巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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自由の抹殺

2017-07-13 21:43:08 | 
荒れ果てて穢れた街角に立ち
君はどこへ行き、男を誑かすの
そんなタイトスカートじゃ
襲われたって自業自得だよ
でも目力が強めの君だから
周囲の視線を圧倒してしまう
破壊するのは気が楽だけど
これ以上の贅沢は許されないはず

もう二度と消え去ることはしないけど
何かを契ることはこれが最後にしたい
あなたに私の自由を分け与えたら
誰かの欲望が私を襲う、それだけ
誰かと一緒に暮らすのは苦痛だね
自由の喪失、諦めの感情
私の人生を縮めないで

ほんの僅かな可能性が潰える
互いに自由を使い果たしたからね

こんな静寂の中で何を求めて彷徨っているの
視線の奥には広い世界が横たわっているというのに
本当の夢は世界以上に広がって、膨らんで
知らず知らずに誰もが奪い合っちゃうよね
この果てが渋谷のスクランブルだとしても
落胆せずに、現実を受け止めよう
この僕が以前より強くなったのは
誰かの未来や運命を奪ったからかもね
強がりは決して悪いものじゃないから
君が頭上に見上げてる太陽を沈めて
地平線の果てまで琥珀色で染めたい
無意味に争って奪った自由を殺すくらい

私はこの星も運命も恨んでる
誰かみたいに純情なんて無縁だから
目を閉じて自画像を描いたら
誰かが子飼いにする太陽が悶えて
私には護る権利や欲望は湧いてこない
本当にあなたのことを思うなら
この愚かな空想や妄想を止めて
あなたの温もりを独り占めしたい

光合成

2017-07-13 20:16:24 | 
苦しみ抜いた日々なんて不問
絶望なんて気にならないけど
あの日の太陽は湿りきって
僕達の手には追えなかったんだ

本当の声は聞こえてないかもしれない
でも偽りの声だって聞こえてきやしない

僕らはもっと愛を大切にすべきだったんだ
巡り来る季節を無駄にしちゃいけなかったんだ

裏庭の檸檬の実がなる瞬間に僕は儚い夢を見る
君が生きていたかったこの世界
僕は君の代わりを果たせるだろうか
屍を探し尽くして折れそうな笑顔

夜のタンゴも見せつけりゃいい
君が心から好きだった瑠璃色の海
あの日の夜空はやけに明るかった

本当の嘘は堕ちるほど辛いけど
躊躇わず伝えて、不安にならないように
憎まれ口には本当の愛なんてないけど
そんな区別なんてきっとつけられないんだ

僕達のエネルギーはあの陽光次代