いずこも同じ、跡目争い
* * * * * * * * * *
ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーの4人がナルニアを去ってから、
長い長い年月がたち、アスランも去った今のナルニアは、すっかり変わってしまいました。
戦闘的なテルマール人の侵略と支配によって美しい国は破壊され、
生き残ったナルニア人は、森の奥深くへ逃れ、息をころして暮らしています。
伝説の角笛を吹いて、ナルニアを救うのはだれか?
ナルニアの最後の希望は、一人の王子の手に握られていたのです。
* * * * * * * * * *
ここのところも、映画で見たのですが、私には一番印象が薄いところで、
ストーリーも何も覚えていなかったのですが、
読んでみるとなかなかミラクルな展開となっていたのですね。
4人の兄弟がナルニア国で王として過ごし、こちら側の世界の洋服ダンスに戻ってきてからおよそ1年後。
今度は4人がある鉄道の駅にいる時に、突然吸い込まれるようにしてナルニア国に来てしまいます。
しかし始め彼らはそこがどこかはわかりませんでした。
あたりはうっそうとした森。
しばらくさまよった挙句、廃墟のような場所に出たのですが、
なんとそこが以前彼らが過ごしていたケア・パラベルの城。
ナルニア国ではあれから1300年が過ぎ去っていたのです!!
度肝を抜く展開。
タイムトラベル好きの私にはたまりません。
巻頭に説明があるのですが、ナルニア国物語で語られるナルニア国の時系列は、
年代順になっておらず、順不同。
いろいろな出来事の因果関係を、読みながら紐といていくというのも楽しそうです。
さてこの時のナルニア国は、テルマール人という人間オンリーの種族が支配しており、
ものを話す動物たちや、巨人、森の妖精たちはひっそりと森の奥深くに隠れるように暮らしています。
カスピアンはこの王国の王位継承者。
現在の王はカスピアンの叔父に当たるミラース。
彼には子がないので、甥のカスピアンを次の王にしようと思っていました。
ところが予期せず彼の子供ができてしまった!
そうなると甥のカスピアンがじゃまになるのです。
身の危険を感じたカスピアンは、単身城を抜け出します。
なんだかこの辺は聞いたことがあるような話ですねえ。
洋の東西を問わず、跡目争いというのはあるんですね。
そしてカスピアンはかつてから憧れた昔のナルニア国、
人と動物や様々な生きもの、妖精たちが共存する国を再建しようとします。
しかし、テルマール国の追手は迫る。
そこで彼は角笛を吹くのです。
それはかつてスーザンが持っていた宝物。
それを吹けば救いの手が現れるという、伝説の角笛でした。
だからこそ、4人兄弟はその角笛に呼ばれて、この世界に現れたというわけなのです。
まあ、結果まではお話するまでもないと思いますが、
このような筋立てを実に興味深く読みました。
ところで、もちろん1300年を経たナルニアには、
先のストーリーに登場した人物が残っていようはずもありませんが、
ちゃんとアスランだけはいるのです。
時を経て衰えることもない、やはり絶対的な存在。
続きが楽しみです。
「ナルニア国ものがたり2 カスピアン王子のつのぶえ」 C・S・ルイス 岩波少年文庫
満足度★★★★☆
![]() | カスピアン王子のつのぶえ―ナルニア国ものがたり〈2〉 (岩波少年文庫) |
ポーリン・ベインズ,C.S. Lewis,瀬田 貞二 | |
岩波書店 |
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ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーの4人がナルニアを去ってから、
長い長い年月がたち、アスランも去った今のナルニアは、すっかり変わってしまいました。
戦闘的なテルマール人の侵略と支配によって美しい国は破壊され、
生き残ったナルニア人は、森の奥深くへ逃れ、息をころして暮らしています。
伝説の角笛を吹いて、ナルニアを救うのはだれか?
ナルニアの最後の希望は、一人の王子の手に握られていたのです。
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ここのところも、映画で見たのですが、私には一番印象が薄いところで、
ストーリーも何も覚えていなかったのですが、
読んでみるとなかなかミラクルな展開となっていたのですね。
4人の兄弟がナルニア国で王として過ごし、こちら側の世界の洋服ダンスに戻ってきてからおよそ1年後。
今度は4人がある鉄道の駅にいる時に、突然吸い込まれるようにしてナルニア国に来てしまいます。
しかし始め彼らはそこがどこかはわかりませんでした。
あたりはうっそうとした森。
しばらくさまよった挙句、廃墟のような場所に出たのですが、
なんとそこが以前彼らが過ごしていたケア・パラベルの城。
ナルニア国ではあれから1300年が過ぎ去っていたのです!!
度肝を抜く展開。
タイムトラベル好きの私にはたまりません。
巻頭に説明があるのですが、ナルニア国物語で語られるナルニア国の時系列は、
年代順になっておらず、順不同。
いろいろな出来事の因果関係を、読みながら紐といていくというのも楽しそうです。
さてこの時のナルニア国は、テルマール人という人間オンリーの種族が支配しており、
ものを話す動物たちや、巨人、森の妖精たちはひっそりと森の奥深くに隠れるように暮らしています。
カスピアンはこの王国の王位継承者。
現在の王はカスピアンの叔父に当たるミラース。
彼には子がないので、甥のカスピアンを次の王にしようと思っていました。
ところが予期せず彼の子供ができてしまった!
そうなると甥のカスピアンがじゃまになるのです。
身の危険を感じたカスピアンは、単身城を抜け出します。
なんだかこの辺は聞いたことがあるような話ですねえ。
洋の東西を問わず、跡目争いというのはあるんですね。
そしてカスピアンはかつてから憧れた昔のナルニア国、
人と動物や様々な生きもの、妖精たちが共存する国を再建しようとします。
しかし、テルマール国の追手は迫る。
そこで彼は角笛を吹くのです。
それはかつてスーザンが持っていた宝物。
それを吹けば救いの手が現れるという、伝説の角笛でした。
だからこそ、4人兄弟はその角笛に呼ばれて、この世界に現れたというわけなのです。
まあ、結果まではお話するまでもないと思いますが、
このような筋立てを実に興味深く読みました。
ところで、もちろん1300年を経たナルニアには、
先のストーリーに登場した人物が残っていようはずもありませんが、
ちゃんとアスランだけはいるのです。
時を経て衰えることもない、やはり絶対的な存在。
続きが楽しみです。
「ナルニア国ものがたり2 カスピアン王子のつのぶえ」 C・S・ルイス 岩波少年文庫
満足度★★★★☆