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灯芯ひきは安堵町指定文化財/灯芯保存会が伝承(毎日新聞「ディスカバー!奈良」第43回)

2017年11月29日 | ディスカバー!奈良(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「ディスカバー!奈良」を連載している。11月16日(木)に掲載されたのは「灯芯(とうしん)ひきを伝承 安堵町の歴史民俗資料館」、執筆されたのは、奈良の観光ガイド名人を選ぶ「第1回 Nara観光コンシェルジュアワード」で優秀賞を獲得された柏尾信尚(かしお・のぶひさ)さん。柏尾さんは安堵町にお住まいである。
※トップ写真は、灯芯保存会会員による灯芯ひき

「灯芯ひき」とは、藺草(いぐさ)のズイ(芯の部分)を引き出すこと。安堵町に江戸時代から伝わる伝統技術で2015年、同町で初の「町指定文化財」となった。「灯芯」は古くから燈明などの燃え芯として利用され、現在でも和ろうそくの芯などに使われている。

現在、地域住民など約40人からなる「灯芯保存会」がこの技術を伝えている。安堵町歴史民俗資料館では灯芯保存会さんの指導による「灯芯ひき体験会」を実施している。私もチャレンジしたことがあるが、これは難しい。途中でプツンと切れてしまうのだ。私は途中でギブアップしたが、器用な人はスイスイと芯を引き出していた…。では、記事全文を紹介する。


藺草(いぐさ)栽培の畑と安堵町歴史民俗資料館

安堵町歴史民俗資料館は、大阪府に併合されていた奈良県を1887年に独立させて再設置に導いた今村勤三の生家で、改装され1993年に開設されました。

安堵町は大和川右岸の低湿地にあります。かつて裏作で灯芯(とうしん)用のい草が栽培され、灯芯の一大産地でした。しかし、需要の低下により、68年を最後に一般のい草栽培は行われなくなり、現在は資料館北側のみで栽培されています。

灯芯は、よく水に浸したい草を「ひき台」の刃で外皮をひき裂き、芯である1㍍ほどの「ずい」をひき出し、一束にまとめて乾燥させて作られます。

現在、灯明として、法隆寺や東大寺、春日大社のほか、油の神様・京都府大山崎の離宮八幡宮などに納められています。また、墨作りの採煙や茶事の灯(あか)り、和ろうそくの芯などにも需要があります。

メモ 安堵町歴史民俗資料館へは、JR法隆寺駅または近鉄平端駅からバスで約10分、農協前停留所下車。(奈良まほろばソムリエの会 柏尾信尚)


この灯心ひきの技術が廃れてしまうと、和ろうそくやお寺の燈明を灯すことができなくなるのだ。灯芯保存会さん、ぜひ末永くこの技術を伝承していってください!

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