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かつて、こんな憤怒の仏頭があった!金剛山転法輪寺/毎日新聞「やまと百寺参り」第30回

2019年11月22日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。11月7日(木)に掲載されたのは「五眼六臂の菩薩様/転法輪寺(御所市)」、筆者は大阪府河内長野市在住の長谷川由美子さんだった。
※トップ写真は同寺からの眺望。同寺の公式HPから拝借

お寺の山号(金剛山)から、山の名前が「金剛山」になったという。お寺の公式HPには《行基、鑑真、最澄も当山で修行したとされています。現在も修行が行われている山岳地帯として多くの修験者が訪れています》とある。かつてお寺には末尾の写真のような憤怒の表情の法起菩薩像が安置されていたそうだ。では、全文を紹介する。

金剛山山頂の転法輪寺(てんぽうりんじ)、本尊は大変珍しい法起(ほうき)菩薩様です。今から1300年程前、修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が16歳の時、金剛山で修行中に感得したと伝わります。そのお姿は五眼六臂(ごがんろっぴ)(眼は五つ、腕は六本)です。

写真は、明治初めまで転法輪寺に鎮座されていた本尊法起菩薩立像の仏頭です。髪は逆立ち憤怒の表情ではありますが、何とも心惹かれるお顔です。五穀豊穣、悪虫退散、米を作り、人を造り、家を守って下さる仏様だそうです。明治維新後の修験道禁止や廃仏毀釈の嵐の中、廃寺となり本尊は破壊されました。かろうじて残った仏頭は秘かに麓の菩提寺(ぼだいじ)へ運ばれましたが、再び転法輪寺に戻ることはありませんでした。

本尊が復刻遷座されたのは2011(平成23)年のことです。新しい本尊の怒髪、憤怒のお姿に、穏やかさと親しみを覚えるのは、平成から令和へと続く現代の仏様だからでしょうか。手には鍬(くわ)と鋤(すき)をお持ちです。この珍しい日本生まれの法起菩薩様をぜひ拝観に訪れて下さい。本堂の扉はいつでも開いています。(奈良まほろばソムリエの会会員 長谷川由美子)

(宗派)真言宗醍醐派
(住所)御所市高天472
(電話)0721-74-0873
(交通)南海・近鉄河内長野駅からバス「金剛山ロープウェイ前」下車、ロープウェイで山頂へ、徒歩約30分。近鉄富田林駅からバス「千早ロープウェイ前」下車、ロープウェイで山頂へ、徒歩約30分。
 ※現在「ロープウェイ」は運行停止中ですが、徒歩での登山は可能です。
(拝観)無料
(駐車場)無





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