車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

内子座 in 愛媛県内子町

2020年12月06日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・愛媛県

明治末から大正にかけて、内子の町が木蝋や生糸などの生産で栄えていた時代・・・大正5年(1916)、大正天皇の即位を祝うという名目のもと、純和風様式の本格的な芝居小屋「内子座」が建築されました。

木造2階建て瓦葺き入母屋造り。内部には回り舞台に花道、そして枡席。娯楽の少なかった当時の庶民にとって、ここでの芝居興行は大きな楽しみの一つであったといいます。

この日に限っては一張羅の着物に着替え、酒肴を、あるいはお重に詰めたお弁当を持参して「芝居見物」に行く・・何よりも楽しみな時間であったことは想像に難く有りません。 時代が変わった今は、観光パンフレットを持った観光客が何となくワクワクしながら木戸を潜ります😊

館内に入ると左手の鳥屋入り口に「検番台」。これは警官が上演の演目に不適切がないか見張る為のもので、当時の寄席小屋や劇場では必ず備えられていたものです。

花道の裾から見た舞台、右袖が上座側で義太夫席、舞台左袖が下手側で囃子方の席になります。

客席は1階の枡席とその両側の桟敷席、そして私が立っている2階正面が、舞台から最も遠い大向こう席。よく大向こうを唸らせると言われますが、あれですね。大向こう席の両側は、それぞれ二階東桟敷、西桟敷と呼ばれる席になります。

内子座の見所は天井にも、そして足の下にもあります。まずは独特の曲線が美しい格天井、照明部分は更に小さな格天井で仕切られています

花道の七三の位置にある「すっぽん」を降りると、劇場の「奈落」へといたります。足元注意の札が無くとも、蓋を開けた瞬間に背中に寒気が走りました😱 裾に纏わり付く重い衣装を着けてこんな梯子段を駆け下りる役者さん・・「奈落」とはよくも名づけたものです。

石組みに取り付けられた大掛かりな廻り舞台の仕掛けも、かっては全て人力で操作されていたそうですが・・・話には聞いていても実際に見ると圧倒されるばかり。

という事で、記念撮影用の半被をお借りして、「升席ご予約のご一行様、ご案内で~~~す」😄

現在の「内子座」の建物は昭和60年代に復元されたもので、内子町の指定文化財となっています。老朽化のため取り壊されるところを、地元住民の熱意によって改修が決定したそうで、町並の保存と言い、この内子座といい、なんか色々と凄い!

色々とすごい「内子座」、建物の内部も芝居用の設備も凄いのですが、じつは屋根も凄いのです😊  

唐破風の屋根の上で、片手を挙げて招いているのは狐?それとも、まさかの鼠!? 普通、招くと言えば猫を想像しますが、これはどう贔屓目に見ても猫には見えません😅 誰か詳細をご存知のかた、教えてください!!

見所一杯だった「内子座」。木戸を出て見上げたさきに並ぶのは演目を伝える大看板。

安宅関において白紙の勧進帳を読み上げる弁慶。半眼贔屓ならずとも息を呑む見せ場ですが、内子座で演じたのは誰でしょうね。

訪問日:2011年6月13日


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