少年の自我の芽生え

* * * * * * * *
一色まことのコミックが原作です。
海辺の街。
腕白坊主の花田一路がトラックにはねられ、意識不明となってしまいます。
魂が体を離れ、空の高みの光の差す方へ気持ちよく登っていこうとするところを、
一人のセーラー服の少女に引き留められます。
「行っちゃダメ。お母さんのところに帰りなさい!!」
危ういところで意識を取り戻した花田少年。
しかし、なぜかその後、彼は幽霊を見ることができるようになってしまったのです。
おお、シックスセンスですね。
死者が見えて、死者と意思の疎通がはかることができる・・・。
そんな彼のところに、彼をこの世に引きとどめたセーラー服の少女の幽霊が頻繁に現れる。
そしてまた、彼の実の父だと名乗る男性の幽霊も・・・。
花田少年は、幽霊の力を借りてお父さん・お母さんの若い頃のことを知っていきます。
これまではただ自分の親としての「お父さん」、「お母さん」でしかなかった。
けれども、お父さんお母さんも、まずは一人の人間で、
これまでいろいろな辛いことを経験して今がある、
そういうことが解ってくるのですね。
これがやっぱりちょうどこれくらいの年の子供、
大人としての自我が芽生えていくこの時期に重ねてあるのが、とてもいいと思いました。
だからこの物語は、やっぱり少年が主人公でなければいけないのです。
ユーモアにあふれて、非常に楽しい作品ですが、
家族のこと、友達のこと、いろいろな大人の事情、
ほろりと来る場面もたっぷりでなかなか見応えがあります。
西村雅彦の若いときシーンも笑えます。
ただ、ラスト近くの嵐の海のシーンは、どうにも強引で陳腐。
そんなことを言ったら、幽霊話なので
元々リアリティを求める作品ではないですけれど・・・。
せっかくそこまでは、泣き笑いしながらのめり込んでみていたのに、
何だかそこでしらけてしまいました。
・・・でも、これは原作がこうなのかな。
コミックならスムーズに読めたかも知れません。
ちょっと残念です。
2006年/日本/123分
監督:水田伸生
出演:須賀健太、西村雅彦、安藤希、杉本哲太、篠原涼子、もたいまさこ

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一色まことのコミックが原作です。
海辺の街。
腕白坊主の花田一路がトラックにはねられ、意識不明となってしまいます。
魂が体を離れ、空の高みの光の差す方へ気持ちよく登っていこうとするところを、
一人のセーラー服の少女に引き留められます。
「行っちゃダメ。お母さんのところに帰りなさい!!」
危ういところで意識を取り戻した花田少年。
しかし、なぜかその後、彼は幽霊を見ることができるようになってしまったのです。
おお、シックスセンスですね。
死者が見えて、死者と意思の疎通がはかることができる・・・。
そんな彼のところに、彼をこの世に引きとどめたセーラー服の少女の幽霊が頻繁に現れる。
そしてまた、彼の実の父だと名乗る男性の幽霊も・・・。
花田少年は、幽霊の力を借りてお父さん・お母さんの若い頃のことを知っていきます。
これまではただ自分の親としての「お父さん」、「お母さん」でしかなかった。
けれども、お父さんお母さんも、まずは一人の人間で、
これまでいろいろな辛いことを経験して今がある、
そういうことが解ってくるのですね。
これがやっぱりちょうどこれくらいの年の子供、
大人としての自我が芽生えていくこの時期に重ねてあるのが、とてもいいと思いました。
だからこの物語は、やっぱり少年が主人公でなければいけないのです。
ユーモアにあふれて、非常に楽しい作品ですが、
家族のこと、友達のこと、いろいろな大人の事情、
ほろりと来る場面もたっぷりでなかなか見応えがあります。
西村雅彦の若いときシーンも笑えます。
ただ、ラスト近くの嵐の海のシーンは、どうにも強引で陳腐。
そんなことを言ったら、幽霊話なので
元々リアリティを求める作品ではないですけれど・・・。
せっかくそこまでは、泣き笑いしながらのめり込んでみていたのに、
何だかそこでしらけてしまいました。
・・・でも、これは原作がこうなのかな。
コミックならスムーズに読めたかも知れません。
ちょっと残念です。
![]() | 花田少年史 幽霊と秘密のトンネル [DVD] |
須賀健太,篠原涼子,西村雅彦,北村一輝,安藤希 | |
バップ |
2006年/日本/123分
監督:水田伸生
出演:須賀健太、西村雅彦、安藤希、杉本哲太、篠原涼子、もたいまさこ