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車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

水木しげるロード~Ⅲ~ in 鳥取県境港市

2017年06月29日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・鳥取県

奇特な読者様からのご要望にお応えして、水木しげるロードのブロンズ像紹介ですが、手当たり次第と言うのも芸が無さすぎるので(笑)、女性というキーワードに絞って紹介していきます。まずは「ゲゲゲの鬼太郎」を代表して「砂かけ婆(すなかけばばあ)」。調べてみると意外と全国各地に似たような妖怪の話が伝えられていますが、その正体を見た者は誰もいません。で、水木先生のお陰で一躍、婆の姿で全国区に知れ渡る事となりました。

柳田國男の「遠野物語」に登場する「寒戸の婆(さむとのばば)」。岩手県の寒戸に住んでいた娘がある日突然消息を絶ち、30年後、親戚たちが集まっているところへ、すっかり老いさらばえた姿で帰ってきた。事情を尋ねる親戚たちに対し、生まれ育った家や親戚が恋しくて帰って来たが、直ぐに山に帰らなければならないと言って去って行った・・・娘を山に攫ったものの正体は何だったのか・・・何とも切ない悲しい物語です。

元は刀鍛冶の女房だった「鍛冶媼(かじばばあ)」。集金の帰りに狼に食い殺された為、狼に取り付いて通りかかる人々を次々と殺すようになったとか。いやいや、恨むべきはその取り付いた狼。関係ない人を巻き込まないで下さい!

通りかかった子供に「わたしきれい?」と尋ね、「きれい」というと「これでも?」と言いながらマスクをはずし、耳まで裂けた口を見せる「口裂け女」。ではもしも「綺麗じゃない」と言ったら・・・!包丁や鋏で斬り殺されると言う危険な妖怪。現代の都市伝説としてすっかり定着しましたが、実はそのルーツは江戸時代からとも言われています。

人を脅すと言う点では横綱級!の妖怪。夕闇迫る町外れの神社や寺に現われる美しい花嫁姿の「お歯黒(はぐろ)べったり」。花嫁姿の美しい女性が寺社なんかの寂しい場所で俯いていたら、普通に誰でも「何事か?」と声をかけますよね(^^;) 声をかけられた娘は、目鼻の無い顔にべったりとお歯黒をぬった口を見せて相手を驚かせるそうですが、心臓の弱い人なら余裕で死ねます。

江戸時代の妖怪画にみられる日本の妖怪「青女房(あおにょうぼう)」。本来は、貴人に仕える年若く身分のさほど高くない女官のこと。あるいは公卿の家に仕える六位の青侍の妻の事をこう呼んだそうです。後姿はたおやかな女官ですが、実は恐ろしい生霊!手に持った鏡の中には世にも恐ろしい顔が・・

とかく女は恐ろしいもの、美しい女の顔に長い髪、体は蛇体の妖怪として古くから絵画などにも残されている「濡れ女」。彼女に思いを寄せられてしまった男は、決して女の手の中から逃がれることはできません。

何が原因でそうなってしまったのかよく分かりませんが、とにかく女が妖怪になると色々と厄介な存在になるようで・・続いては男に相手にされなかった醜女が化けるといわれる「高女」。女郎屋などの2階を覗いて人を脅すそうですが、驚かせて何がしたいのか不明(^^;)

夜道にあらわれ道行く男性に微笑みかけるのは、愛媛県の宇和島地方に伝わる妖怪「針女(はりおなご)」。そこで気を良くして微笑み返したら大変!長いざんばら髪の先端に備わっている鈎針状の鉤が髪に引っかかり、連れ去られてしまいます!!

昼間は普通の女性ですが、夜になると首を伸ばし、人や動物の精気を吸いとる「ろくろ首」。十代の頃、『小泉八雲』の妖怪譚で読んだ「ろくろ首」は、深山で木こりをしている一族・・・と見せかけて旅人を食い殺すのですが、首が抜ける場面の描写が記憶から消えず、夜中のトイレに苦労した思い出が・・(笑)

海坊主の女房で「磯女」「海夫人」とも呼ばれる「海女房」。海で水死した女性の化身、または海坊主の妻などの説もあり、長い髪で全身にうろこが有る足や手指にはひれがついています。文章だけ見ると人魚と言えなくも・・・無い!!絶対に無い!(笑)

女性陣ばかりの中で特別の黒一点は「海女房」のご亭主と言われている「海坊主」。この二人を見て思ったのは、絶対にカカァ天下に違いない!!

座敷帚を持っているのは、小学校に行く為の資金稼ぎに旅館で働いている健気な「魔女の花子さん」。河童の三平君と知り合ってお友達になりました。ブロンズ像は漫才コンビ:宮川大助・花子の『大助さんと娘のさゆみさん』からの寄贈です。

「ゲゲゲの鬼太郎」のガールフレンド的存在の「猫娘」。人間と妖怪との間に生まれた半妖怪で、ネズミ(ねずみ男を含む)や魚を見たり怒ったりすると、耳まで裂けた口に鋭い牙をむきだし、こんな化け猫の形相になります。

ちなみに2013年の7月に、岡山県瀬戸内市在住の兄一家と水木しげるロードを訪問した際には、何とも可愛い「猫娘」「鬼太郎」たちに出迎えられて一緒に記念写真を撮らせて頂きました。猫娘さん。もう全くの別人です(笑)

女性と言うキーワードで紹介した水木しげるロードの妖怪、改めて見なおすと「うぶめ 」「雪女」の二人が不在でした(-"-) 見損なった事に気が付いたのが今では、どうしようもないですね。

明日はちょっと変わった視点で、妖怪ブロンズ像を紹介してみようと思います。

訪問日:2011年5月20日

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一口メモ

「お歯黒」、黒く染めた歯の事。江戸時代の庶民の女性は、既婚者である事を示す為に眉を剃り、酢酸に鉄を溶かした「鉄漿(かね)」で歯を黒く染めていました。時代小説などに登場する「お歯黒どぶ」は、黒くて臭い「鉄漿(かね)」が流れる「溝(どぶ)」の事です。