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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

決闘の大地で

2012年06月08日 | 映画(か行)
痛快、キムチウエスタン!!



                      * * * * * * * * * 

韓流スター、チャン・ドンゴンの海外作品初主演です。
少し前に「マイ・ウェイ12000キロの真実」という作品をいたく面白く拝見したので、
チャン・ドンゴンには興味がありました。
そしてまた、これがなんと西部劇なんですよ~。
B級っぽかろうとなんだろうと、こんな面白そうなものを見逃す手はありません。


凄腕の戦士ヤン(チャン・ドンゴン)は、敵一族と長年戦いに明け暮れて生きていました。
ある時ついに敵を皆打ち倒し、最後の生き残りが一人の小さな赤ん坊だけになったのです。
それは敵一族の姫なのですが、
彼はその子の笑顔のあまりの可愛らしさに、赤ん坊を殺すことができない。
けれども、それは彼の属する一族への裏切り行為なのです。
裏切り者にあるのは死のみ。
彼は赤ん坊を連れ、海を渡り、遠くアメリカ西部へ逃亡します。
いやはや、日本と言わず太平洋を超えてアメリカまでとはスケールが大きいですよね!
またその彼一人を抹殺するために一族を引き連れて渡航してしまう追手もすごい。
費用対効果というのを考えないんですかね??? 
まあ、ここで逃亡成功例を作るわけには行かない、という一族の壮絶な掟なのですねえ・・・。



さて、ヤンは人口50人という非常に寂れた西部の町にたどり着きます。
そこはサーカスの芸人たちが住んでいる町。
ヤンは町の人達に受け入れられて、クリーニング店の仕事を得、
生まれて初めて、ごく普通の人間らしい生活をします。
殺戮のための剣は封印。
しかし、そんな穏やかな日々はつかの間・・・。
実はこの街には時折ならず者たちが襲撃してくる。
だからこそこの街はこんなに寂れていたわけなのですが・・・。
ヤンは剣の封印を解き、町の人々と共ににならず者たちと対決する覚悟を決めるのです。
しかしそんな時、更にまた東の国からヤンの追手たちが迫ってくる・・・!!

二重の敵を相手に、さあどうなる!!
ってことで、否が応にも盛り上がってしまうのです。



私は、これは「カムイ外伝」の西部版だと思いました。
組織を抜けたがゆえに、その組織から抹殺される宿命を背負い、
必死に追手を交わしながら生きていく。
けれどそんな中で、ごく普通の平和な生活をほんのひととき得るのですが、
決して長くは続かない・・・という、このパターン。
・・・好きなんですよね~。
いっそ、ここにもエイリアンが登場して、
敵対するみなで協力してエイリアンと対決するなんていうのはどうでしょう。
うふふ。



町にいる飲んだくれの爺さんが名優ジェフリー・ラッシュで、
しかし、ただの飲んだくれではなかった、という隠し味あり。
ならず者のボスは“歯並びフェチ”だったりして、これも妙に可笑しい。
チャン・ドンゴンの殺陣もカッコイイですし、
是非皆様にも見てもらいたいですね。
痛快です!! 
キムチウエスタン!!

「決闘の大地で」
2010年/ニュージーランド/100分
監督:脚本:イ・スンム
出演:チャン・ドンゴン、ダニー・ヒューストン、トニー・コックス、ジェフリー・ラッシュ