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整備白書からの業界動向と対策ー整備売上編

2010年03月01日 | 業界動向

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備白書からの業界動向と対策―整備売上編です。

遅れていた平成21年版整備白書が本年に発行された。その整備白書から業界動向を探ってみる。総整備売上高は、5兆7,720億円で前年比ー3.0%となり、2年連続してマイナス成長である。マイナス幅は前年よりも拡大したことになる。保有台数の減少などを考えると、6兆円に回復するのは、相当難しいと言わざるをえない状況だ。

業態別では、専業工場が2兆2,738億円(前年比+5.3%)、兼業工場が6,932億円(同ー13.3%)、ディーラーが2兆5,585億円(同-6.5%)、自家工場2,465億円(-4.4%)となり、専業工場の一人勝ちとなった。平成20版では、ディーラーの独り負けであったが、21年は様相が全く違った。

専業工場が一人勝ちした要因を探ると、「事故整備」の売上貢献が大きいことが分かる。事故整備の入庫台数は、前年よりも10.7%も増えているし、単価も14.1%も上がっている。未認証問題により、板金塗装業者の認証資格取得による上積みが背景にあると推測する。因みに、専業工場数は、前年よりも950工場も増え、増加した工場数1,315工場の72.2%を占める。

一人勝ちの専業工場で気になることがある。それは、2年および1年車検の台数が減っていることだ。一工場当たりではマイナス13台と少ないように見えるが、車検は、一般整備(白書ではその他整備)や自動車保険などのその他売上などに強く影響を及ぼす。台数減少を単価アップで補っているが、車検台数が減っていることは先行きに不安を残すことになる。

一方ディーラーは、2年連続して6%台のマイナスで新車販売をカバーするどころか、ディーラー経営の足を引っ張る形になった。マイナスの中では、1年車検の売上減少が大きい。1年車検の売上高は前年比ー22.3%で、吐出したマイナス幅である。マイナスの中身は、入庫台数のマイナスは9.8%に対して、単価はマイナス13.9%で、前年よりも1万7,500円も安くなっている。1年車検は商用車だから、取引先がリーマンショックの影響をもろに受けその結果、車検単価競争によるものと思われる。

以上のように専業工場とディーラー工場の前年比の差は「単価」にあると言える。専業工場もディーラー工場も入庫台数は前年比マイナスだが、総整備単価を見ると、専業工場は+5.8%、ディーラーはー4.7%となっている。

これは、今後の整備経営を考える上で重要なファクターである。前述の通り保有台数は、前年比ー155千台(前年比99.8%)と、微々たる数字であるが減っている。今後は乗用車も減ると予想されているから、減少幅はもっと大きくなるに違いない。

ということは、今後の整備経営の方向性は、「入庫回数アップ」と「取引単価のアップ」となる。単純には行かないが、ニーズメニューの品揃えと売れる商品知識力、積極的な提案整備などを行えるフロント力の強化を中心とした「攻めの顧客管理」が喫緊の課題と言える。当然だが、CSが良くなければならないことを付け加えておく。


株式会社ティオ
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