「覚悟のススメ 」 山口貴由 (チャンピオンREDコミックス)
そこで、唐突だが漫画の話題に飛ぶのである。
「葉隠」の世界を基礎にした娯楽漫画があるのだ。
それは1994年~96年に週刊少年チャンピンに連載された山口貴由の「覚悟のススメ」である。
主人公の名前は葉隠覚悟(はがくれかくご)、敵役は主人公の実の兄である葉隠散(はがくれはらら)。
主人公が「強化外骨格」というアームドスーツを着装 . . . 本文を読む
前回のつづき。
「葉隠」の内容を私の独断で分類してみると以下のようになる。
一、武士道の精神、武士としての生活の心得についての記述。
二、武士道を遂行するための、具体的な秘訣や処世術。
三、歴史的事実や伝聞の話を単純に述べたもの。
四、武士道とはあまり関係のない著者の考えや感想。
ここで問題なのは、「一」の内容と「二」の内容が矛盾することが多いという事である。
まず、山本常朝が考える武士道を . . . 本文を読む
「葉隠」 山本常朝 (岩波文庫 上中下)
★原文に校註つき
「葉隠」 山本常朝 (中公クラシックス)
★現代語訳
「葉隠」は、江戸時代中期の九州鍋島藩にいた山本常朝という侍が、田代陣基という人物にに口述筆記させた書物である。
江戸幕府の形骸化した骨抜きの武士道に対して、本当の武士道を伝えようとあらわされた本なのだが、その極端な内容から当時は禁書となっていたらしい。本来は口伝するものであり、「葉 . . . 本文を読む
江戸時代に武士が官僚化する際には、幕府が林羅山らの朱子学を武士の倫理として導入し、儒学的な武士道が形成されていった。
今回は、江戸時代の武士道教育を知るために、当時武家の子弟の武士道教科書として普及していた山鹿素行(1622~1685)の「武教小学」を読んでみた。
「武教小学」は「武教全書」という大部の本の第一章として置かれた小文で、武士としての心得を簡潔に述べたものである。
読んでみると、今日 . . . 本文を読む
「面白いほどよくわかる武士道―時代とともに受け継がれた日本人の精神の源流」
武士道を図解した本。
武士道をこんな本を読んで理解しようなんて笑止千万、なんて笑っていけない。
「サムライとヤクザ」でも紹介されているが、江戸時代には、本物の武士を読者対象とした「武士道マニュアル本」が多数出版されていたのだ。江戸時代の武士が武士道を忘れていった証拠でもあるわけだが、武士でもない私がこのような本を必要とし . . . 本文を読む