戦火のイタリアで、家族の絆をつなぎとめようとする男の愛

* * * * * * * * *
第二次世界大戦前後、本作の監督プピ・アバティ氏の故郷、ボローニャが舞台の
ある家族の物語です。

この写真、とても幸せそうに写っていますが、
実は作品中で、3人が寄り添ってこんな笑顔でいるシーンはありません。
17歳高校生ジョバンニは、内気で神経質。
自分に自信がなく、いつもうつむいているような娘です。
けれども父親のミケールはそんな娘を不憫に思い、
いつも気にかけ、愛情を注いでいます。
ちょっと過保護すぎるくらいに。
一方母親デリアは美しく、ミケーレの親友と関係を結んでしまっているのです。
そういう後ろめたさがあるためか、ジョバンニには距離を置いている感じ。
純粋な彼女の視線が痛かったのかも知れません。
しかし、一見は穏やかで平凡な家族ではありました。
ところがある時、ミケーレが教師として勤める学校で、殺人事件が起こります。
被害者はジョバンニと同級の少女。
そしてなんとジョバンニに容疑がかかってしまいます。
描かれている時代のためもありますが、
バックミュージックもあえて古風な雰囲気を出していて、
なんだか懐かしい感じがします。
今作、ミステリ要素があって意外な感じがしたのですが、
でもやはりこれは、家族の絆の物語なのでした。
ジョバンニのために家族がそれぞれ苦境に立たされ、バラバラになってしまうのですが、
つなぎとめるのは父の愛です。
しかもそれが戦火のイタリアという劇的背景のなか。
イタリアの人々が最も大事にする家族の絆。
時代がどんなに混乱しても、それだけは変わらない。
ほろ苦くも温かいメッセージなのでした。
「ボローニャの夕暮れ」
2008年/イタリア/104分
監督・脚本:プピ・アバティ
出演:シルビオ・オルランド、フランチェスカ・ネリ、アルバ・ロルバケル
郷愁度★★★★☆
満足度★★★☆☆

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第二次世界大戦前後、本作の監督プピ・アバティ氏の故郷、ボローニャが舞台の
ある家族の物語です。

この写真、とても幸せそうに写っていますが、
実は作品中で、3人が寄り添ってこんな笑顔でいるシーンはありません。
17歳高校生ジョバンニは、内気で神経質。
自分に自信がなく、いつもうつむいているような娘です。
けれども父親のミケールはそんな娘を不憫に思い、
いつも気にかけ、愛情を注いでいます。
ちょっと過保護すぎるくらいに。
一方母親デリアは美しく、ミケーレの親友と関係を結んでしまっているのです。
そういう後ろめたさがあるためか、ジョバンニには距離を置いている感じ。
純粋な彼女の視線が痛かったのかも知れません。
しかし、一見は穏やかで平凡な家族ではありました。
ところがある時、ミケーレが教師として勤める学校で、殺人事件が起こります。
被害者はジョバンニと同級の少女。
そしてなんとジョバンニに容疑がかかってしまいます。
描かれている時代のためもありますが、
バックミュージックもあえて古風な雰囲気を出していて、
なんだか懐かしい感じがします。
今作、ミステリ要素があって意外な感じがしたのですが、
でもやはりこれは、家族の絆の物語なのでした。
ジョバンニのために家族がそれぞれ苦境に立たされ、バラバラになってしまうのですが、
つなぎとめるのは父の愛です。
しかもそれが戦火のイタリアという劇的背景のなか。
イタリアの人々が最も大事にする家族の絆。
時代がどんなに混乱しても、それだけは変わらない。
ほろ苦くも温かいメッセージなのでした。
「ボローニャの夕暮れ」
2008年/イタリア/104分
監督・脚本:プピ・アバティ
出演:シルビオ・オルランド、フランチェスカ・ネリ、アルバ・ロルバケル
郷愁度★★★★☆
満足度★★★☆☆