田中大ブログ

とある学校の教員の日々の雑感です。なお、このブログに記載されている内容のすべては一個人の意見であり、学校とは無関係です。

内燃機関の将来は?

2016年10月13日 | 授業
私のメインの授業は「工業熱力学」になります。

もともとは伝熱工学が専門ですが、久留米高専に赴任する際に「工業熱力学を教えて下さい。」ということになりまして、赴任以来ずっと授業を担当しています。

実は、機械工学の工業熱力学を学生時代に学んだことはありませんでした。
高専では応用物理で熱力学を少しかじり、大学では金属熱力学をがっつりと勉強しましたので、機械工学の工業熱力学も似たようなものだろう、と思っていましたが、教科書を見てびっくり、これまで学んできた「熱力学」とは全く違うものでした。

大学で学んだ金属熱力学は金属を混ぜたり溶かしたりする際の計算が主体だったのですが、機械工学の工業熱力学はエンジンなどのサイクルを主に扱うもので、扱う対称も金属熱力学が固体と液体なのに対し、工業熱力学は気体と液体が主な対象になります。

最初の年は、「なるほど、エンジンの仕組みはこうなっているのか?!」と、授業の準備をしながら自分で勉強して、それを授業で教える、という自転車操業をしていましたが、すでに授業を始めてから16年目になり、授業で教える範囲であれば問題ないようになっています。

で、本題の内燃機関の将来です。

工業熱力学では、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンといった往復式内燃機関と呼ばれるエンジンがメインの対象の一つとなっています。
しかし、最近では電気自動車や燃料電池自動車が幅を利かせ始めていて、将来的にガソリンエンジンやディーゼルエンジンが姿を消してしまうかもしれません。
調度、蒸気機関車が姿を消したのと同じ現象が生じてしまうかもしれません。

となると、私が今教えている工業熱力学も、無くなりはしないまでもその内容がかなり変化する可能性があります。
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの部分が燃料電池に変わり、その基礎的な現象まで入ってくるのかも?

燃料電池は全くの専門外ですので、そうなったら困るな~、と思いつつ、そうなったらなったでまた燃料電池の勉強を始めて、それを授業で教えるのかもしれません。

色んな技術の端境期にいる現在、高専での教育内容も大きく変化していくのかも。
ま、新しいことを学べる機会なので、そうなっても楽しく勉強したいですが。
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