関田山脈に沿う形で、日本でも有数の地すべり警戒地域で形成されている新井南部地域。
去る10月下旬の台風21号・22号の襲来によって、大きな被害を受けました。
幸いにも人的な被害等は確認されていないようですが、
周辺の道路上には一部土砂崩れを起こし、
通行ができなくなってしまう地点が何箇所もあるような状況になってしまいました。
一部、状況をご確認ください。
しかし!!
このような環境化だからこそ生まれ、育まれてきた自然があるということも忘れてはいけません。
そう、そのひとつが、幻の大滝です。
幻の大滝は、妙高市上小沢にある落差40メートルの滝です。
地元では、古老がその存在を知っていましたが、
平成5年に市民グループ「宝島あらいビデオ探検隊」が滝を発見。
その後、テレビや雑誌など、マスコミに取り上げられ、
「地図に掲載されていない滝」として全国的に一躍脚光を浴びました。
国土地理院の地図に掲載されていなかったことから「幻の大滝」と言われるようになりました。
幻の大滝へは、上小沢から寸分道へ抜ける道の末端まで行ったところの駐車場、
もしくは大滝荘から歩いていくことができます。
この散策路は地域内の田んぼの用水沿いに整備されており、
地域の方々(70~80代のおじいちゃんおばあちゃん)が中心となって、
草刈り・枝葉の処理やベンチの設置などによって維持管理しております。
この散策路を経て、四季折々のダイナミックな幻の大滝を見て頂くことが可能となっております。
①春
②夏
③秋
④冬
さて、今回の台風においても、奇跡的に被害を受けることがなかったこの散策路と幻の大滝。
(鉱泉を引くホースなどが分断されたり、周辺の一部では被害も受けております。。)
そんな貴重な資源を活用したトレッキングツアーを定期的に開催し、
上越・妙高を中心とした多くのお客様に楽しんで頂いております。
10月末から11月中旬にかけては紅葉もとても美しく、
例年だと水量も少ない大滝も、今年は雨が多かったことや台風の影響が吉と出て、
水量がい中での紅葉というとても珍しく且つ、迫力満点の姿を見て頂くことができました!
ご案内をさせて頂く中で、
「昔は大滝の側にドラム缶を置き、そこに鉱泉を引いてきて、地域の人々の癒しの場所だったこと」
「大滝の近くまで田んぼをやりに来ていた人がいたこと」
「メディアに取り上げられて一気にお客さんが来るようになったこと」や
「雪解けの春に、滝壺で死んだ熊がいたこと」等々、
地域の人たちから伝え聞いた歴史を伝えるようにしています。
また、歩きやすい散策路は地域の人たちが日々、
維持・管理しているという現状もお伝えするようにしています。
前述の台風のように、自然の力の前で人間は無力です。
ですが、それらによって育まれた資源があるということもまた事実。
それらを維持管理していきながら、
魅力や歴史などを伝え、一人でも多くの人の心に、記憶に残っていけたらこれ以上の喜びはありません。
これからもまた、地域の人との活動を通じて昔のことなどを聞き出し、
それらを交えたご案内を通して、
地域の魅力的な資源や歴史を少しでも多くの人に届けていく、
そんな橋渡し的な役目を果たしていけたらと思います。