tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

奈良デスティネーションキャンペーン展開中!

2010年04月10日 | 平城遷都1300年祭
平城遷都1300年祭の4月24日からの本格スタートに合わせて、JRグループなどが「奈良デスティネーションキャンペーン」(奈良DC 4/1~6/30)を展開中だ。
※JR西日本のホームページ
http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1174762_799.html

交通新聞(4/6付)によると《「奈良DC」スタート JR6社など各地で多彩なイベント》《JRグループ旅客6社と奈良県、県下自治体、観光団体が共同展開する「奈良デスティネーションキャンペーン」が1日、スタートした。6月30日までの3カ月間、「はじまりの奈良、めぐる感動。」をテーマに各地で多彩なイベントを繰り広げる。奈良でDCが行われるのは1986年(昭和61年)以来2回目》。

《初日の1日、JR奈良駅で行われたオープニングセレモニーには、JR西日本の山本章義取締役兼専務執行役員・大阪支社長、井上浩一取締役兼常務執行役員・営業本部長、地元から奈良県の荒井正吾知事、奈良市の仲川げん市長らが出席。この日は、DCに合わせて運転開始した新大阪―奈良間直通の臨時特急「まほろば」をホームで出迎え、くす玉開花した後、荒井知事が「今、奈良県では平城遷都1300年祭を展開しているが、今月24日には平城宮跡で復元を進める第一次大極殿も公開される。今後、DCとの相乗効果を発揮できるように情報発信に力を入れるとともに、多くのお客さまに“奈良の感動”を味わってもらい、何度も訪れてもらえるように努力していきたい」と述べた》。

《また、井上本部長は「当社では、最古の歌集、万葉集にまつわる名所旧跡が沿線に多い桜井線に『万葉まほろば線』という愛称をつけ、万葉歌人などを描いたラッピング列車を走らせるなど、これまで奈良の観光の魅力創造に尽力してきた。DCの着地側として、駅員や乗務員、さらには駅売店や清掃の係員も含め、おもてなしの心で全 国からのお客さまをお迎えし、ここ奈良のリピーターを増やしていきたい」とあいさつした》。

《今回のDCでは、平城遷都1300年祭メーン会場の平城宮跡で、第一次大極殿正殿や遣唐使船の復元、古代衣装を着用したパレード、ガイドツアーなどを企画。県内の寺社で秘宝、秘仏の特別公開もある。また、日本古来の歌集、万葉集ゆかりの史跡を巡るウオーキングや講演会、シルクロードや仏教を題材にした平山郁夫の特別展が行われる》。

《JR西日本は、DCに合わせて期間中の土休日などに新大阪―奈良間直通の臨時特急「まほろば」を1日1往復運転。桜井線や和歌山線では“万葉”をテーマにしたラッピング列車を運行する》。

電車は車よりエコだし、新幹線は飛行機より環境に優しい。なら・シルクロード博でも新大阪―奈良間の直通列車が好評だったが、ぜひ遠隔地からも、鉄道を利用して奈良を訪れていただきたいものだ。



JR各社はDCに熱心だが、背景にはこういう事情もある。週刊東洋経済(4/3号)に、特集記事が出ていた。タイトルは《特集 鉄道新世紀-在来線の実態 なぜ観光客対策に躍起なのか》。

《国内旅行需要の掘り起こしに力を入れるJR各社は、観光キャンペーンを連発している。自治体関係者が「NHKの大河ドラマに次ぐ効果が期待できる」と口をそろえる「デスティネーションキャンペーン」(以下、DC)。これはJRグループ6社が自治体と共同で実施する観光誘致キャンペーンだ。約3カ月の期間中は開催地をPRする統一ポスターが全国の駅に張られ、関連イベントも各所で開かれる。候補地としていくつもの自治体が名乗りを上げ、JR6社の共同会議で開催地を決める。つねに3年先まで内定しているという》。

《この4月からは奈良県が開催地だ。今年は平城遷都1300年祭が開かれている。平城宮跡には第一次大極殿正殿が復元され、公開されるほか、一年を通じてさまざまなイベントが予定されている。奈良県下にはマスコットキャラクターの「せんとくん」の登場する案内ポスターが張り巡らされている。奈良DCもこれに相乗りする形で全国からの観光客を見込んだものだ》。

《DCへの期待感は今や自治体よりJRグループのほうが強い。JR各社の運輸収入を見ると、2008年3月期まではほぼ増収を続けてきたが、09年3月期は軒並み大幅減に。特に、ビジネス出張と観光需要の「定期外」の落ち込みが新幹線、在来線ともに大きい。10年3月期は減少幅がさらに拡大する見込みだ。景気悪化に加え、高速道路無料化や新型インフルエンザの影響が大きいとみられる。ビジネス向けには新幹線の「早特」や「エクスプレス予約」など割安さや利便性で落ち込み回避を狙うが、観光需要の掘り起こしには「仕掛け」が不可欠との認識で各社一致する。その核がDCなのである》。



《話題を奈良に戻そう。全国からの観光客の「着地」を担当するJR西日本は、観光地へのアクセスに趣向を凝らす。開催期間の土休日を中心に臨時特急「まほろば」を新大阪―奈良間で走らせる。また、万葉集ゆかりの名所旧跡が多いJR桜井線に「万葉まほろば線」との愛称を設定するとともに、万葉集のイメージを模したラッピング列車を運行する》。

《周遊タイプの切符も売り出す。奈良地方はJRだけでは不便な観光地も多いため、近鉄や奈良交通バスも乗り降り自由となっている。さらには、人気観光地にて割安で効率よくタクシーが利用できる「駅から観タクン」も販売するなど、これまでになくJR以外の交通機関との連携を強めた。「通勤線と比べ、観光向けのほうが他鉄道会社との連携を取りやすい」(JR西日本鉄道本部営業本部課長・橋本修男氏)ようだ》。

《一方、奈良へ観光客を送り込むのがJR東海など他のJRグループ会社だ。特にJR東海にとって首都圏から京都や奈良への観光客需要は、東名阪間のビジネス利用と並ぶ収益の柱である。それゆえ、JR東海ではDCの有無にかかわらず1993年以降、独自の京都・奈良キャンペーンを続けており、今では京都で年6回、奈良で2回、それぞれ季節に応じたキャンペーンを展開している》。

《DCの開催地や新線開業による地元への経済効果は大きい。が、観光客を運ぶ鉄道会社にとっては、地元を押さえるより、往路・復路を確保するほうが収益に寄与するという方程式なのだ》。

ふぅん、なるほど。JRは売り上げが落ち込んでいたのか。不況で企業は出張を抑えようとするし、個人や旅行をとりやめたり、高速道路にシフトしているのだ。


東京駅で見つけたJRのポスター(3/19撮影)

JR西日本の佐々木隆之社長は、日刊工業新聞(2/24付)のインタビューに答えて、こんな話もされていた。《「今までのキャンペーンのノウハウを生かし成功させたい」と語るのは、社長の佐々木隆之さん。過去に同様のキャンペーンを広島、岡山、兵庫などで開催し、利用増の実績を上げた。「落ち込む売り上げの対応策であるほか、地域活性化にも貢献できる」と意気込む》。

《キャンペーンのポスターには、ブームの阿修羅像のポーズをした女性モデルが登場。「阿修羅人気にもあやかって、一人でも多くの人に奈良を訪れてもらえれば」と期待を寄せる》。

たとえ狙いが「デフレーション対策キャンペーン」(DC)であったとしても、「電車で奈良を訪ねて」とPRしていただけるのは、とても有り難いことだ。何しろ、早くも奈良市内では交通渋滞が始まっているのだから。
※宮跡会場へは電車とシャトルバスで(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/baeb104f208e8d3125b1beb3de68bfb9

お近くの皆さんも遠方の皆さんも、ぜひ奈良へは電車でお越しいただき、ゆっくり歩いてお回り下さい!
※トップ写真は薬師寺西塔。4/8撮影

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2 コメント

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いまひとたびの奈良へ (鴨媛)
2010-04-11 09:26:07
ここしばらくいろいろな人に会う機会が多いので、
奈良旅行を勧めています。
大体皆さんから帰ってくる回答は、
「奈良は交通の便が悪いから・・・」。
「修学旅行で行ったきり」
という回答も多かったですね。
まだまだ東京の人の持つイメージは、
一元的なのだなあ・・・と思いました。

私は以前「奈良大和路フリーきっぷ」と「エクスプレス予約」で出掛けていたのですが、
「奈良大和路フリーきっぷ」が姿を消して
特急券とセットの「遊々きっぷ」に代えられました。
これからどのように利用しようか思案中です。

このGWは、伊丹空港から特急まほろばで奈良に入る予定です。
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大遣唐使展 (tetsuda)
2010-04-12 05:25:09
鴨媛(かもひめ)さん、コメント有り難うございました。

> いろいろな人に会う機会が多いので、奈良旅行を勧めています。

有り難うございます。遠方のお客さんは、有り難いです。

> 皆さんから帰ってくる回答は、「奈良は交通の便が悪いから・・・」。
> 「修学旅行で行ったきり」という回答も多かったですね。

京都から近鉄特急で30分、急行でも45分ということが、あまり知られていなくて、残念です。

エクスプレス予約が外れたのは、痛いですね。「大遣唐使展」の影響か、奈良は人が増えています。混雑日を避けて、ゆっくりお回り下さい。
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