tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

残り10席!田中利典さんと行く 蔵王堂と修験道講座/4月22日(土)と 23日(日)開催!(2017 Topic)

2017年03月11日 | お知らせ
昨年、私も参加させていただいた「蔵王堂夜間拝感と修験講座」が今春も開催される。2日間、金峯山寺長臈(ちょうろう)の田中利典師が付いてくださるというスペシャルな講座である。「拝観」ではなく「拝感」なのだ。30名限定で残席はわずか10席。参加費は@23,000円。主催者からの情報によると、
※トップ写真は田中利典師(金峯山寺長臈)。主催者のFacebookから拝借

今年もやります!「利典さんと行く 蔵王堂夜間拝感と修験講座」
期日:4月22日(土)23日(日)


国宝蔵王堂・秘仏蔵王権現の夜間拝感。宿坊宿泊にとてもわかりやすい修験講座…。とても贅沢な体験を金峯山寺長臈にご案内いただきます。本講座は田中利典長臈が関東の皆さんを中心に広く一般の方々に呼びかけして、蔵王権現さまとのご縁を結んでいただこうということで開催されます。もちろん関西からの参加も大歓迎です。



利典師の修験講座。昨年の同イベントで撮影

内容は本年4月1日から開扉されている秘仏蔵王権現さまの夜間特別拝感に参加するほか、田中利典長臈の修験講座「蔵王権現入門」や本地堂特別法話会への受講、宿坊東南院での宿泊と研修ほか、3度の食事会と懇親会など、もりだくさんの日程で行われます。

30名限定 お申込みお問い合わせはこちらまで。funada@kokoro-g.jp 船田


利典師の修験道講座や蔵王堂での法話、修験者が泊まる東南院での宿泊(大部屋)、3度の食事、昨年は夜の懇親会(美味しい吉野ハムに舌鼓!)など、楽しい企画が満載だった。これで、わずか@23,000円なのだ! 現時点で残席は10席。

皆さん、ぜひお申し込みください!





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くがたち(盟神探湯)/明日香村・甘樫坐神社(毎日新聞「ディスカバー!奈良」第9回)

2017年03月10日 | ディスカバー!奈良(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」が毎週木曜日、毎日新聞奈良版に連載している「ディスカバー!奈良」、今週(3/9付)掲載されたのは「盟神探湯(くがたち)神事/明日香村の甘樫坐(あまかしにいます)神社」、執筆者は同会監事の露木基勝さんである。
※トップ写真は、宮司による神事(明日香村の甘樫坐神社)

ところで、この「盟神探湯」をご存じだろうか。『日本大百科全書』によると、

古代における証拠方法。釜の中に入れた泥を煮沸してその中に小石を置き、被疑者または訴訟当事者にこれを取り出させて、手がただれるかただれないかによって罪の有無や主張の真否を判断する方法。古代は神の支配する社会であるから、罪の有無、当事者の主張の真否を神に証言させようとしたのであり、神は有罪または偽証した者の手をただれさせると考えたのである。

おそらく日本で生まれた慣行であろう。律令(りつりょう)時代には行われなくなったが、法と宗教との密接な関係のふたたびみられる中世、ことに室町時代には、「湯起請(ゆぎしょう)」という名前で復活している。


「なんぼなんでも無茶やろ~」と思うが、これは一種の拷問だったのだ。「いい加減なことをいっていると、熱湯の中に手を入れさせられるぞ!」という戒めとして働いていたものだろう。この「盟神探湯」「湯起請」とよく似た「鉄火起請(てっかきしょう)」なるものが昨年のNHK大河ドラマ「真田丸」の第12回に登場していた。風俗考証を担当した佐多芳彦氏によると、

鉄火起請というのは、簡単に言えば、争っている二者が神前で焼けた鉄を手でつかんで神意を問うもの。法制度が未熟だった時代の神事のひとつで、究極ともいえる争いの解決法です。焼けた鉄を使うのが鉄火起請、熱湯を使ったものは湯起請(ゆぎしょう)と言います。これと同じことは、熱湯を使って行う「くがたち(盟神探湯、探湯、誓湯)」として昔からありましたが、中世では起請という言い方をします。いずれにせよ、相当に熱いものですから手に火傷を負うのは確実です。判定は傷の軽い方が勝者となります。

なんとも残酷なことが行われていたものである。前置きが長くなった。露木さんの記事全文を以下に紹介する。


劇団「時空」による寸劇(同神社で)

甘樫丘のふもとに鎮座する甘樫坐(あまかしにいます)神社(明日香村)では、毎年4月の第1日曜日に「盟神探湯(くがたち)神事」が行われます。

盟神探湯とは、文字通り「神に盟(ちか)って湯を探る」ことで、熱湯の中に手を入れ「正しき者は火傷(やけど)をせず、偽りし者は火傷あり」という荒っぽい古代の裁判の方法です。「日本書紀」には415年、氏姓(うじかばね)を偽る者が多くなり、氏姓制度の混乱を正すため、甘樫の神前で盟神探湯が行われたと記載されています。

当日は、豊浦・雷(いかづち)両地区の氏子によって、境内にある「立石」の前に釜が据えられ、「盟神探湯神事」が行われます。宮司による神事があり、続いて地元の劇団「時空」により、盟神探湯の様子が寸劇でわかりやすく再現されます。最後に参拝者は笹(ささ)の葉を釜の湯に浸し、うそ・偽りを正し爽やかに暮らせるように祈った後、無病息災のお守りとして持ち帰ります。

メモ:甘樫坐神社へは、近鉄橿原神宮前駅東口から飛鳥駅行きバスに乗車し、甘樫丘下車、徒歩約5分。【奈良まほろばソムリエの会 露木基勝】


釜の湯に浸してお祈りした笹の葉を「無病息災のお守り」として持ち帰るとは、これはまた現代的で優雅な風習である。今年は4月2日(4月の第1日曜日)に営まれる。ぜひ、足をお運びください!

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お水取りの神名帳/1番が蔵王権現という理由がやっと分かった!

2017年03月09日 | 奈良にこだわる
写真集 南無観 東大寺お水取りの光陰
今駒清則
奈良新聞社

ちょうど今はお水取り(東大寺二月堂修二会)の期間中である。この期間中、練行衆(れんぎょうしゅう)によって「神名帳」(じんみょうちょう=東大寺修二会神名帳)が読み上げられ、法会の場に全国の神々をお招きする。

まず「例に依って大菩薩、大明神等、勧請し奉らん」と読み、「金峯大菩薩、八幡三所の大菩薩…」と大菩薩号を持つ神々が勧請される。この「金峯大菩薩」は、吉野山の蔵王権現のことである。吉野山の蔵王権現は、大和の国を代表するトップの神さまということなのか。

続く「八幡三所大菩薩」は東大寺の鎮守神で、手向山八幡宮(二月堂の南側にあり大仏建立時の守護神を祀る)にも鎮座する。東大寺の大仏造立とは深い関わりのある神さまなのである。すると、吉野山の蔵王権現は、手向山の八幡神よりも東大寺と「より深い」関わりがあるということになる。ほぼ境内地にある手向山の八幡神より、遠く離れた吉野山の金峯大菩薩が、なぜトップなのか?

これは私にとって、長年のナゾだった。金峯山寺蔵王堂で特別開帳された蔵王権現像を拝観して「うーむ、この迫力だからトップに選ばれたのだなぁ」と思ったこともあったが、このお像は桃山時代のもの。神名帳の読み上げは少なくとも12世紀前半には行われていたというから、時代が合わない。何か他に理由があるのではないか。

この長年の疑問が一挙に氷解する時が来た。快著・宮坂敏和著『吉野 その歴史と伝承』(名著出版)に載っていたのだ(「第1章古代吉野への魅力」の「第3節吉野水分の神と金峯の神」)。『東大寺要録』巻第2に出ていたという話だ。金峯山(吉野川河岸から山上ヶ岳までの一連の山並みの総称)はその名の通り、もともと「金脈が存在する山」とされていた。

大仏造立にはメッキのため、大量の金が必要だ。本書によると《聖武天皇が大仏鋳造のため金峯山に金を求めたところ、蔵王権現からここの金は弥勒出世のとき延べ敷くためのものだからと断られ、その代わり近江の国で祈願すべきことを教示され、やがて陸奥国から砂金算出の報があったと記されている》。この砂金によって大仏造立がスタートする。つまり、吉野山の蔵王権現(金峯大菩薩)のお告げがきっかけとなって、大仏を作れることになったのである。東大寺にとっては大恩人(神)というわけだ。それなら神名帳のトップに立つ資格は十分だ。

芋づる式に、吉野のことを調べていて東大寺のことが分かった。勝間和代なら「セレンディピティ」(偶察力)と呼ぶところか。それにしても、こんな偶然の発見があるから、読書はやめられない。 


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イトーヨーカドー奈良店が閉店(2017年9月10日予定)/跡地に観光型施設!

2017年03月08日 | 奈良にこだわる
今朝の奈良新聞(3/8付)を目にして驚いた。1面トップの見出しは「奈良店を閉店へ ヨーカドー 跡地に観光型施設 物販や忍者屋敷 来春開業目指す」。毎日新聞奈良版も「イトーヨーカドー閉店へ 今秋 開発会社が事業引き継ぎ」。詳しい情報が都市商業研究所のHPに出ていた。引用すると、
※トップ写真は奈良市・仲川市長のブログから拝借

奈良市新大宮駅近くのショッピングセンター「イトーヨーカドー奈良店」が、2017年9月10日に閉店する。イトーヨーカドー奈良店は郊外型百貨店「奈良そごう」として1989年10月2日に開店。長屋王(684~729年)の邸宅跡への出店であった。

奈良そごうはそごうの民事再生法申請に伴い2000年12月31日に閉店。その後、2年半の空き店舗を経て、イトーヨーカドー奈良店として2003年7月10日に営業再開した。売場面積は35,000㎡で、建物は三井住友信託銀行が所有している。

5階には川が流れていた跡が、7階には回転展望レストラン跡が残るなど、そごうが建築した非常に豪華な内装が特徴的ながら、近年は競争の激化から専門店部分に空き店舗が目立つ状態となっており、イトーヨーカドーの店舗整理の一環から閉店が決まったものと思われる。

館内は非常に広く余裕のある造りのため、展示会や音楽ライブなど多くのイベントが開催されており、近年は奈良市のローカルアイドル「Le Siana」(ルシャナ)が本拠地の1つとしていることでも知られていた。奈良市長によると、イトーヨーカドー奈良店跡は複合商業施設として再活用されることが決まっているという。

2017年9月の閉店後は商業施設コンサルタントの「やまき」(東京都港区)の手で、観光客と地元客の双方をターゲットに据えた新たなショッピングセンター「NARA HEIJO PLAZA」(仮称)として2018年春の全面リニューアルオープンを目指し改装工事が進められる。「やまき」は、旧奈良そごうの改装、また、イトーヨーカドー奈良店への改装にも関わった実績があるという。


また産経ニュースには《やまきは複合商業施設に食料品店のほか、スポーツ施設や簡易宿泊施設も整備する予定で、「売り上げ目標は現状の倍の年間150億円、来場客2千万人」としている。セブン&アイは27年10月、業績不振を理由に全国の約40店を32年度までに閉店する方針を発表。奈良店も「これまで通りの営業存続が難しい」(担当者)と判断され、閉店を余儀なくされた》。

奈良新聞には《食料品などの物販だけでなく、金魚のアクアリウム(飼育設備)や忍者屋敷、芝居小屋などを設けて国内外に情報を発信する方針で、7階の展望フロアにはカプセルホテルホテルや結婚式場、レストランの開設なども検討している》とある。

奈良市の仲川市長はご自身のブログに《イトーヨーカドー奈良店が9月10日で閉店。新たに複合商業施設の再生で実績のある事業者が継承する事になりました。来春にはリニューアルオープンの予定。奈良市の基幹商業施設として店舗や雇用が維持されるだけでなく、中身も全面的に変わります。最上階の展望室も活用されるようです》としている。

長屋王邸宅跡の遺構を破壊して建てられた「奈良そごう」の民事再生法申請、そして後継のイトーヨーカドーの撤退と、不幸な事態が続いている。現地からは平城宮跡も近い。「忍者屋敷」は外国人観光客に人気だし、「芝居小屋」はファミリー層を開拓できる。奈良には今までなかった「観光型施設」として、今後の展開を期待したい。
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「役行者と弘法大師」講演会/川上村ホテル杉の湯で3月8日(水)開催!(2017 Topic)

2017年03月07日 | お知らせ
うかうかしているうちに、もう明日になってしまいました。3月8日(水)15:30~16:50(80分)、川上村の「ホテル杉の湯」(川上村大字迫695)で「役行者と弘法大師」という講演をいたします。参加無料・申し込み不要です。同講演会のチラシによりますと、

シリーズ講演会 (第11回) のご案内
役行者と弘法大師

日程 平成29年3月8日 ( 水 )
時間 15:30開演(16:50終了予定)
会場 ホテル杉の湯 金鱗の間(2階宴会場)

講演会もはや11回目を迎えました。今回のタイトルは「役行者と弘法大師」としました。修験道の開祖で吉野を中心に活動した役行者 (えんのぎょうじゃ)、真言密教の開祖で当村ともゆかりのある弘法大師空海がテーマです。

ともに日本史上の重要人物であり、どこか共通点も見いだせるこの2人を取り上げ、その生涯や業績を分かりやすく解説していただきます。講師はNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」の鉄田専務理事です。

奈良まほろばソムリエの会は本年2月、共同通信社などが主催する「第7回地域再生大賞」で、優秀賞を受賞されました。また同会が監修した『奈良「地理・地名・地図」の謎』(実業之日本社刊)は、台湾語版の発刊が決定しました。

今さら聞けない役行者と弘法大師の生涯と業績。今回もたくさんのご参加をお待ちいしています!

【お問合せ先】
一般財団法人グリーンパークかわかみ 〒639-3553 川上村大字迫695
(ホテル杉の湯内)℡ 0746-52-0333


いつもながら「難しいことをわかりやすく、面白く語る」をモットーとした、肩の凝らない講演会です。たくさんの方のご参加をお待ちしています!







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