アスベスト労災の矛盾
今日一日改めて、アスベスト労災適用基準の書類に目を通した。
至った結論は、アスベストばく露被害者救済が、主たる目的ではなく、労災のハードルを高くし、出来るだけ対象者の数を絞り込むことに、主眼が置かれていることに尽きる。そこで何故であろうかと、考えて至った結論は、これからアスベスト労災申請者が激増することを見込んで、垣根を高くしたのである。アメリカでは日本より30年早く、アスベストの使用を禁止し、アスベストによる被害者はすでに、峠を超え下り坂になっている。それに反し1995年までアスベストを野放しにした日本は、これから被害者が、増大し、2050年ころに最高になると予想される。それらの保障は莫大な金額になり、年金問題と同じ経過をたどりそうである。其の大半が建設関係者と、造船関係者が占めていることは、大きい。どちらの産業も先細り産業であり、労災掛け金より、保障金額が大幅に上回る状況となる。そこで、労災適用の垣根を高くしたとしか考えられない。
昭和54年アメリカ軍岩国基地や、広島県下のアメリカ軍弾薬庫のアスベスト関連建材をいっせいに撤去した。私も其の一部の工事を担当したが、その後も日本ではアスベストが使い続けられ、昭和も終わり平成元年から、公共施設のアスベストの撤去が始まった。アメリカに遅れること10年である。しかしそれは、アスベストの撤去であり、アメリカは、アスベストの使用を止めて二十年後アメリカ本土から撤去を始め、日本国内の撤去が、技術未熟なため、昭和54年になり、やっと撤去を始めたのです。こうしたことが、国が補償に消極的になる一因なのです。神戸淡路大震災もさる、ことながら3.11震災におけるアスベストの飛散、いや原発に使われていた大量のアスベストは、おそらく水素爆発により、空中に撒き散らされたに違いありません。国民が放射能に目が向けられている影で、放射能より恐ろしいアスベストという、半減期を持たない物質が、福島県を中心に撒き散らされた現実を、今一度、冷静に見ることが必要です。仙台市では、解体中の地震被害の建物の解体を、工事差し止めにしました。アスベストの、処理がなされていないことが、原因でした。仙台市役所の英断に、拍手を送りたいと思います。
志村建世さんのブログからこちらを知りました。私はミクロネシアの小さな島に住んで21年になりますが、広島の出身です。原爆のこと、内部被曝の恐さは子供の頃よりいろいろ聞き及んおり、福島の原発事故の行く末を非常に心配しています。しかしアスベストの被曝については、こちらを拝読していかに自分が無知であったか思い知りました。本日の拙文にて取り上げさせていただきました。
http://suyap.exblog.jp/14198903/
どうかお体を十分にいたわられつつ、今後も頑張ってください。
励ましの言葉、感謝いたします。今日も、中皮腫の家族の方の労災認定手続き支援のため、午前中を費やしました。そして、また一人健康管理手帳取得権利者が判明し、手続き資料作りを新しくつくりはじめました。
たいへんな日々ですが、どうぞ焦らずお過ごし下さいませ。
今後ともによろしくお願い致します。