映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

いぬやしき

2019年03月13日 | 映画(あ行)

同じ能力でも、使う方向性が違う二人

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私が通常見たいジャンル作品ではないのですけれど、
つい佐藤健さん出演につられまして・・・。

 

会社からも家族からも見放されているサエない初老のサラリーマン・犬屋敷(木梨憲武)。
ある時、謎の事故に巻き込まれ、機械の体に生まれ変わります。
そして同じ時、同じ場所にいた高校生・獅子神(佐藤健)もまた同じく機械の体に。

その体は双方ともに人間の能力を超えた力、
殺傷能力とともに傷や病を治癒する能力をも持っていました。
犬屋敷はその治癒能力を活かそうと、密かに病院を回り不治の病に侵された人々を治していきます。
一方孤独と人間不信に陥っている獅子神は、その攻撃能力を最大に活かし、
最悪なテロリストへと暴走を始めます。
やがて二人は対決することになりますが・・・。

全く同じ身体能力を持ちながら、二人がその力を活かす方向性が真逆というのが面白い。
獅子神は、手をピストルの形にして「バン!」というだけで、
実際に相手を銃殺してしまうのですが、死体から銃弾は発見されません。
更には、ネットを通じ、スマホやパソコン画面から
相手を銃殺するという高度な技まで身につけます。
例えばSNSで言いたい放題、毒を撒き散らす人物に向けて「バン!」。
いやちょっと私はここで胸がすくような思いがしてしまいましたよ・・・。
ぜひそうしたい気持ちになってしまうことも時にはありますよね・・・。
(しかし我が身を振り返り、気をつけなければ・・・と深く思う。)



作中でははっきりわからなかったのですが、
獅子神は自身が母親の癌を治癒させたことに、気づいたのでしょうか? 
そうなら少しは彼の方向性も変わったのかも、と思わずにはいられません。
こんな役でしたが、やっぱり佐藤健さんはかっこよかったわー♡



一方、犬屋敷の殺傷能力は最低。
それでも獅子神と対峙するために訓練して徐々に力をつけていきます。
この時、犬屋敷に作戦を授けていくのが、獅子神の友人であった安堂(本郷奏多)
という関係性がまたナイスですよね。



まあそれにしても実際の対決の場となれば、どう見ても犬屋敷に勝ち目がありそうには見えない。
しかし! 
人は守るべきものがあるときに強くなれるものなのでした。
結局定番のストーリーではありますが、結構楽しめました。

いぬやしき スタンダード・エディションDVD
木梨憲武,佐藤 健,本郷奏多,二階堂ふみ,三吉彩花
ポニーキャニオン

<WOWOW視聴にて>
「いぬやしき」
2018年/日本/127分
監督:佐藤信介
原作:奥浩哉
出演:木梨憲武、佐藤健、本郷奏多、二階堂ふみ、三吉彩花

ヒーロー度★★★★☆
佐藤健の魅力度★★★★☆
満足度★★★.5