国家に見捨てられた捕虜たちのために・・・
* * * * * * * * * * * *
前作での騒ぎのため、刑務所で服役していたランボー。
ベトナムで行方不明(捕虜)となった兵士の調査という
特殊任務に就くことを条件に釈放されます。
現地で写真を撮るだけ、戦闘行為は禁止という事で、
軽い任務のはずだったのですが・・・。
ランボーはアクシデントで基地との連絡が取れなくなり、
また、捕虜収容所はもぬけのカラという不自然さに疑問を感じます。
そして、捕虜は今もとらえられたまま虐待を受けていることを知ります。
ランボーは命令を破り、捕虜となった米兵たちの救出に乗り出します。
ベトナム戦争が終結したのが75年。
本作が何年を舞台としているのかはわかりませんが、
まあ、戦後5年前後というあたりでしょうか。
それなのに、まだ米軍兵士が捕虜となったまま、というのには
米国のほの暗い事情があったようなのです。
米国がベトナムに対して賠償金を支払わなかったため、
捕虜が解放されなかったと、作中では言っていました。
そんな訳なので、元々この任務、実際に捕虜がいようがいまいが、
「いない」という結論を米軍=米国は得ようとしていた。
そんなわけで、この任務の口利きはランボーが信頼する元上司、トラウトマン大佐だったわけですが、
真の目的を胸に秘めたマードック司令官こそがクソ野郎なのです。
第一作目では、ランボーと敵対するのは田舎警察の、権力をカサに着た愚か者だったわけですが、
ここではベトナムのゲリラ兵と、彼らを支援するソ連軍が目前の敵。
けれどそれに加えて米軍、すなわち国家こそが真の敵。
こんな中で孤軍奮闘するランボーの強靱な肉体と精神に圧倒されますねえ・・・
やっぱりかっこいいです!!
それで前作はランボーが自分自身の「存在」をかけた戦いだったのですが、
今回は米軍の依頼というのが私にはちょっと気に入らなかった。
けれど、このミッション自体が欺瞞であり、
実際には、ランボーは自分自身と、取り残されていた米軍捕虜たちのために闘った、
ということで、納得はできました。
作中ランボーが「俺たちはエクスペンダブル(消耗品)だ。」というセリフがありまして、
これが後々の映画の題名のヒントになったのかも、と思いました。
Amazonプライムビデオにて
「ランボー 怒りの脱出」
1985年アメリカ/96分
監督:ジョルジ・パン・コスマトス
出演:シルベスター・スタローン、リチャード・クレンナ、チャールズ・ネイピア、マーティン・コーブ
闘う意義度★★★.5
満足度★★★★☆
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます