ピクサーアニメはやっぱりいいなあ~。

* * * * * * * * * *
本作の設定がすごくユニークなんですよ。
巨大隕石の落下による恐竜の絶滅が起こらなかった地球が舞台です。
恐竜たちは進化し、地球上で唯一言葉を話す種族として存在。
大型草食恐竜アパルトサウルスたちは、農耕し食物を蓄えて生活をしています。
この夫婦の3つの卵が孵るところから物語は始まります。
一番あとに生まれたアーロは、体が小さく怖がりの弱虫。

けれども一身に両親の愛を受けて彼は育ちます。
しかしある時アーロは川に落ち、激流に流され、
家族から遠く離れた見知らぬ土地にたどり着きます。
一人ぽっちで、さみしくて不安。
そんな時に、同じく一人ぽっちの人間の子供・スポットと出会い、
共にアーロの故郷を目指すことになるのです。
私は、はじめこの物語は一人ぽっちの少年を恐竜のアーロが助ける話かと思っていたのですが、
それは逆で、弱虫の恐竜をたくましい野生の少年が助ける話だったわけです。

そしてこの「人間」像がまた、面白い。
原始の人間だったら、通常「猿」に近いものを想像するのではないでしょうか。
ところが、ここでは「狼」なのです。
スポットは、ほとんどずっと四つん這いで、「わお~」と遠吠えします。
言葉は話せません。
この世界では恐竜のほうが人間よりも上位なんですね。
けれど人間にはそれなりに知能はある。
言葉は話せなくても、アーロとスポットの二人はしっかり通じあっています。
互いに家族のことを話すシーンが何とも切ないのですよ。
スポットにはお父さんとおかあさんがいたようなのですが、ふたりとも死んでしまい、
スポットは一人で生きていかなければならなくなった。
だからなんとも野生味たっぷりでたくましい。
同じく父を亡くしたアーロとの間に共感が芽生えます。
ここの、言葉を使わずに意思の疎通を図るシーンが素晴らしい。

そうして二人で旅する間に、アーロが一人前に成長していく物語。
結局、守るものがあれば人は強くなれるんですね。
最後は、スポットがアーロとともに家族となって暮らし始めるのかと思えば、また意外な結末。
色々と予想を裏切ってユニークな展開を見せてくれます。
そしてそれがまた上手くツボにハマるのだわ。
いい作品でした!!

恐竜たちの弱肉強食の世界はありながら、でも友情や信頼の世界も描きます。
自然の営みの描写のなんと美しいこと。
ホタルの幻想的なシーンには本当にうっとりさせられます。
そうそう、発酵した木の実を食べて酔っ払ってしまうシーンなども楽しい。

「アーロと少年」
2015年/アメリカ/93分
監督:ポーター・ソーン
ユニーク度★★★★★
自然描写度★★★★★
満足度★★★★★

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本作の設定がすごくユニークなんですよ。
巨大隕石の落下による恐竜の絶滅が起こらなかった地球が舞台です。
恐竜たちは進化し、地球上で唯一言葉を話す種族として存在。
大型草食恐竜アパルトサウルスたちは、農耕し食物を蓄えて生活をしています。
この夫婦の3つの卵が孵るところから物語は始まります。
一番あとに生まれたアーロは、体が小さく怖がりの弱虫。

けれども一身に両親の愛を受けて彼は育ちます。
しかしある時アーロは川に落ち、激流に流され、
家族から遠く離れた見知らぬ土地にたどり着きます。
一人ぽっちで、さみしくて不安。
そんな時に、同じく一人ぽっちの人間の子供・スポットと出会い、
共にアーロの故郷を目指すことになるのです。
私は、はじめこの物語は一人ぽっちの少年を恐竜のアーロが助ける話かと思っていたのですが、
それは逆で、弱虫の恐竜をたくましい野生の少年が助ける話だったわけです。

そしてこの「人間」像がまた、面白い。
原始の人間だったら、通常「猿」に近いものを想像するのではないでしょうか。
ところが、ここでは「狼」なのです。
スポットは、ほとんどずっと四つん這いで、「わお~」と遠吠えします。
言葉は話せません。
この世界では恐竜のほうが人間よりも上位なんですね。
けれど人間にはそれなりに知能はある。
言葉は話せなくても、アーロとスポットの二人はしっかり通じあっています。
互いに家族のことを話すシーンが何とも切ないのですよ。
スポットにはお父さんとおかあさんがいたようなのですが、ふたりとも死んでしまい、
スポットは一人で生きていかなければならなくなった。
だからなんとも野生味たっぷりでたくましい。
同じく父を亡くしたアーロとの間に共感が芽生えます。
ここの、言葉を使わずに意思の疎通を図るシーンが素晴らしい。

そうして二人で旅する間に、アーロが一人前に成長していく物語。
結局、守るものがあれば人は強くなれるんですね。
最後は、スポットがアーロとともに家族となって暮らし始めるのかと思えば、また意外な結末。
色々と予想を裏切ってユニークな展開を見せてくれます。
そしてそれがまた上手くツボにハマるのだわ。
いい作品でした!!

恐竜たちの弱肉強食の世界はありながら、でも友情や信頼の世界も描きます。
自然の営みの描写のなんと美しいこと。
ホタルの幻想的なシーンには本当にうっとりさせられます。
そうそう、発酵した木の実を食べて酔っ払ってしまうシーンなども楽しい。

「アーロと少年」
2015年/アメリカ/93分
監督:ポーター・ソーン
ユニーク度★★★★★
自然描写度★★★★★
満足度★★★★★