計画倒れの雨の日
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ニューヨーク郊外の大学に在学するギャツビー(ティモシー・シャラメ)と、
アシュレー(エル・ファニング)は恋人同士。
あるとき、アシュレーが学生新聞の取材で有名な映画監督、
ローランド・ポラード(リーブ・シュレイバー)にインタビューすることに。
場所はニューヨーク、マンハッタン。
生粋のニューヨークっ子のギャツビーは、
アリゾナ生まれのアシュレーにニューヨークの街を案内するため、
様々なプランを用意します。
しかし当日、計画は崩れ始め、
それぞれに様々な出会いのある雨の一日が過ぎていきます。
ギャツビーはちょっと変わったところのある青年。
知識は驚くほどあるけれど、特に何を学びたいという意欲もなく、
いちばん得意なのはポーカーで、ときおり大金を稼いでいる。
どうも彼は母親との関係に問題があるらしいのですね。
そんなふうに彼がこじれた理由、そしてラストではそのこじれが解決していくという、
ラブストーリーではありますが、密かな「筋」のある物語でもあったのです。
一方アシュレーは、なぜか落ち込む映画監督や脚本家を慰めることになったり、
有名俳優のデートの相手としてマスコミに報道されたり、
てんやわんやの一日になってしまいます。
暖かな室内の窓から眺める雨は、
ちょっとメランコリックでありながら、どこかロマンチックでもあります。
しかるに、愛の一夜のはじまりに服も脱ぎ捨てたところへ、
彼の別れたはずの恋人が乗り込んできて、
慌ててコート1枚を羽織って抜け出してくる。
こんな時に降り注ぐ雨の、なんと絶望的なこと。
うーん、アシュレーには残酷すぎるくらいの結末。
私は彼女、好きでしたけどねー。
たとえ恋人がいたとして、人気のイケメン俳優から迫られたら、
「こんなことは二度とない。末代までの思い出になる」とばかり、意を決する。
そこを私は全然責められないです。
いかがでしょうか・・・?
さすがのウッディ・アレン監督、軽妙でちょっと皮肉なラブコメディ。
<WOWOW視聴にて>
「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」
2019年/アメリカ/92分
出演:ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメス、
テッド・ダヴィドフ、リーブ・シュレイバー、ディエゴ・ルナ
計画倒れ度★★★★★
満足度★★★★☆
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