おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、2011年カーライフ業界を占う-5:2011年経営指針は、です。
さてTIOは、厳しい経営環境を乗り越えて、持続可能な経営を目指す2011年の経営指針を
「顧客価値の向上」とした。
本シリーズの4回までは、そのための背景であり条件整備である。
昨今、バリューチェーンなる言葉を耳にする。
バリューチェーンとは、ハーバードビジネススクールのマイケル・ポーター教授が提唱した概念で、
価値連鎖と訳されている。
そもそもは、製造業者において、製品が消費者に届くまでの付加価値を生み出す連続した業務プロセスのこと。
企業の様々な活動(業務)が、最終的な付加価値にどのように貢献しているのか、その量的や質的な関係を
図るものといえる。主たる活動は、購買物流、製造、出荷物流、販売マーケティング、アフターサービスの
5つの連続したプロセスを指す。
これをサービス業に活動に当てはめると、事業企画⇒営業活動⇒サービス提供⇒料金徴収⇒サポート、となる。
小売業の活動では、商品企画⇒仕入⇒店舗運営⇒集客⇒販売⇒アフターサービス、となる。
したがって、ただ単に商品を連続して提供(販売)することがバリューチェーンではないのだ。
最初に、事業企画であり商品企画がなければならない。
車検整備だけ、中古車販売だけではなく、カーライフにまつわるすべてのアイテムと取引をすることによって、
客単価を上げていくことが目的ではないということである。
それを目的化したのでは、売り手の都合だけを押し付ける格好になってしまう。
目的は、取引していただける「価値」を「創造」していくことなのだ。
私は、市場が縮小する大変な時代あっては、川下の視点である「顧客目線」からの発想と行動が必要と思う。
それが、「顧客価値」である。つまり、顧客から見た価値なのだ。
不便、不安、面倒などのお客から見た「厄介」なこと「手間」なことを、
適正化価格で、タイムリーに提供し続けることが、顧客価値ではないだろうか。
別な言い方をすれば「世話」ともいえる。
代替から代替までをワンサイクルとし、このサイクルを何回転させるかが、バリューチェーンであるとしたならば、
このサイクルのどこかの部分で、脱落してしまったらバリューチェーンは成り立たない。
バリューチェーンをバリューチェーンたらしめるのは、顧客から見たときに、取引する価値(バリュー)
がなければ連鎖(チェーン)にはならないのだ。
つまり、多くの商品を販売するために顧客管理を強化しただけでは、バリューチェーンにはなりえない。
バリューチェーンのためには、店舗の特徴がなければならないし、ニーズを引っ張り出す商品が必要であるし、
トータルのCSが高くなければならないのだ。その上で、個客管理がシステムとして機能して、本当の
バリューチェーンが成り立つのだ。
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