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特別な力に憧れ、権力の基盤にしたがる人々

2022年04月30日 | インポート


 すべての人間はタダの動物にすぎない。これは科学的思考における絶対的帰結である。

 だが、権力を得た人々は、そう思わない。

 自分たちを、「神に選ばれた特別な人間だ」と思いたがるのだ。



 そして、自分たちは常人にはない「特別な力」を持っていると信じたがる。持っていなくとも、持ちたいと思い続ける。

 普通の生活をしている「常人の想像も及ばない特別な力」を自分たちが支配するなら、それが神に選ばれている証だと考える。

 権力者にとって、「常人の及ばない特別な力」とは何か? それは武力である。

 強大な武力があれば、恐れられ、畏敬され、圧倒され、それに従うことが生き延びる道だと多くの人々が消極的になって考える。



 だから権力者は大昔から武力が大好きだ。願わくば、世界最強の武力をもって他国を圧倒し、睥睨したい。

 現代にあって、「最高の武力」とは何か?  それは核兵器である。

 核兵器は、常人の及ばざる彼方の技術であり、それを持てば、まさに神の如く人類に君臨できると多くの権力者は考える。人々を核爆発の恐怖で従えることができると……。



 日本でも、核兵器に憧れた権力者がたくさんいた。1940年頃、ハーンやアインシュタインが核分裂の原理を明らかにすると、41年には核兵器開発がアメリカで始まった。

 そのニュースを得た直後から、日本でも、仁科芳雄や湯川秀樹によって核兵器の研究開発が始まった。仁科は成功しなかったが、湯川は開発に成功したものの、敗戦によって間に合わず、興南道ハムフン沖で証拠隠滅のため爆発させたとされる。

 https://agora-web.jp/archives/2042653.html



 政治家も科学者たちも、敗戦後のゴタゴタのなかで、いつか核開発への夢を持ち続けた。1955年、A級戦犯から不可解に生き延びた正力松太郎は、核兵器開発のための原子力技術の実現をぶちあげた。

 https://diamond.jp/articles/-/279599

 1965年、正力が、平和利用を隠れ蓑に、核爆弾のためのプルトニウム抽出を狙った東海原発が稼働した。それは黒鉛減速炉で、発電用には不向きなものだった。

 http://www.the-journal.jp/contents/jimbo/2011/06/post_116.html



 以来、日本でも世界でも、「平和利用」を掲げながら、本当は核兵器を開発したい、たくさんの国家が原発を建設、稼働させてきた。

 2020年、世界で442基もの原子炉が稼働いるといわれる。

 https://www.jaif.or.jp/cms_admin/wp-content/uploads/2021/03/world_nuclear_development2020.pdf



 だが、その原子炉では、全人類を数十万回も皆殺しにできるほどの恐ろしい放射能が蓄積されているのだ。

 その放射能が消えるまでの時間は、数億年でも不足している。一番普通の放射能であるセシウム137やストロンチウム90を例にとっても、半減期が30年、千分の一に減るには300年もかかる。



 プルトニウムXやマイナーアクチノイドに至っては、少なくとも数十万年、場合によっては数億年の時を経なければ地上から消えることはない。

 その間、環境に漏れ出せば、生物のDNA情報を破壊し続けるのだ。

 原子力発電というものは、どんなに「安全」とぶち上げてみても、放射能が消せるわけではない。ビルゲイツが主導している小型原子炉、SMRでも、普通の原子炉と同じように高レベル核廃棄物が出てくる。

 「放射能の危険のない原子炉」なんてのは、甘くない砂糖のようものだ。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%9E%8B%E3%83%A2%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AB%E7%82%89



 ましてや現在、開発が加速しているナトリウム減速炉の場合は、プルトニウムを多用するため、原子炉の利用を停止しても、莫大な崩壊熱を持った核廃棄物は、100度以下になってからの永久貯蔵の前に500年間の強制冷却が必要であり、それは地上の保管プールで行われる。

 今、起きているロシアの原発攻撃を見れば、それが、どれほど恐ろしいことか分かるはずだ。人類には、500年間、安定して持続した国家はどこにも存在しないのだ。

 ましてや、電力企業が500年間存続して、核廃棄物を冷却し続けると誰が思うのか?



 ロシアが軍事侵攻を起こしてから、天然ガスなどのエネルギー供給の安定的見通しが立たなくなっている今、盛んに「SMR=小型モジュール原子炉は安全だ」という妄想が宣伝され、原発再稼働の声も日増しに大きくなっている。

 私が見ていると、ロシアの暴走は、まるで原子力産業復興のために行われたようにさえ見える。しかし、そのロシアこそ、原子炉をミサイルで破壊する急先鋒なのだ。



 現在、ウラン鉱石の7割は、旧東側諸国、ロシア、東欧、北朝鮮などに存在しているといわれる。これがチェルノブイリ事故やフクイチ事故で、原子力発電の致命的リスクを世界中が思い知ることになり、原子力は「未来のエネルギー」の地位を追われた。



 だが、世界最大級のウラン鉱を保有するアルゴア(オクシデンタル・ペトロリウム)や、原子力開発に取り組んできたビルゲイツらダボス会議組(ユダヤ人超財閥)は、自分たちが数十年も前から追求してきた「原子力電気・コンピュータAI管理社会」=を実現する「グレートリセット」を中断させないために、二酸化炭素による温暖化を口実に、「原子力はクリーンエネルギー」とのデマを、グレタ・トゥーンベリなどを使って大宣伝している。



 実際には、「クリーンエネルギー」というのは人類史上最悪クラスのデマであり、真実は「ベスト・ダーティエネルギー」であって、一基の原子炉がメルトダウンするだけで、その始末費用は数百兆円に上ることが明らかにされている。

 また、原子力開発80年の歴史で、核廃棄物の始末=完全に汚染を克服したトイレが整備されたことも一度もなく、宇宙で一番汚い核廃棄物を処分できる見通しもなく、それは永遠に人類社会を滅亡に向けて誘う環境汚染を続ける宿命である。



 わが日本産業を牽引してきた東芝は、原子力の本質、将来性を見誤り、莫大な損失を出して、田中久重以来の日本の巨大ブランド企業がまさに存亡の危機にある。

 それを見続けて、自らも深手を負ったはずの日立や三菱重工も、相変わらず原子力への幻想=妄想から醒めることができず、大企業でさえ倒産させる恐ろしいリスクを秘めた原発開発に取り憑かれたように、放射能の致死的な泥沼に身投げしようとしている。

 https://www.zaikei.co.jp/article/20220420/669216.html



 https://www.gentosha.jp/article/17949/

 上の批判を書いた菅直人は、2011年フクイチ事故の年、枝野や海江田ら民主党幹部と揃ってベトナムへの原発輸出に邁進していた。菅よ、どの口で、原子力産業を批判するのか?



 原子力は人々を不幸にするだけであり、企業を崩壊させ、子供たちの未来を破壊するだけの代物だ。

 現在、自民党や右翼知識人たちが口を揃えて「原発再稼働」を叫んでいるが、彼らは、原子力の持つ本当の恐ろしさを理解できず、おそらく原発の先に見える核兵器開発を夢見て、日本国を核武装させたいのだろう。



 核兵器を持っていれば、平和がやってくるのか? 戦争が起きても勝てるのか?

 正直、これほど知能が劣る発想も滅多にない。強力な兵器を持てば、他国は、それを上回る強力な兵器を開発し、泥沼の開発競争が続くだけだ。

 また、「凄い兵器」を持っているだけで、それを使う衝動が生まれるのも人類の本質であり、プーチン・ロシアは、それを如実に見せつけている。

 プーチンは、強大な核生物兵器を持っているから、罪なき他国に軍事侵攻して、領土を拡張しようとしているのである。



 もしも、プーチンに核がなければ、ウクライナ戦争は起きなかった。

 核兵器は、競争して開発すれば、間違いなく人類の滅亡に一直線に向かって突っ走ることになる。

 今回の、ロシアの暴虐は、まさにそれを表している。

 「武力で戦争を防止する」という「抑止論」ほど、人間の愚劣さ、愚かさを反映しているものはない。



 戦争を抑止するのは武力ではなく、核兵器でもない。それは、人類の人間性の向上しかないのだ。それは利他主義社会の実現以外ありえない。

 武力抑止論が出てくる本当の理由は、そうした妄想があれば、自分だけボロ儲けできると考えている資本家がいるからだ。

 それは、まさに利己主義の愚劣な人間性から来ているものであり、竹中平蔵や安倍晋三の本質である。



 学問的にいうなら、アメリカとロシア、欧州を支配しているユダヤ人たちのタルムード思想=選民主義から生まれているものだが、選民主義と競争主義が、人類を滅亡に向けて突っ走らせるという本質を、どれだけの人が理解できるかによって、子供たちの持続可能な未来が定まるのである。



 何を一番大切にしなければならないのか?

 それは、あなたの金儲けではない。子供たちの持続可能な未来だけなのだ。





 

 

 

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