映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ニューヨーク、最高の訳あり物件

2020年07月17日 | 映画(な行)

元妻と元々妻が同居!?

* * * * * * * * * * * *

モデルからデザイナーへの転身を図るジェイド(イングリッド・ボルゾ・ベルダル)。
初のファッションショーを成功させるため、準備に励んでいます。
しかしそんな時、スポンサーでもある夫・ニック(ハルク・ビルギナー)が
若いモデルと恋仲になり、離婚を申し出るのです。

ニックは慰謝料代わりに、ジェイドにマンションを残しましたが、
何とそれは彼の元妻マリア(カーチャ・リーマン)との共同名義。
さっそくマリアが家に乗り込んできて、微妙な関係の二人が一緒に暮らすハメに・・・。

元妻と元々妻。
その丁々発止よりも、本作はこの2人の女性のこれまでの生き方の差異に注目すべきでしょう。

マリアは、高学歴ながらも結婚し子どもができたが故に、仕事は持たなかった。
専業主婦。
確かにこの年齢ならそういう女性がほとんどかもしれません。
彼女が40歳くらいの時に夫をジェイドに奪われ、離婚となったわけです。
しかし娘一人と孫も一人、孤独な人生というわけではありません。

一方ジェイドは、若くしてニックをマリアから奪い取り結婚。
モデルの仕事は続けてきたものの、40歳近くなりさすがにモデルはムリになってきて、起業したわけです。
子どもナシ。
しかし、自分が前妻マリアを追いやったのと同じくらいの年齢になって、
夫はまたもや、若い女性に走る・・・。

離婚はしてもジェイドは仕事があって毎日が忙しい。

マリアは仕事をしたいと思いながら何のキャリアもなく、今さらいい勤め先も見つかりません。
やむなく文学の講座を開いて、数人の聴講生が集まったりはしますが・・・。
孫の世話を押しつけられたりもして、これまでの人生をむなしく思ったりもする・・・。

結局、女としての生き方を問う作品なのでしょう。
この場合、ジェイドは仕事に励み、
マリアは家事を分担するというのが合理的解決なのだろうな・・・やはり。
そこのところが当たり前すぎて少し面白くない。

それにしても、気軽に若い女性を求めて離婚する男。
最低のクズ男。
二人はその点では意見が一致しますが、それでもジェイドはまだ諦め切れていない。

悪びれずこのマンションに現れるニック。
どうにも、二人はこの男に甘すぎるような気がしますが・・・
情というのはそういうものでしょうか・・・。

わかるような、わからないような、ピントの合いにくい作品。
結局どちらにも感情移入できないからでしょうか・・・

 

ニューヨークが舞台ながら、ドイツ作品だった!!

 

<WOWOW視聴にて>

「ニューヨーク 最高の訳あり物件」

2017年/ドイツ/110分

監督:マルガレーテ・フォン・トロッタ

出演:イングリッド・ボルゾ・ベルダル、カーチャ・リーマン、ハルク・ビルギナー、ティンカ・フュルスト

 

最低男度★★★★☆

満足度★★.5

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿