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無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

半不耕起のハクサイの貯蔵完了

2017-12-19 07:37:13 | 日々の自然菜園

現在、『竹内孝功さんの自然菜園講座オンライン動画サイト試験発信中~
※有料サイトの都合、登録などの際に一部英語表記になっております。

※最新動画、「畑での野良仕事(実技編)」前編・後編もアップグレードできました。


本日、






先日、10日前に収穫したハクサイをようやく長期保存用に保存貯蔵完了しました。

今年のハクサイは、長雨、低温、粘土質ということもあり、久々に半不耕起を行いました。
つまり、土の切り返しも兼ねて、耕しました。

耕すと、ミミズを始め多くの大型土壌生物は、土がかく乱されることにより、ほとんどいなくなったり死んでしまいます。
耕したミミズたちが、元の生き物によって自然に耕した状態にもどるのに、ある実験では2年位かかるというデーターを読んだことがあります。
そのため、むやみやたらに耕すと、土壌生物の生活を脅かし、その恩恵を破壊し、壊滅させてしまいかねません。

また、酸素が土の内部まで入ることで、土の中の有機物は好気性微生物が一気に殖え、分解が行われるために、
耕した直後は、種や苗を植えても発芽・発根障害をもたらします。
そして、2週間~1カ月後には、有機物の分解が終わり、ほどよく土の馴染んでいるので、数カ月は、それまでの蓄えや投入した有機物などによって野菜が良く育ちます。
しかし、耕して、酸素も入った大地に根を張った野菜たちは、一気に生長し、養分を使い切ってしまうので、耕したりした場合は、その都度堆肥や有機肥料を元肥や追肥として加える必要があります。

また、ビニールマルチを使うと、大量のゴミになり、水と養分を限りなく野菜にだけ供給し続けるので、野菜はよく育ちますが、生き物は乏しく土は痩せ、
毎回耕し、何かを投入し続けないと砂漠になってしまいます。土を消費しながら歩む道です。

不耕起栽培は、その点、草と生き物と共生し、土を作りながら野菜を育てるので、持続可能ですが、
耕さないことで、土と野菜の生育がゆっくり(本来の姿)で、うまく管理(お世話)ができると、野菜も草も生き物も共存共栄できますが、
無暗に育てると、草に野菜は負け、モグラやネズミを増やし、被害を拡散し、野菜が育たないこともあるので、調和できるタイミングのよいお世話が必要です。


不耕起と比較すると、耕すと土が柔らかで、酸素も多く、草も排除できているので、野菜が大きく早く育ちます。そして土や生き物はその後乏しくなります。
一方耕すことと比較すると、不耕起は、草の根と競合(調和)して育つので、野菜の生育が前半特に遅く、詰まった小ぶりの野菜になりがちです。そして土は、草や生き物に耕され、豊かになります。

自然菜園には、不耕起をベースに、半不耕起という農家さんように、不耕起と耕すのいいところどりをした方法もあります。※ただ、発表する機会に恵まれずお蔵入りでした(笑)

久々に、いろいろな要素が重なったので、今年は春野菜が終わってから、2段階鋤き込みをした後、半不耕起でハクサイなどを育ててみました。

自然菜園の半不耕起は、1~3年に一度、それまで草マルチしてきた大地を堆肥を切り返すように、耕します。
耕す場所は、畝のみ、緑肥mixなどはそのままです。

そうすることによって、今まで数年かけて積み重ねてきた壊れにくいマクロ団粒構造と、それらを作ってくれた厚みのある生き物たちだからこそ、いったん耕され破壊されても、破壊されなかった緑肥mix下の生き物たちによって回復が早く、土の深くまで酸素が入ることで、堆肥の切り返しのように、深くまで生き物たちが棲めるようになり、
その後、写真のようにハコベたちによっておおわれて、冬の間、土が守られ、夏草を抑えてくれるため、またすぐに不耕起栽培が再開できます。


そうすることで、ネズミやモグラが耕す必要はなく、むしろネズミやモグラの異常繁殖を抑えることもできます。
そして、野菜と草の回復などを見守りながら、必要であれば、最低限耕す(切り返し)を行うことができます。

今年は、ハクサイを育てるには、長雨、残暑がなかったので、このままだと結球できないと思い、
そして、元田んぼで自然菜園をはじめて4年目だったので、10㎝位は自然耕によって土が団粒構造が見事に発達したので。これまで不耕起で育ててきたので、水はけもよくなって長雨でも次の日畑に入れるようになっていたこともあり、(ただし、10㎝より深くはまだまだすごい粘土質だったので、)
ここで半不耕起をすればハクサイが育ちながら、畑も革命的に育つと思い耕しました。


結果、耕したことで、さっと根が張ることができ、見事な2.5㎏ほどのハクサイが育ちました。
そして、予想以上にハコベが生えてくれたので、来年から不耕起で夏野菜を再開しようと思います。




食べない外葉は、畑に敷いておくのもポイントです。ハクサイがそこにあったわけなので、食べない根と葉は畑に戻し、土に還します。
そうすることで、夏までに、生き物たちの住処や食べ物になってくれるからです。


結球させずに菜の花を育てるハクサイは、今回不耕起のまま育てました。

不耕起は前述したように、初期生育が遅く、生育が耕すものより遅いので、同じ日に植えたにもかかわらず、見事結球せずにいい感じに越冬できそうです。

※不織布は、霜よけと鹿による食害を防ぐためにやっております。






収穫して数日陰干ししてから、ちょっと水分量を抜いてから本来新聞にくるんで、長期保存するのですが、
今年は、忙しく、そのまま2週間位経ってしまったので、遅れ気味ですが、寒かったせいもあり、それほど劣化せずに助かりました。

1~2枚枯れてきた葉を取り除き、除いた

温かい日の昼間に、新聞紙でしっかりくるみ、育っている状態(縦)にして段ボールに詰めて保存します。


室温が、2~5℃位の場所に、ネズミ対策を一応してから置いておきます。

ハクサイは、乾燥しやすく、当地で12月に入るまで畑に置いておくと、縛っておいても中まで凍み上がり、葉がどんどん劣化してしまうので、
そうなる前の一番いい状態で、収穫し、乾燥しないように、また段ボールは適度に断熱材にも湿度調整にもぴったりなので、この冷蔵庫のような状態で、3月末まで保存させます。

お鍋でハクサイは欠かせませんし、5月まで野菜が採れない当地では、とても重宝する野菜なので、しっかり保存しておきます。

半不耕起は、元々書いたように農家さんように開発したものですが、
天候不順の場合や、元田んぼ、ネズミの被害が出始め、数年不耕起をやっても育たない場合など、想定外にも役立つので、今年から農家さんバージョン(乗用トラクター)と家庭菜園バージョン(ミニ耕運機)でもう少し掘り下げて研究しようと思っております。

耕すことは、偉大ですが、かつての歴史(4大文明は穀倉地帯でしたが、数百年で今は砂漠で何も育たないこと)が物語っているように、
無暗に耕すのではなく、モグラのように、他の生き物と生き続けるために持続可能に自然に耕したいものです。



新著『とことん解説!タネから始める 無農薬「自然菜園」で育てる人気野菜』2018年1月末に新発売の予定です。

つまり、現在校正祭り(地獄?)で、さすがアマゾンさん、どこよりも早くすでに予約販売しているほど。
是非、地元の本屋さんで立ち読み、気に入ったら、購入いただければと思います。

今回は、「とことん解説!」とあるように、最新の自然菜園技術の公開だけでなく、
各野菜の簡単な自然育苗の方法、市販苗からの方法、栽培ポイントなどが今までわかりにくかった点を改善して解説させていただいております。

お楽しみ~


次回のみ第2水曜日の1/10(水)です。ご注意くださいね。


2018年土内容充実で、
『無農薬・自然菜園入門講座』が第一水曜日長野市城山公民館で18:30~21:30までスタートしています。
城山公民館での「これならできる!自然菜園入門講座」講座が開催です。毎月の野菜と土づくりのテーマで質問時間もたっぷりあるので是非お越しください。

今年度は、いつもの第1水曜日に
城山公民館 18:30~21:25

18:30~19:45座学
19:50~21:25質疑応答


新年度も第一水曜日で、「無農薬・自然菜園入門講座」を行います。お楽しみに~
新年度スタート「これならできる!自然菜園入門講座~冬編~」

◆次回以降の予定
【今月のテーマ】
1/10(水) -病虫害に負けない無農薬栽培の土づくり
2/ 7(水)-菜園プラン① 連作障害の出ないプランの立て方
3/ 7(水)-菜園プラン② 菜園プランの極意

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半不耕起 (松尾吉高)
2017-12-19 10:18:13
3年サイクルの半不耕起はイイトコドリですんなり入ってきます。耕したい症候群から抜けきれない当方にはぴったりです。野菜はやっぱり大きい方がうれしいですからね。当方近所の農家さんも森の循環方式で雑草堆肥マルチのみで営農さていますが、やはり3年に一度耕し微生物の窒素OUTでその年は収穫があがるといわれています。さらなる研究発表をお待ちします。
返信する
コメントありがとうございます。 (竹内孝功)
2017-12-20 04:59:47
松尾吉高さんへ

そうですか。趣向を気に入っていただき誠にありがとうございます。

数年に一回耕すのも一興かと思いますが、
その目安や目的をもう少し見極めてみたいと思っております。

耕した年は、栽培が良く見えるのですが、その翌年一気に疲弊してしまって生育が良くなくなるケース。

つまり耕した年だけよいことがままあります。

個人的には、「耕さなくてもよくなるように耕す」といった感じです。もう少し自然菜園風に言うならば、ステージ3に飛躍させる耕し方をして、耕さなくてもよく育つ菜園に飛躍する方法ともいえます。

ここ10年ほど家庭菜園教室を開き、ご指導させていただきましたが、なかなか耕さないこと、草を刈って敷くことを伝えるのが難しいと感じております。

どうしても耕さないことが目的になってしまったり、草をたくさん敷けばよい、とにかく草を刈ればよいと手段が目的化されがちです。

それでも野菜が自然に育っていればよいのですが、野菜は草と異なり、不自然の放任では育ちにくい特性があります。また、耕さなければ自然によくなっていくかというと、すごくよくなる菜園とどんどん悪くなる菜園(荒れて行く、ネズミが増えて行く、野菜が育ちにくくなる)どちらも自然なのですが、格差が広がっていくように見えます。

そこで、誰でもどんな菜園でも、耕さなくてもよく育つ菜園にもっていく一つの手段として、数年に一度タイミングよく耕す方法を今後ご紹介できればと思います。

何とも矛盾しているようですが、「耕さなくてもよくなるように、耕す」理解されにくいと思い、封印しておりましたが、これからどんどん出てくる耕作放棄地、元田んぼ、誰でもできる楽しい自然菜園として活用していただければと思っております。

お楽しみに~
返信する
野菜の不耕起栽培について (相田貴文)
2017-12-23 14:35:06
こんにちは、自宅で野菜の不耕起栽培を実践しているものですが、こちらのタイトルに惹かれてコメントさせていただきました。

やはり完全不耕起というのはなかなか難しいものなのですね。
ジャガイモやサツマイモを収穫する時に掘り起こすことになるので、結局のところこれも耕したことになりますよね。
最近ジャガイモを収穫していてそう思いました。

完全不耕起ではなく、数年に一度は僕の畑も耕していこうと思います。

寒い日が続きますが、農作業等頑張ってください。
返信する
コメントありがとうございます。 (竹内孝功)
2017-12-24 01:50:00
相田貴文さんへ

そうですね。難しいところですね。

不耕起=耕さないことではないと思っております。
無暗に耕さないことによって、野菜を栽培し、草などと共生することにより、微生物や土壌生物、草や野菜の根によって耕される仕組み(生命の営み)を大切にすることだと思います。

不耕起=耕さないことよりも、
自然耕=生き物によって耕される調和の世界が大切だともいえます。

矛盾しますが、川口由一さんのように、丁寧にお世話するのであれば、耕さないこと=自然との調和なので、一番いいと思います。

もしくは、日頃のお世話で人為的に耕さなくても野菜が自然に育つようになった菜園であれば、耕さない代わりに、野菜を育てながらお世話することで、十分よく育ってくれるので、耕す必要はないものです。

なかなかそうはなれないことと、元田んぼや耕作放棄地、庭などなかなか自然耕がままならない場所では、、最低限の耕しで、野菜も草も、微生物も元気になれるように、あえて耕してショック療法のようなもので、土に酸素を入れ、起こしてやることで目が覚める場合も多々あるので、そのやり方を模索して見えてきたので、そろそろ発表していこうかと思っている次第です。

無暗に耕すと、むしろ痩せたり生き物の住処を失ったり、耕した直後はよく育っても、年々よく育たなくなったりしやすいので、

その耕し方も、単純に生き物の住処を破壊する(耕する)だけでなく、その後回復しやすく、冬草に移行しやすくなるタイミング、耕し方、栽培プランがどうもありそうです。

是非、お互いにそのような耕し方ができるといいですね。また何かございましたら、コメントまっております。
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