tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

井谷屋(桜井市 長谷寺温泉)を満喫!

2014年02月05日 | 奈良にこだわる
私は年に1度は、必ず奈良県内に泊まることにしている。「そもそも奈良県民が県内に泊まらないから、奈良県の宿泊客数が伸びない」と、講演などでエラそうなことを言っている手前、自ら率先して泊まらなければ始まらないのだ。
※トップ画像は、楽天トラベルの井谷屋のサイトより





昨年(2013年)は山添村の「里舎(みちのりのやど)」(2回目)、一昨年は川上村の「ホテル杉の湯」、その前は野迫川村の「ホテルのせ川」「開雲荘」…。さて今年はどこに泊めてもらおうか、と思っていたところ、飲み友達のKさんから「桜井市初瀬の井谷屋へ行きませんか。のんびり温泉に入って1泊して…」という電話が入った。仕事がらみで、初瀬に行くことになったのだとか。「では私も」と、お伴をすることに決めた。





この旅館では3月、NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」で合宿研修をすることになっている。前日は長谷寺を拝観して法話を拝聴、翌日は早朝から勤行に参加させていただいたあと、周辺を歩く。まだ下見をしていなかったので、これは絶好の機会だ。しかも奈良から初瀬までは、Kさんが車を出してくださるという。出発したのは1/27(月)の夕刻だ。


食事は、左の部屋でいただいた。改装されていて、ま新しい



「湯元 井谷屋(いたにや)」(桜井市初瀬828)とは、どんな旅館だろう。同館のHPによると、

長谷寺まで徒歩5分!長谷寺門前町の創業150年の純和風老舗旅館
桜、牡丹、あじさい、紅葉…。別名「花のみ寺」として知られている長谷寺参拝に便利な立地にありながら、奈良県では珍しい天然温泉をご堪能いただけます。季節の会席料理を愉しみ、緑が眺められる和の情緒を大切にしたお部屋で寛ぎ、非日常の歴史とロマン溢れる贅沢なひと時をお過ごしくださいませ。



食事をいただいた部屋

創業150年とは、天誅組が活躍した文久年間ではないか。「井谷屋に泊まる」というと、まほろばソムリエの会の連中は「あそこは風呂が大きい」「温泉の泉質もいい」と口を揃えて言う。日頃はカラスの行水なので、久しぶりに長風呂をしたい。ところで初瀬とはどんな町か。『奈良まほろばソムリエ公式テキストブック』の「門前町の初瀬郷」によると、

初瀬は伊勢街道の通過点で、長谷寺の門前に位置する。長谷寺の観音信仰は貴族等の間で平安時代から高まり、盛んに参詣が行われたが、初瀬郷の発生は、民間信仰としての伊勢参りが盛んとなり、その道筋にあたる長谷寺へも庶民が足を留めた鎌倉時代末ごろから室町時代初めごろと考えられている。民間信仰の高まりとともに初瀬郷は町場としての傾向が強くなり、門前町、宿場町として発展した。


井谷屋の廊下には、かつての「長谷講」(同寺を定期的に参拝した信者集団)の看板がずらりと並ぶ

天正十一年(一五八三)には、旅宿を含めて町家は二百軒ほど立ち並んでいたという。近世には、万治二年(一六五九)の大火災や文化八年(一八一一)の「初瀬流れ」と呼ばれる大洪水が起こり、町場は大打撃を受けるが、民衆経済の成長による長谷寺への参詣人の増加で旅籠や公家・大名等の公用・参勤のための本陣が設けられ、商業的発展は明治以降も続いた。


この部屋に泊めていただいた。老舗の風格が漂う

初瀬は今も長谷寺の門前町として賑わっており、国道一六五号線から離れて旧伊勢街道へ入り東へ進むと、街道の両脇には幕末から明治・大正にかけて建てられた旅館や飲食店、草餅を商う商家が軒を連ね、その中の山田酒店は登録文化財になっている。

長谷寺の門前町・宿場町として発展したのだ。ついでに長谷寺をおさらいしておく。「長谷寺(桜井市初瀬)」(『奈良まほろばソムリエ公式テキストブック』)によると、

JR東海 | うまし うるわし 奈良 | 長谷寺篇 (Web特別映像/1分30秒)

創建当初の遺品である銅板法華説相図に刻まれた銘文によれば、朱鳥元年(六八六)に川原寺の僧道明が天武天皇のために泊瀬の地に祀ったものという。また、播磨国揖保郡出身の僧徳道が聖武天皇の勅を受け、銅板が納められた西の岡(本長谷寺)と対になる東の岡に霊木で刻んだ十一面観音像を祀ることを発願し、天平五年(七三三)に行基が開眼供養をしたともいう。

天慶七年(九四四)に堂舎・宝蔵・本堂などが焼失して以来、十度あまりの火災に遭ったが、室町時代には民間における伊勢信仰の興隆とともに街道筋にあたる長谷寺への参詣者が増え、流行となった庶民の長谷詣が復興の力となった。教義の方面では天正十六年(一五八八)に紀州根来寺から専誉が入寺し、平安時代末に高野山大伝法院の覚鑁が開いた新義真言宗の根本道場として栄えた。



度重なる火災で中世の堂宇はことごとく焼失したが、徳川家光の寄進によって慶安三年(一六五〇)に再建された舞台造の本堂(国宝)は東大寺大仏殿に迫る規模をもち、仁王門から本堂に至る全長二〇〇㍍ばかりの登廊は、梁に吊るされた球形の風雅な釣灯籠とともに長谷寺の顔となっている。

寺宝の銅板法華説相図と法華経二十八巻は国宝。本堂本尊の木造十一面観音立像は天文七年(一五三八)の作で重要文化財。左手に水瓶、右手に錫杖を持ち、観音菩薩と地蔵菩薩の両徳を兼ねた独特の姿から「長谷寺式」もしくは「長谷型観音」と呼ばれ、同じ様式をした仏像群の典型となっている。西国三十三ヶ所第八番札所であり、四季折々の花を楽しむ参詣者も多い。





井谷屋名物・千人風呂(長谷寺温泉)

初日の夜は5人で集まって食事をすることになっていたが、2人は仕事の都合で遅れて到着する。早く集まった3人で、まずは温泉へ。同館のHPには《千人風呂 長谷寺温泉 長谷寺湯元井谷屋》《井谷屋では、地下600mより噴出する大和路では類をみない優秀な良質の温泉を擁しています。井谷屋の館内には、良質の湯を抜群の眺望とともにお楽しみいただける「千人風呂」をご堪能ください》とある。




山里なのに、刺身も新鮮でとても美味しい

千人はややオーバーだが、とても大きい風呂だ。掃除も行き届いている。重曹泉(ナトリウム・炭酸水素塩泉)だそうで独特のヌルスベ感があり、体がとてもよく温まる。結構長湯したので、翌朝まで体がぽかぽかだった。皆が言うとおりだ。温泉から上がると、部屋でビール。うーん、これはたまらない。しかし、飲み過ぎると料理が食べられなくなるので、私としてはやや控えた(つもりだ)。


牛肉も、ボリュームたっぷり





遅れてきた2人と合流し、5人でテーブルを囲んだ。おお、これは豪華な食事だ。まさに「山海の珍味」がずらり。しかも、あとからあとから料理が運ばれてくる。これはペース配分を考えなければと、ビールから日本酒に切り替えた。特注の地酒「談山 純米大吟醸」(西内酒造:桜井市下)がめちゃウマ!





前菜に刺身、牛肉の蒸し焼き、茶碗蒸し、海の幸の紙鍋と、豪華な料理が続く。Kさんはビールとおしゃべりに夢中だが、私は写真を撮っては食べる、の繰り返しだ。







美味しいお酒とご馳走をいただいて、その夜はぐっすりと眠りについた。ギリギリまで寝ていたので、朝は温泉に入れず、あとで後悔した。Kさんは、知らない間にジョギングウエアに着替え、長谷の街を疾走してきたそうだ。「門前町の風情があって、とてもいい街でした」とのこと。


夕食の締めのフルーツ


朝食も、とても美味しくしただいた

温泉も料理も堪能した。これは3月の合宿が楽しみだ。きっと皆、喜んでくれることだろう。次回は「合宿研修」だし朝は勤行に参加するので、お酒は少し控えなければならないが…。



井谷屋のご主人、奥様、夜遅くから早朝まで、すっかりお世話になりました。温泉では体がぽかぽかと温まり、ボリュームたっぷりのお料理も、すべて美味しくいただきました。仲居さんにも、とても丁寧に応対していただきました。有難うございました、3月もどうぞよろしくお願いいたします!

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2 コメント

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奈良にご宿泊 (金田充史)
2014-02-06 01:04:41
tetsudaさん、すばらしい。奈良でご宿泊されてますねぇ。

社長氏も、なかなかおもしろい方で、娘さんも、地元銀行でお勤めだとか。

奈良市内とは、また違った雰囲気ですので、斯様な場所は、ホテルよりも旅館が似合いそうです。こういう場所で、旅館の看板を維持して頂いてもらいたいのですが、こんな所までも、外資が進出しています。旅館としての営業形態ですが、資本は外国。

奈良県内は、まだ無い様ですが、こんな事例は、勘弁していただきたいモノです。だから、奈良では頑張って欲しい。
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初瀬谷 (tetsuda)
2014-02-07 06:27:34
金田さん、コメント有難うございました。

> 奈良市内とは、また違った雰囲気ですので、斯様な場所は、ホテルよりも旅館が似合いそうです。

初瀬谷はまさに、お山と神仏に包まれた聖地でした。『蜻蛉日記』や『更級日記』の著者も、この雰囲気に心を打たれたことでしょう。

> 外資が進出しています。旅館としての営業形態ですが、資本は外国。奈良県内は、まだ無い
> 様ですが、こんな事例は、勘弁していただきたいモノです。だから、奈良では頑張って欲しい。

鬼怒川温泉に行ったとき、そんな噂を聞きました。奈良県下の旅館は、踏ん張っていただきたいですね。
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