事部長が職権で逮捕を停止させ、もみ消してしまったのだ。

 これには、我々も度肝を抜かれ、稀代の大嘘つきと言われた安倍晋三の下で、日本の公権力の正義が、真正面からバラバラに崩壊したことを実感させられた。
 この事件は、日本の公権力が、まさにドロドロに腐敗している実態を我々に思い知らせたものであり、腐敗の核心部に原子力産業があることを、私は思い知らされた。

 原子力産業は、関係者の口封じのために殺人でも平気で実行するのだ。西村成生氏は、25年前に、その犠牲となった。だが、これは氷山の一角であり、原子力産業が自分たちの利権を守るため、いったいどれほどの日本人を殺害したのか、私が思いつくだけでも、二桁はある。それは、今でも変わっていない。
 
 


 Qアノン、極右妄想主義について

2021年04月21日 | 未分類
 「Qアノン」という言葉を初めて聞いたのは、たぶん一昨年末あたりだと思うが、トランプ支持層の共和党リバタリアンの間に拡散していったようだ。
 それが、なぜだが、回り回って日本でも支持者を拡げている。
 https://www.at-s.com/news/article/topics/national/846048.html

 私個人は、妄想(空想)小説の域を出ない、この種の議論に関心はなかったのだが、私のブログを掲載してくれていた「大摩邇」http://blog.livedoor.jp/genkimaru1/ に紹介されている主要ブログ、Ghost Riponの屋形・indeep・桜の木になろう・さいはてメモ帳・donなんてあたりで、ほぼQアノンに強い影響を受けたと思われる主張がなされ、さらに私の古い友人からも、Qアノンによる陰謀論を真剣に私に伝える人が出てきて、いつか、ブログに取り上げる必要を感じていた。

 Qアノンとは何か? とりあえずウィキの説明を見てみよう。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/Q%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%83%B3

 【Qアノンは、信用されていないアメリカの極右の陰謀論である。
 世界規模の児童売春組織を運営している悪魔崇拝者・小児性愛者・人肉嗜食者の秘密結社が存在し、ドナルド・トランプはその秘密結社と戦っている英雄であるとされており、神に遣わされた救世主として信奉者に崇拝されている。】

 あんまり馬鹿馬鹿しいので、これ以上の引用は避けるが、日本では、Qアノンの正体を、米国海軍情報局(NCIS)であると信じている人が多いようだ。
 先の、スエズ運河座礁封鎖事件で、「エバーギブン号」が積載しているコンテナには、数百人にのぼる誘拐人身売買された子供たちが乗っていて、これをNCISが救出したとの情報がまことしやかに流されている。
http://blog.livedoor.jp/genkimaru1/archives/2173995.html#more

 http://ab5730.blog.fc2.com/blog-entry-3967.html

 これについては、私は、ネット上の取材内容に目をこらし、エバーギブン関連の情報を集めてみたが、子供たちの誘拐を示す、いかなる情報も得られなかった。これは、あまりにも漫画チックなガセネタである。

 Qアノンとドナルド・トランプ支持者は完全に一致している。つまり、その正体は、共和党リバタリアンの情報操作(攪乱)機関であり、それはCIAとモサドである。
 結局、トランプの再選を狙って、CIAとモサドが、共和党の白人優位主義者を扇動するために妄想ドラマであり、政治的な意味は、「グレーターイスラエル計画」における、イスラム国の残虐な大暴れや、ベイルート大爆発が、モサド・CIAの計画であったことを隠蔽する目的だったのではないかと推測した。

 「グレーターイスラエル」とは、神に選ばれたユダヤ人に与えられた土地=旧約聖書における「約束の地」を実現するための、シオニストによる信じられないような陰謀である。
 それは、911テロ自作自演・イスラム国によるシリアの壊滅・ベイルート大爆発によるレバノンの崩壊など、まるでハリウッドの壮大なアクション映画を地で行くような恐ろしい事件を次々に起こしている世界史的陰謀工作である。

 この巨大で恐ろしすぎる企みを理解する人々がネット上に増えてきたことをシオニストが警戒し、Qアノンのような「子供だましの軽薄な陰謀論」にすり替えて、人々の疑念を掃き出そうとしているように思える。
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1211.html

 大摩邇が取り上げている Ghost Riponの屋形・indeep・桜の木になろう・さいはてメモ帳・donなんてブログに共通する主張は、心底からびっくりするものだ。(これらのサイトは幸福の科学がやってるかもしれない)
 10年くらい前までは、これらのサイトは、なかなか見応えのある内容で、私もファンだったのだが、いつのまにか、我々の感覚から遠く離れた非現実的な妄想ばかり取り上げるようになった。
 特にIndeepは、フクイチ事故の被曝被害は存在しないと書いたことで、その瞬間、永久に読まないと決意したものだ。

 コロナ禍は陰謀である。新型コロナウイルスは架空の存在であり、現実には存在しない。ワクチンは人々を殺すための人体実験であり、マスクや都市封鎖にも何の効果もない。
 PCR検査はインチキ、やっても無意味。新型コロナによる被害も架空の情報にすぎない、なんて書かれていて、これを見て、私は、こんな連中と一緒に掲載されたくないと大摩邇に自分のブログの掲載拒否を伝えた。

 そもそも、「コロナ禍は存在しない、それは、タダの風邪にすぎない」と、昨年の今頃、トランプや ボルソナールが力説して、対策を拒否し、おかげでアメリカやブラジルに世界最大級の犠牲者が出ているわけだが、現在は、二人とも自分が罹患してから、対策を容認するようになった。
 おそらく、この二人の大統領も、Qアノンの主張を真に受けていたのだろう。

 確かにワクチンについては、たくさんの疑念が払拭されておらず、私も接種を断るつもりだが、新型コロナウイルスに関しては、ゲノム解析や電子写真など、もしこれを虚構と決めつけたなら、現在の科学的到達点のほぼすべてを虚構と決めつけることになり、残るのは宗教的妄想だけだ。
 トランプもボルソナールも「地球平板協会」を否定していないので、そのレベルの知的水準ということだ。

 アメリカには、地球平板協会はじめ、18世紀の迷信や魔女狩り、人種的優位思想などを妄信している超保守グループがたくさんいて、ほとんどは共和党リバタリアンだ。
 ちょうど日本の戦後「勝ち組」と同じで、絶対に他人の言葉に耳を貸さず、真実を伝える情報も「すべてウソ」と決めつけ、自分の信奉する妄想に邁進する人々だ。
 共和党リバタリアンの思想は、キリスト教プロテスタントの「福音派」に重なっている。彼らこそ「シオニズム」の最大級の支持団体なのだ。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%AA%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0

 イスラエルという国、ユダヤ人の暴虐は福音派の支援によっていて、アメリカがイスラエルを異常に持ち上げる理由も、同じシオニストだからだ。
 911テロも、イスラム国も、背後にはイスラエルだけでなくアメリカもいる。アメリカなくしてイスラエルは存在できず、グレーターイスラエル計画もまた同じなのだ。
 こんなシオニズムの思想から、Qアノンが登場していると私は思う。それは、Qアノンの最終目的が、トランプ政権の存続であったことからもよく分かる。

 法輪功の大紀元時報 https://www.epochtimes.jp/p/index.html や新唐人テレビ https://www.ntdtv.jp/ もまた、トランプ政権を宗教的に崇めてきた。
 これは、このメディアがCIAによってコントロールされていることを示すものだった。
 だから、基本的にQアノンの主張を否定していない。

 トランプ敗北後、Qアノンの予言は次々に破綻し、離れる人々が相次いでいるとの情報がある。
 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/02/q34.php

 最初から、まともな科学的判断力を持っていた人には相手にされなかったが、予言が外れ続けることで、宗教的妄想に洗脳されていた人々にも離反が相次いでいる。
 だが、日本国内で、トランプ支持デモを行った人々は、今何を考えているのだろう。彼らは、新型コロナも虚構にすぎないと、今でも信じているのだろうか?
 以下に、藤倉氏による、とても興味深い記事があるので転載する。

 日本で繰り返されるトランプ応援デモの主催者・参加者はどんな人々なのか 2020/12/30
 https://news.yahoo.co.jp/articles/d845e148b43c21094217523edb6fae3bb5088f35

 バイデン氏当確以降も日本で繰り返されるトランプ応援デモ
「トランプ米大統領支援集会・デモ実行委員会」によるデモ(11月29日)

 アメリカ大統領選挙では、12月14日にバイデン氏が正式に過半数の選挙人を獲得し、事実上、当選確実となった。1月6日に連邦議会で投票結果の承認が行われ、バイデン氏が大統領に就任することになる。

 しかしそれでもなお、トランプ大統領を支持するデモが繰り返されている。しかも日本で。いったい、どのような人々なのだろう。 

 統一教会分派が関わる団体の官邸前集会

 以前本サイトでリポートした首相官邸前でのトランプ支持集会があったのは、11月15日。主催団体の中には、統一教会(現正式名称は世界平和統一家庭連合だが、便宜上「統一教会」と呼ぶ)の分派であるサンクチュアリ協会の関係者が関わっていた。うち一人は、日本統一教会の会長を歴任した江利川安栄氏(現・サンクチュアリ協会会長)だ。

 この集会では、「JAPAN LOVES TRUMP」「不正開票を許さない! STOP STEAL」などのプラカードを掲げた12人の集団が、「中国共産党を終焉させることができるリーダーはトランプ大統領しかいません」などと演説した。

 同様の集会は12月24日にも首相官邸前で行われている。実質的にサンクチュアリ協会による集会だったのか、他の宗教勢力や保守団体との混成なのかはわからなかった。中国系・韓国系とおぼしきアジア系の参加者が目立ったが、それが法輪功等の関係者なのか、サンクチュアリ協会(韓国日本部を置く統一教会からの分派なので、韓国系の人がいても何ら不思議はない)関係者なのかはわからない。 

 幸福の科学信者によるデモ行進

 11月25日には、日比谷公園から銀座まで、幸福の科学信者たちによるトランプ支持のデモ行進と、数寄屋橋交差点付近での演説が行われた。見たところ300人ほどだろうか、幸福の科学信者が中心と思われる参加者たちがシュプレヒコールを上げた。

「トランプ大統領再選を応援しよう!」
「アメリカ大統領線の不正選挙は民主主義の崩壊だ!」
「トランプ大統領は立派な大統領だ!」
「日本もトランプ大統領とともに世界の繁栄を目指そう!」

 主催団体である「チェンジジャパン日本を変えよう」の連絡窓口として氏名を公表している古山貴朗氏は、幸福の科学信者であることを公言している。「チェンジジャパン」の公式ツイッターアカウントは、幸福の科学の「経典セミナー」の宣伝も行っており、幸福の科学との関係を隠さない。

 デモ隊の先頭には、幸福実現党外務局長・及川幸久氏と幸福の科学職員である与国秀行氏も立ち、デモ後の街頭演説でもマイクを握った。

 「私達日本人、あるいはアメリカの人々が戦っているのは、まさに最後の聖戦であることを知っていただきたいんです。コロナの問題もあります。この闘いから逃げることはもう誰にもできない。マスクをしてコロナと闘うか、違った角度からコロナと闘うか。様々な闘いはあれども、コロナとの闘いからもはや人類は逃げることはできない。そしてそういった中で、アメリカでトランプが今ディープステートと闘っている。私達日本人もまた闘わなければならないときに来ています」(与国氏の演説)

 12月23日にも再び行われたデモ

 この後、前述の通り12月14日にバイデン氏の当選が事実上確実となった。それでもなお12月23日に、同じ団体が同じルートで同趣旨のデモ行進を行い、数寄屋橋で演説をした。この時は、目算で400~500人はいようかという参加者が集まった。今回も及川氏・与国氏が参加した。

 法輪功がデモ隊の周りでトランプを支援する記事を掲載した新聞を配り、デモ参加者もそれを受け取って掲げながら行進した。デモ隊の中にはレイシストによるヘイトスピーチ街宣などにも参加している活動家氏の姿もあった。
 11月25日のデモに比べて、信者以外の人々も加わったり便乗したりしていたように見える。

 このデモは幸福の科学や幸福実現党の公式活動ではない。あくまでも、信者たちによる「チェンジジャパン」の主催だ。なぜそのような形態を取るのか、デモ現場で与国氏に尋ねたが、明確な答えは得られなかった。

 しかし偽装デモかというと、そうでもない。デモ前の挨拶では、「チェンジジャパン」の古山氏も含めて、幸福の科学の信者であることをその場で明かしていた。12月23日のデモの出発前には、トランプ大統領のために祈りを捧げる時間まで作っていた。

 国際色豊かな大規模デモ

 11月25日の幸福の科学信者によるデモの際、主催者に「29日にこののぼりを持ってきてよ」と声をかけている人物がいた。29日にデモを予定している別団体の関係者のようだ。
 そのデモは、同じく日比谷公園からスタートし、幸福の科学信者たちのデモより長距離を歩き丸の内まで続いた。

「アメリカ大統領選挙は善と悪の闘いだ!」
「闘いはこれからだ!」
「米国大統領選挙、勝者はトランプだ! バイデンではない!」
「メディアは偏向報道をやめろ!」
「不正選挙は民主主義を破壊する重大犯罪だ」
「中国の驚異から日本とアジアを守ろう!」
「Take down CCP (中国共産党を倒せ)」
「We Love Trump!」
「Make America great again!」
「Make Japan great again!」

 幸福の科学信者によるデモよりはるかに多い。1000人はいそうだ。
 25日のデモにいた幸福の科学信者らしき人々もいた。そのうちの1人は、幸福の科学信者によるデモのときと同じトランプ大統領の顔をしたマスクを被ったコスプレ姿。ラジカセでヴィレッジ・ピープルの『Y.M.C.A.』をかけながら踊っていた。

 トランプ大統領はLGBTの権利の実現には逆行する立場で、幸福の科学もLGBTに寛容とは言い難い。それが、ゲイをテーマにした音楽で踊っているのである。
 沿道では法輪功が複数種類の新聞を配り、大紀元など法輪功系のメディアも複数種類が取材に来ていた。何割程度かはっきりわからないが、中国系とおぼしき参加者も多かった。参加者たちが交わす私語の中に中国語が目立った。韓国旗を背負ってカメラを回す人もいた。南ベトナムの旗を掲げるベトナム人もいた。

 とにかく参加者が多様で賑やかな雰囲気だ。そしてここにも、前出のヘイトスピーチ活動家氏の姿があった。

 聖書の中の「Trump」の文字が登場する一節を引いた横断幕

 新約聖書の言葉を印刷した横断幕を持つ一群もいた。なぜ聖書の言葉を掲げているのか尋ねた。
「聖書にトランプという言葉が登場している。トランプの登場が聖書で予言されていたので、その部分を引用しています」
 横断幕にはこう書かれていた。

〈主ご自身が天使のかしらの声と神のラッパの鳴り響くうちに、合図の声で、天から下ってこられる。その時、キリストにあって死んだ人々が、まず最初によみがえり… 「テサロニケ4章16節」〉

 ここに登場する「神のラッパ(the Trump of God)」が、トランプ大統領のことなのだそうだ。神のラッパって、人類滅亡(天変地異)の合図じゃないですか?とツッコミを入れると、こんな返事。

「それは黙示録ですね。ここで引用しているのは聖書の別の部分です」
 だとしても、聖書の言葉を掲げるとは、宗教団体なのだろうか。
「主催者から渡されたのを持っているだけなので、私達にはわからない」(参加者)

新中国連邦という新勢力

 デモ隊の中に、青地に金の星をたくさんあしらった見慣れない旗を持つ一群があった。「新中国連邦」という団体の旗だという。

 新中国連邦は中国からアメリカに亡命した実業家・郭文貴氏とトランプ大統領の元側近(元首席戦略官)のスティーブ・バノン氏が呼びかけて設立された団体。中国共産党による専制支配を打倒し新たな国家を建設することを目指しているようだ。公式サイトには、日本にも下部組織があることが書かれている。
 このデモのシュプレヒコールが「反中国共産党」を全面に押し出していることや、中国系の参加者が多かったのは、もしかしたら新中国連邦の関係かもしれない。

 デモが終着点の丸の内に着くと、参加者たちがアメリカ国旗やプラカードなどを主催者に返却して解散。この光景から、大規模なデモ隊が掲げていた旗、プラカード、のぼり、横断幕の多くは、主催者が用意して参加者に貸し出していたものだとわかる。

 主催団体は、「トランプ米大統領支援集会・デモ実行委員会」。新中国連邦との関係はわからないが、新中国連邦の旗は主催者による回収場所から少し離れた一角で回収されていた。しかしデモ中、先導車の運転手は新中国連邦の旗を片手に運転をしていた。主催団体とそれなりに近いところに、新中国連邦が関わっていることは間違いなさそうだ。

 「トランプ米大統領支援集会・デモ実行委員会」も幸福の科学信者たちと同様に、バイデン氏の当選が事実上確実となった後の12月20日にも大阪でデモ行進を行っている。こちらは残念ながら取材に行くことができなかったが、YouTubeなどで見る限り、新中国連邦の旗は見当たらなかった。代わりに、東京でのデモに比べて韓国旗や内モンゴル旗が多かった。

 シュプレヒコールは東京でのデモと同じ。トランプ氏支持と同時に、反中国共産党を前面に出したものだった。

QアノンならぬJアノン?

 アメリカでは、アメリカ政府が悪魔崇拝者や小児性愛者の秘密結社によって支配されており、その勢力と戦っているのがトランプ大統領であるとする陰謀論者たちがおり、その陰謀論は「Qアノン」と呼ばれる。

 日本では最近、Twitter上などで、日本でアメリカ大統領戦の不正などを主張するトランプ支持者などを「Jアノン」と呼ぶ人々もいる。本記事の幸福の科学の部分で触れた街頭演説の内容にも「ディープステート(影の政府)と戦うトランプ大統領」というたぐいの主張が見られた。アメリカ大統領選挙の結果を不正によるものとする主張も陰謀論的に思える。

 ただ、Jアノンと評される日本のトランプ応援デモでは、アメリカ国内の情勢にまつわる陰謀論より「反中国共産党」という共通点の方が強い印象だ。幸福の科学信者のトランプ応援デモは直接中国共産党批判をする内容ではなかったが、幸福の科学や幸福実現党はもともと中国や北朝鮮の脅威を理由に日本の国防強化を謳い核武装も主張してきた。

 そしてJアノンはやたらと顔ぶれが多様だ。幸福の科学信者もいれば統一教会分派がらみの団体もいる。日本のヘイトスピーチ活動家もいた。外国人とおぼしき参加者の割合が高いデモや集会もある。

 Qアノンはアメリカの極右勢力の一つとして扱われるが、Jアノンは必ずしも「日本のナショナリズム」とは限らない。「反中国共産党」という一致点に、様々な立場の人々が集っている(もしかしたら本家アメリカのQアノンも実態は似たようなものだったりするのかもしれないが)。

 加えて、幸福の科学信者のデモに関して言えば、バイデン氏の当選が事実上確定した後の方が参加者数が多かった。「トランプ米大統領支援集会・デモ実行委員会」によるデモについても同様だったかのようなTwitter投稿が、参加者によってなされていた。様々な団体・勢力間の交流や便乗が進んでいるのではないか。

 幸福の科学信者のデモは、米連邦議会で選挙人による投票結果の承認が行われる1月6日にも都内で開催されるという。新中国連邦も、今年できたばかりの団体だけに、様々な活動や連携を模索していくだろう。

 Jアノン的な運動が、バイデン氏が大統領に就任した後にも尾を引くか、あるいは混沌とした顔ぶれのまま「反中国共産党運動」として継続しそうな気配も感じる。幸福の科学信者の演説では、日本の選挙でも不正が行われているとする「ムサシ陰謀論」にも言及されていた。Jアノンが日本版陰謀論と合体してしまう可能性も頭をよぎる。

 むしろバイデン氏が大統領に就任し大統領選が決着した後の方が、Jアノンはややこしい「発展」を見せるのかもしれない。
**********************************************************
 引用以上

 さすが、日刊カルト新聞の藤倉善郎氏だ。ほぼ完璧に語り尽くされている。
 要するに、日本のトランプ支持者、Qアノン支持者の正体は、統一教会と幸福の科学だったのだ。

 Qアノンが、CIAによって作り出された虚構であるとすれば、統一教会も幸福の科学も、噂通りCIAの下部機関であることが、よく分かる。
 冒頭に掲げた、大摩邇が転載しているブログも、実は、CIAによってコントロールされていると考えるべきだろう。
 だから私は、大摩邇に転載を外してもらったのだ。

 統一教会と幸福の科学が存続しているかぎり、Qアノン軽薄陰謀論も生き残ってゆくだろう。我々は、ますます真実を見抜く目を鍛えなければならない。