感動モノの大屏風絵が、今日から特別公開されている。「中宮寺新殿『鳩和殿』 濱野年宏作 『聖徳太子絵伝』四季図大屏風(2m×37m)」である。これは平城遷都1300年祭「祈りの回廊 奈良大和路秘宝秘仏特別公開」事業の一環だ。
http://www.chuguji.jp/
平城遷都1300年記念事業協会のHPによると《最古の尼寺といわれ、宮家の皇女が入寺される慣習から門跡寺院となった中宮寺。遷都1300年祭の事業の一つとして、通常非公開の鳩和殿(きゅうわでん)にて、濱野年宏画伯が描いた聖徳太子絵伝四季図大屏風や襖絵、障壁画などが特別に公開されます。通常入山料に加え、特別公開展拝観料が必要》。四季図大屏風とともに公開されているのは、大襖絵「はじめ」、「阿・吽」、大障壁画「遠山雲海」、「如意輪観世音菩薩キリク御像」などである。
http://www.1300.jp/event/detail/yamatoji/yeve100423.html

以下、聖徳太子絵伝四季図大屏風を順路(春夏秋冬)に従って紹介する。まずは春

聖徳太子絵伝四季図大屏風・夏
濱野画伯は、英国ノーザンブリア大学から、日本人芸術家として初めて、名誉博士号を贈られた現代美術家である。銀座和光のHPによると《40数年間にわたり欧州各国における大規模な展覧会を通して、人と人との心の繋がりを大切にし、文化と教育の両面に情熱を注いできた。氏の芸術は一過性の流行ではなく、伝統と現代、西洋と東洋の融合を視覚的に具現させた芸術性と独自性をもち、未来を開示してくれる作品であると世界的な評価を受けている》。
http://www.wako.co.jp/exhibitions/164

左は「如意輪観世音菩薩キリク御像」、右はご本尊・如意輪観音
(菩薩半跏像)のお身代わりさん(=レプリカ)。トップ写真とも
《氏の作品には、私たちが共有する美意識を再認識させられ、異なる文化・民族・宗教の衝突や相互理解が深まらない混沌とした現状で、多様な文化を認め、理解を深めることのできる東洋の心を見ることができる。芸術活動を通した出会いの一つひとつから、人の進むべき道に照らして、「負の連鎖」を取り除き、慈しみの世界観「不二一如(Everything is one.)」を芸術の中に具現している他に類を見ない芸術である》。

聖徳太子絵伝四季図大屏風・秋

聖徳太子絵伝四季図大屏風・冬
今回は、聖徳太子絵伝四季図大屏風に加え、最新作の「如意輪観世音菩薩キリク御像」2点が、鳩和殿と茶室で公開されている。四国新聞ニュース「浜野年宏、中宮寺に新作/如意輪観世音菩薩キリク御像」(10/16付)によると《現代美術家の浜野年宏(香川県高松市)が制作していた奈良県斑鳩町の中宮寺への新たな奉納作品が完成し、23日から同寺で公開される。新作は寺の本尊でもある国宝の弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしいぞう)を題材にした絵画。過去に奉納していた大作の屏風(びょうぶ)や襖(ふすま)絵などに、華麗で深遠な浜野芸術を象徴する新たな現代の秘宝が加わった》。

茶室に展示されている「如意輪観世音菩薩キリク御像」
《新作は浜野の個性になっている柔らかい色調の黒で菩薩像を描いた掛け軸。右手の指をほおにあてた顔に、(ぼんじ)一字で表した体と足の部分を組み合わせた姿が特徴で、背景には金箔(ぱく)を張り付けている。梵字は「キリク」と読み、平和や安心を意味する。「美と信仰を一つにしてみた」と浜野。2008年に日野西光尊門跡から創作の依頼を受けた。「私のような者が本尊を描いていいのか戸惑った。でも描くからには心を込めて絵と向き合おうと思った」。時間をかけて丁寧に取り組んだ2年半。作品は張り詰めた緊張感と、菩薩の慈悲に満ちた清浄な空気を感じ取ることができる》。

《浜野は1992年に新殿の鳩和殿が完成したのを受け、そこに設置する大襖絵「はじめ」「阿」「吽」や、大障壁画「遠山雲海」「飛天」、全体の長さが36メートルにもおよぶ「聖徳太子絵伝 四季図大屏風」などを納めた。今回が5作目の奉納になり、絵は表御殿に隣接する茶室に掲げるという。新作は日野西門跡によって「如意輪観世音菩薩キリク御像」と名付けられ、22日に行う報道関係者の内覧会で浜野が落款とサインを入れる。一般公開は「平城遷都1300年祭」の一環で、鳩和殿のほかの奉納作品と合わせて紹介する。公開は23日から11月14日まで》。
2m×37mもの 「聖徳太子絵伝」大屏風は、色鮮やかな彩色と、細部まで稠密に描かれた大和絵で、これには息を呑む。このほか、鳩和殿入口の襖(ふすま)の表裏に描かれた「はじめ」、「阿・吽」、そして床の間の大障壁画「遠山雲海」と、艶(あで)やかな天女(飛天)には、感嘆する。完成したばかりの「如意輪観世音菩薩キリク御像」も、見逃せない。
こんな素晴らしい「現代の秘宝」を見せていただけるのも、平城遷都1300年祭のおかげである。通常の入山料500円に加え、特別開帳には別途500円の入場料が必要だ。大屏風を紹介した図録は千円だが、計2千円払っても決して惜しくはない、素晴らしい「濱野芸術プロジェクト」である。会期は11/14まで。ぜひいちどお訪ねいただきたい。
http://www.chuguji.jp/
平城遷都1300年記念事業協会のHPによると《最古の尼寺といわれ、宮家の皇女が入寺される慣習から門跡寺院となった中宮寺。遷都1300年祭の事業の一つとして、通常非公開の鳩和殿(きゅうわでん)にて、濱野年宏画伯が描いた聖徳太子絵伝四季図大屏風や襖絵、障壁画などが特別に公開されます。通常入山料に加え、特別公開展拝観料が必要》。四季図大屏風とともに公開されているのは、大襖絵「はじめ」、「阿・吽」、大障壁画「遠山雲海」、「如意輪観世音菩薩キリク御像」などである。
http://www.1300.jp/event/detail/yamatoji/yeve100423.html

以下、聖徳太子絵伝四季図大屏風を順路(春夏秋冬)に従って紹介する。まずは春

聖徳太子絵伝四季図大屏風・夏
濱野画伯は、英国ノーザンブリア大学から、日本人芸術家として初めて、名誉博士号を贈られた現代美術家である。銀座和光のHPによると《40数年間にわたり欧州各国における大規模な展覧会を通して、人と人との心の繋がりを大切にし、文化と教育の両面に情熱を注いできた。氏の芸術は一過性の流行ではなく、伝統と現代、西洋と東洋の融合を視覚的に具現させた芸術性と独自性をもち、未来を開示してくれる作品であると世界的な評価を受けている》。
http://www.wako.co.jp/exhibitions/164

左は「如意輪観世音菩薩キリク御像」、右はご本尊・如意輪観音
(菩薩半跏像)のお身代わりさん(=レプリカ)。トップ写真とも
《氏の作品には、私たちが共有する美意識を再認識させられ、異なる文化・民族・宗教の衝突や相互理解が深まらない混沌とした現状で、多様な文化を認め、理解を深めることのできる東洋の心を見ることができる。芸術活動を通した出会いの一つひとつから、人の進むべき道に照らして、「負の連鎖」を取り除き、慈しみの世界観「不二一如(Everything is one.)」を芸術の中に具現している他に類を見ない芸術である》。

聖徳太子絵伝四季図大屏風・秋

聖徳太子絵伝四季図大屏風・冬
今回は、聖徳太子絵伝四季図大屏風に加え、最新作の「如意輪観世音菩薩キリク御像」2点が、鳩和殿と茶室で公開されている。四国新聞ニュース「浜野年宏、中宮寺に新作/如意輪観世音菩薩キリク御像」(10/16付)によると《現代美術家の浜野年宏(香川県高松市)が制作していた奈良県斑鳩町の中宮寺への新たな奉納作品が完成し、23日から同寺で公開される。新作は寺の本尊でもある国宝の弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしいぞう)を題材にした絵画。過去に奉納していた大作の屏風(びょうぶ)や襖(ふすま)絵などに、華麗で深遠な浜野芸術を象徴する新たな現代の秘宝が加わった》。

茶室に展示されている「如意輪観世音菩薩キリク御像」
《新作は浜野の個性になっている柔らかい色調の黒で菩薩像を描いた掛け軸。右手の指をほおにあてた顔に、(ぼんじ)一字で表した体と足の部分を組み合わせた姿が特徴で、背景には金箔(ぱく)を張り付けている。梵字は「キリク」と読み、平和や安心を意味する。「美と信仰を一つにしてみた」と浜野。2008年に日野西光尊門跡から創作の依頼を受けた。「私のような者が本尊を描いていいのか戸惑った。でも描くからには心を込めて絵と向き合おうと思った」。時間をかけて丁寧に取り組んだ2年半。作品は張り詰めた緊張感と、菩薩の慈悲に満ちた清浄な空気を感じ取ることができる》。

《浜野は1992年に新殿の鳩和殿が完成したのを受け、そこに設置する大襖絵「はじめ」「阿」「吽」や、大障壁画「遠山雲海」「飛天」、全体の長さが36メートルにもおよぶ「聖徳太子絵伝 四季図大屏風」などを納めた。今回が5作目の奉納になり、絵は表御殿に隣接する茶室に掲げるという。新作は日野西門跡によって「如意輪観世音菩薩キリク御像」と名付けられ、22日に行う報道関係者の内覧会で浜野が落款とサインを入れる。一般公開は「平城遷都1300年祭」の一環で、鳩和殿のほかの奉納作品と合わせて紹介する。公開は23日から11月14日まで》。
![]() | 濱野年宏作品集濱野 年宏日本経済新聞社このアイテムの詳細を見る |
2m×37mもの 「聖徳太子絵伝」大屏風は、色鮮やかな彩色と、細部まで稠密に描かれた大和絵で、これには息を呑む。このほか、鳩和殿入口の襖(ふすま)の表裏に描かれた「はじめ」、「阿・吽」、そして床の間の大障壁画「遠山雲海」と、艶(あで)やかな天女(飛天)には、感嘆する。完成したばかりの「如意輪観世音菩薩キリク御像」も、見逃せない。
こんな素晴らしい「現代の秘宝」を見せていただけるのも、平城遷都1300年祭のおかげである。通常の入山料500円に加え、特別開帳には別途500円の入場料が必要だ。大屏風を紹介した図録は千円だが、計2千円払っても決して惜しくはない、素晴らしい「濱野芸術プロジェクト」である。会期は11/14まで。ぜひいちどお訪ねいただきたい。