サービス業と割りきって

* * * * * * * * * *
平日の日中、シネコンも大抵ガラガラなのですが、この会場はなんと満席。
そして当然かも知れませんが、中高年ばかりという、
ふだんとは全く違う圧倒されるような雰囲気でした・・・。
1日の「映画の日」でもなく、「レディースデイ」でもないのに。
まあ、自分自身もオバサンだから、すぐ馴染んじゃいますけどね・・・。
竹内小夜子(大竹しのぶ)は、資産を持つ高齢の独身男性の後妻に収まり、
遺産をガッポリいただく「後妻業」を営んでいます。
結婚相談所を営む柏木(豊川悦司)が、高齢者向けの婚活パーティーを開き、
小夜子の後押しをしているのです。
儲けは折半。

そんな小夜子の何番目かの夫・耕造が亡くなり、その娘朋美(尾野真千子)と尚子(長谷川京子)が、
義理の母から遺言証明書をつきつけられます。
「遺産はすべて妻に残す」という・・・。
どうしても納得出来ない朋美は、探偵・本多(永瀬正敏)を雇いますが・・・。
終盤で尚子が漏らす言葉があります。
「お父さんは小夜子さんといると楽しそうだった。
取られたとか言っても、もともとお父さんのお金だもんね・・・」
確かに。
財産目当てであろうとも、小夜子は夫を喜ばせ、世話をしました。
娘達はめったに会いにも来なかった。
だから本当は、子供であるというだけで財産が転がり込むというのも
おかしな話なのかもしれません。

そこを、後妻をサービス業と割りきって、ごっそり稼ぐというのもある意味痛快な話。
ただし、本作についていえば、
人為的に死期を早めているのはやっぱりダメですけどね~。
(そういう設定にでもしないと、現実になりそうで怖いから、
あえてそのようなストーリーにしたのでは・・・?というのは深読みに過ぎるかな)

また本作、探偵が必ずしも正義の味方ではない、という
一癖も二癖もある奴だったというところがまた、いい。
大竹しのぶさんと豊川悦司さんの、これまでにない痛烈な悪役ぶりがナイスでした。
大阪を舞台としたことで、何やらねっとりユーモアが漂うのもいいですね。
大竹しのぶVS尾野真千子、取っ組み合いのシーンなど、
今後絶対に見られないだろうなあ。

「後妻業の女」
2016年/日本/128分
監督・脚本:鶴橋康夫
原作:黒川博行
出演:大竹しのぶ、豊川悦司、尾野真千子、長谷川京子、水川あさみ、永瀬正敏
満足度★★★★☆

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平日の日中、シネコンも大抵ガラガラなのですが、この会場はなんと満席。
そして当然かも知れませんが、中高年ばかりという、
ふだんとは全く違う圧倒されるような雰囲気でした・・・。
1日の「映画の日」でもなく、「レディースデイ」でもないのに。
まあ、自分自身もオバサンだから、すぐ馴染んじゃいますけどね・・・。
竹内小夜子(大竹しのぶ)は、資産を持つ高齢の独身男性の後妻に収まり、
遺産をガッポリいただく「後妻業」を営んでいます。
結婚相談所を営む柏木(豊川悦司)が、高齢者向けの婚活パーティーを開き、
小夜子の後押しをしているのです。
儲けは折半。

そんな小夜子の何番目かの夫・耕造が亡くなり、その娘朋美(尾野真千子)と尚子(長谷川京子)が、
義理の母から遺言証明書をつきつけられます。
「遺産はすべて妻に残す」という・・・。
どうしても納得出来ない朋美は、探偵・本多(永瀬正敏)を雇いますが・・・。
終盤で尚子が漏らす言葉があります。
「お父さんは小夜子さんといると楽しそうだった。
取られたとか言っても、もともとお父さんのお金だもんね・・・」
確かに。
財産目当てであろうとも、小夜子は夫を喜ばせ、世話をしました。
娘達はめったに会いにも来なかった。
だから本当は、子供であるというだけで財産が転がり込むというのも
おかしな話なのかもしれません。

そこを、後妻をサービス業と割りきって、ごっそり稼ぐというのもある意味痛快な話。
ただし、本作についていえば、
人為的に死期を早めているのはやっぱりダメですけどね~。
(そういう設定にでもしないと、現実になりそうで怖いから、
あえてそのようなストーリーにしたのでは・・・?というのは深読みに過ぎるかな)

また本作、探偵が必ずしも正義の味方ではない、という
一癖も二癖もある奴だったというところがまた、いい。
大竹しのぶさんと豊川悦司さんの、これまでにない痛烈な悪役ぶりがナイスでした。
大阪を舞台としたことで、何やらねっとりユーモアが漂うのもいいですね。
大竹しのぶVS尾野真千子、取っ組み合いのシーンなど、
今後絶対に見られないだろうなあ。

「後妻業の女」
2016年/日本/128分
監督・脚本:鶴橋康夫
原作:黒川博行
出演:大竹しのぶ、豊川悦司、尾野真千子、長谷川京子、水川あさみ、永瀬正敏
満足度★★★★☆