映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

モーリス

2019年03月19日 | 映画(ま行)

麗しのヒュー・グラント

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1987年作品ですが、2018年、制作30週年を記念し
4Kデジタル修正版としてリバイバル公開されました。
何しろヒュー・グラント出演なので、私はその時ぜひ見たかったのですが、
見逃してしまい、この度ようやく拝見。

20世紀初頭、イギリス。
ケンブリッジ大学の学生モーリス・ホール(ジェームズ・ウィルビー)は
良家の子息クライヴ・ダーラム(ヒュー・グラント)と互いに惹かれ合いますが、
プラトニックな関係のまま学生生活を終え、
それぞれ別の道を進みながらも交流を続けていました。
ある時、クライヴは学生時代の別の友人が同性愛と世間に知られたことで、
罪人となり、地位も名誉も失ったことを目撃し、
自分の秘密について激しい不安を覚えます。
そのため、さっさと女性と結婚してしまうのです。
裏切られ傷ついたモーリスは、ダーラム家の猟場番の若者、アレックと関係を結びますが・・・。

えーと、ヒュー・グラント27歳です! 
「ノッティングヒルの恋人」が1999年なので、なるほど、若いはずだわ~。
お肌がシワひとつなくつるつるツヤツヤ・・・。
なんて美しいのでしょう! うっとり♡
しかし本作では、まるで根性なしの男でした。

イヤそもそもやはり時代が時代なんですよね。
同性愛は犯罪。
汚らわしく、唾棄すべきもの。
モーリスは女ばかりの家庭に育ったという設定になっていまして、
「男の生理」についても進学のために寮に入る直前に、
心配した教師から簡単な説明を受けていただけ。
そんなことが同性愛の原因・・・?
と匂わせてはいますが、まあ、それだけではないでしょうね。

モーリスはこの性癖は病気なのかと思い、密かに医師の診断を受けます。
医師はなんとかこれを“矯正”しようと、催眠療法を試みたりする。
今なら考えられないことですが、確かにそういう時代があったのですねえ・・・。
87年の公開時でも、世間的にはかなりの抵抗があったのでは?と想像します。

アレック役のルパート・グレイブスもなかなかの美青年でした。
下層階級の粗野さがまた魅力的ですよね。
彼はプラトニックがどうのこうのなんて言わない。
一直線に肉体関係に進みます。
初めて知る本当の愛・・・。
美しいラブストーリーを見たなあ、と、マジで思いました。

モーリス 4Kレストア版 [DVD]
ジェームズ・ウィルビー,ヒュー・グラント,ルパート・グレイヴス
KADOKAWA / 角川書店


<WOWOW視聴にて>
「モーリス」
1987年/イギリス/141分
監督:ジェームズ・アイボリー
原作:E・M・フォースター
出演:ジェームズ・ウィルビー、ヒュー・グラント、ルパート・グレイブス、デンホルム・エリオット、サイモン・キャロウ

同性愛度★★★★★
満足度★★★★.5