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自己啓発に9,049億円/平成元年の約3倍に拡大!

2018年01月13日 | 日々是雑感
奈良新聞(1/8付)に《「自己啓発」市場 9千億円超に拡大 ビジネススキルやマインドなど 個人で能力開発 スクール通学や書籍購入》という大きな記事が出ていた。共同通信の配信である。全文を紹介すると、

スクール通学や書籍購入など、自身の能力を向上させるための「自己啓発」に関する市場が、2016(平成28)年現在の推計で9049億円となることが7日、共同通信が三菱UFJリサーチ&コンサルティングに依頼した調査で分かった。1989(平成元)年推計と比較すると、約30年間で約3倍に拡大。宝くじの年間売り上げと同程度の市場規模で、国民1人当たりに換算すると、年間約7千円を支出している計算になる。



終身雇用制の下では企業が従業員の能力開発を担ってきたが、バブル崩壊後の景気低迷などを経て、個人が自発的に自己啓発に取り組む形態へと移行が進んだ。同社は「人生100年時代」などを見据え、市場はさらに拡大するとみている。

自己啓発市場を、ビジネスに関わるスキルやマインドの習得を目指すものと定義し推計した。書籍の売り上げや語学スクール、資格取得スクールといった9項目を分析。ゴルフレッスンやカルチャースクール、学習塾などは対象外とし、ビジネスに直結しないセミナーなども除いた。

項目別に2016年の市場規模を見ると、英会話などの「語学スクール」が2860億円、公認会計士や弁護士などの「資格取得スクール」が2370億円で、計5230億円。平成元年時点は計800億~1100億円程度で、約5倍に増加。市場全体を押し上げる格好になっている。

専門職大学院が制度化された「社会人大学院」(1452億円)や、インターネットの普及に伴う「Eラーニング」(100億円)のように、平成元年には極めて小さかった市場も時代の変化に合わせて拡大した。

一方で「書籍・雑誌」は出版市場の縮小を受け、平成元年の1457億円を下回る965億円。ただ、今回の調査はビジネスとは直接関係がなかったり、生き方を説いたりするような書籍は含まれていない。同社は「ビジネスマンはこの間、大企業の経営破綻やリストラを目の当たりにしてきた。自己啓発への投資は今後もさらに増えるだろう」と分析している。


「ビジネスに関わるスキルやマインドの習得を目指すものと定義」したので、カルチャースクールや、ビジネスとは直接関係ない書籍は除かれているが、これらを加えると(広義の)「自己啓発市場」は、もっと大きい数字になるだろう。それにしても30年間で約3倍とは、すごい。これは国民の高齢化の影響も大きいことだろう。

楠木新著『定年後』という本に、こんな公式が出ていた。
A(社会とつながる力)=X(自分の得意技)×Y(社会の要請や他人のニーズ)
自己啓発でXを磨くのは比較的簡単だが、それを不確実なYと結びつけるのが難しい、とのこと。これには納得した。

NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」はNPO、つまり公益のために活動する団体だから「インプット(自己啓発)よりアウトプット(社会貢献)を」と口を酸っぱくして言っている。「インプットは単なる自己満足、冥土の土産」と言うときもある。それほど皆さん、勉強が大好きなのである。

ただし「アウトプットのためのインプット」は必要だ。講演とか観光ガイドのために地理や歴史の勉強をすることは欠かせない。つまり「インプットのためのインプットはダメですよ」と申し上げているのである。

それにしても30年で3倍、「宝くじの年間売り上げと同程度」とは恐れ入った。ここにも勤勉な国民性が現れている。皆さん、蓄えた知識は大いに活用してください!

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