映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

はい、泳げません

2022年06月15日 | 映画(あ行)

体の力を抜いて、歩くように、無意識に

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大学で、哲学を教える小鳥遊(たかなし)(長谷川博己)。
水に顔をつけるのも恐くて、全く泳ぐことができません。
しかし、意を決して水泳教室に向かいます。
小鳥遊は、泳ぐことしかできないコーチ静香(綾瀬はるか)のもと、
主婦たちに混じり初心者コースのレッスンを受け始めますが・・・。

ということで、全く泳げない男が、頑張って泳げるようになるまでの物語?
かと思えば、それだけではありません。
小鳥遊は元々水が苦手だったのですが、実は水の事故で大切な人物を亡くしているのです。
そのことがあって、ますます水に対しての拒否感がある。
そしてまた彼はその事故以来、人生の歩みもストップ。
ただ機械的に仕事をこなし日々を過ごしていたのです。
しかしこのままではいけない、なんとか前進したいと思うようになり、
そのきっかけとして水泳教室に通うことにしたのですね。

静香は、水の中では威勢良くイキイキと輝いているのですが、
外、特に路上ではビクビクとして歩くのもやっと。
彼女は彼女でまた、何らかのトラウマを抱えているようではあります。

泳ぐことに関して、彼女は言う。
体の力を抜いて、歩くように無意識に体を動かせばいい・・・。

人生も同様なのかも知れません。
変に気張らず自然体で、自分の感じるままに歩めばいい・・・と。
などと思えるのは自分がこの年になったからこそかもしれませんが。

予想に反して、小鳥遊と静香のラブストーリーには発展しませんで・・・。
でも、静香さんのトラウマをもう少しでも減少させる、
いつもそばにいてくれる人が登場して欲しかったなあ・・・と、思いました。

<シネマフロンティアにて>

「はい、泳げません」

2022年/日本/113分

監督・脚本:渡辺謙作

原作:高橋秀実

出演:長谷川博己、綾瀬はるか、小林薫、阿部純子、麻生久美子

 

人生ドラマ度★★★★☆

成長度★★★★☆

満足度★★★.5



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