tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

奥入瀬(おいらせ)渓流の夏

2016年08月16日 | 写真
暑い日が続くので、涼しげな写真をアップすることにしたい。先月(7月)の26~27日、とある社会見学ツアーで青森県を訪ねた。帰る日の午後だけが観光の時間で、奥入瀬川から源流の十和田湖までバスで巡った。


「あじさいは、これから(7月下旬以降)が見頃」と聞いて驚いた。奥入瀬に入る前、蕎麦屋さんの庭で



雨模様のぐずついた天気だったが、おかげで涼しかったし、奥入瀬渓流の水かさが増し迫力のある写真が撮れた。やっと整理ができたので、訪ねた時間順に並べ、あわせて十和田湖国立公園協会HPの説明文を紹介したい。



新緑や紅葉の景勝地として、また避暑地としても人気の高い奥入瀬渓流。写真で見て渓流の素晴らしさを感じていたつもりでも、実際その地に立つと、五感をくすぐる森の出来事に「命」を感じ、自然が織りなす数々の妙に心奪われてしまいます。



奥入瀬は生きています。日々うつろい、四季をつかさどります。自然が生み出す4つのリズムは、期待以上の美しさと表情を魅せてくれ、思いがけない演出までして歓迎してくれるから、季節を変えて何度でも訪れたくなるのでしょう。



奥入瀬渓流の夏
青々と茂る目にも鮮やかな緑。6月初め頃には、写真などで見る「イメージ通り」の奥入瀬が広がります。ところが、実際そこに立つと大きな違いを感じられるでしょう。それは耳や鼻、皮膚で感じる奥入瀬があるということ。



森林を抜ける風は涼しく緑の香りをたくさん包みこみ、大きく深呼吸したくなります。飛び散る滝のしぶきは、降り注ぐ木漏れ日を浴びて、小さな虹を作ることも。森独特の音響で野鳥の声がこだまし、時には幻想的に、時には滑稽に、私たちに音の楽しみを届けてくれます。







カタツムリのように巻かれたシダや、クジャクの羽のように伸びやかに生い茂るシダは、まるで芸術作品。人の手では作れない造形と演出に魅せられ、時間を忘れてしまいます。五感をくすぐる体験の数々…。奥入瀬の夏は、毎日が奇跡です。



奥入瀬川源流の十和田湖には、もともと魚は一匹もいなかった。「人間が魚の放流を開始する以前に生息していた魚介類は、サワガニのみと考えられている」(Wikipedia)。しかし、人生をかけて十和田湖での養魚を成功させた人がいる。それが和井内貞行(わいない・さだゆき 1858―1922)である。日本大百科全書(ニッポニカ)によると、



水産増殖研究家。秋田県鹿角(かづの)市十和田(とわだ)出身。鉱山会社藤田組で養魚の研究に従事している間に養魚への関心が深まり、水産増殖の研究を志した。1884年(明治17)十和田湖へコイの稚魚の放流を試みて以来、同湖の水産振興に努めた。


こちらが十和田湖。7月27日撮影

1902年北海道支笏(しこつ)湖から、本州としては初めてヒメマスの卵3万粒を私費によって購入し、翌年孵化(ふか)した稚魚を放流し、3年後にその成功を確認した。彼の努力により、十和田湖は各地湖沼へのヒメマス種卵の主要供給源になった。のちには十和田の観光開発にも貢献した。

スゴい人がいたものだ。バスガイドさんに教えてもらうまで、私は全く知らなかった。地元には「和井内神社」があり、和井内貞行と奥さんのカツが祀られ、地元民の信仰を集めているという。

涼しげな写真で、少しは暑気払いになりましたか? この奥入瀬渓流、人気は秋の紅葉シーズンだそうです(土日祝は大混雑するそうですが)。ぜひいちど、お訪ねください!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする