似非詩人、詩集を買う

早い書店では昨日から店頭に並んでいたようですが、
私の自宅最寄りの書店では本日在庫あるも店頭になし......
とにもかくにもget！

#最果タヒ #新詩集 #愛の縫い目はここ #サイン本ではない

永遠を刻む、その瞬間

強さが弱さを覆い隠しても
虚構が真実を押し潰しても
魔物が夢を食べ尽くしても
すべてが揃わなきゃ
何もできない訳じゃない

あなたが拾った星のカケラも
私が受けた神々からの洗礼も
すべて炎で焼き尽くせば
お互いうまくやれるよね

気取っていたい、まだ強気な今だけは
太陽を追いかけて、何処までも行くよ

人垣からひとり遠く離れて
いっそ野獣の虜になれたら
明日吹く風は気分次第だね
絞り出した未来は曇りかも

オトナになればなるほどに
交わすことばかり巧くなり
未来の扉が目前で閉じても
知らんぷりしてノックする

人生が交錯する、この街で
あなたの視野は狭窄になる
俯き明日に想いを馳せれば
眩い崩壊の兆しが光り輝く

何もかもが朽ち果てる、その瞬間にさえ
抱いた希望の残骸は絶えず、永遠を刻む

生命の重さを、今ここで測ろう

灯りをください

真実を照らし出したいから

毎日を生き抜く厳しさを
虚飾の波に飲まれる怖さを

思い知らされたい、世間知らずの自分を

宵闇が恐怖を隠しても
私は現実を見定めたい

大丈夫？

そんな気休めは要らない
立ち止まっているようで
私はちゃんと動いている

君が呟いたジョークは
ほんの些細な思いつき
緊迫した場を和ませるんだ
私が求めてるのはそういうこと

そうだ
生命の重さを、今ここで測ろう
慰みなど存在しない世間の荒波に溺れて

結末は残酷に

遠去かる月の印影が
僕の視界から外れるように
目に見えていた未来は
果てしなく離れてしまう

頭ごなしに論じても
理解なんて得られない
無着色のままの君を愛する
自然体が一番いいと思うよ
僕の涙の粒を指輪に仕立てて
君を迎えに行きたい、今すぐに

僕を構成している要素が
グジュグジュに浸み出して
体液さえもカラカラに乾き
いつかきっと僕の心なんて
ボロボロに朽ち果てていく
それでいいと言えるよね

僕はもう一生分の空気を
味わい尽くした、本当に
二度と訪れぬ生命なんて
語り継ぐ必要もないよね
どんなに君が強がっても
結末は残酷に訪れるから

無との闘いに力を尽くし
太陽を焦がした僕らの思いは
無意味に消費されていくから
明日はもうないかもしれない

だから最後に知りたかったんだ
興味本位ではなく、この世の末路を

良くも悪くもビッグマウス

そんな華美なメイクで
君は誰を落とそうとするの？
そんな無防備な肢体で
君は誰を貶めようとするの？

本当の罪は深海に沈めてしまいたい
誰かを意識するのも黙殺するのも自由

まさにカオス、このアナーキーな社会
「治安」なんて言葉は無効だね
並べ立てた秩序が端から乱れてゆく
壊すことと壊れることは実は同義だと
改めて学んで俺が組み立て直したい

生きてゆく価値のある人生ほど
誰かが粘って、生き抜いて
前例を切り拓くのさ、創り出すのさ
もし君が失われた秩序を憂うなら
君の住む宇宙に、地球に、世界に
新たな秩序を柱立てればいい

明日は明日の風が吹く
そんな風任せがこの世界に綻びを生む
明日の風は俺が吹かす
良くも悪くもビッグマウスな俺
そんな心意気がこの世界を救うはず