多聞 きもの手帳 <男の着物日記>

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パナマの謎 (その二)

2006年08月13日 | 男の和装小物
パナマは高い。草履も帽子も高価である。しかし、中には値段が比較的安いものがあるから不思議だ。
お店の人と話していて「本パナマ」という言葉があることを知った。「本パナマ」があるということは「本物でないパナマ」もあるということになる。
ここで、パナマ帽を多く扱う帽子専門店 「文二郎帽子店 ぶんじろうぼうしてん」 の解説を見てみよう。
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夏の天然素材というとまず「パナマ」といわれますが、一般的には本パナマ・カンピ・モコラ・パーム・麦わらなどすべてをひっくるめて呼ばれている場合が多いのです。
パナマ業界では「パナマ」には「本」を付け、「本パナマ」と呼び、その他天然素材のものは、総称して「雑パナマ」「雑材」と呼んでいます。
戦前愛用された「パナマ帽」と呼ばれたものの中には、台湾産の「パーム」が多かったそうで、一見「本パナマ」に似ていますが、もう少し草が太く重みも感じます。参考までにカンカン帽(ボーターハット)は麦わらで出来ています。
「本パナマ」とは、南米・エクアドルのトキヤ草を乾燥させたものを、現地の人が高度な技術で「帽体」に編み上げたものをさします。これを輸入業者から買いつけ、当社が帽子に仕上げるのです。
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一口にパナマといってもいろいろなものがあることが分かる。

しかし、ここで一つ疑問が持ち上がる。「トキヤ草」という植物についてである。大抵の辞書の類には、パナマ帽は「パナマ草」から作られると書いてあるからだ。
「パナマ草」は学名をCarludovica palmataというパナマソウ科の植物である。
「パナマ草」=「トキヤ草」なのか「パナマ草」の一種が「トキヤ草」なのか、それともまったく別の植物なのか・・・よく分からない・・・・・
Wikipediaで“Panama hat”を引くと、「パナマ帽は、パナマ帽ヤシ(学名Carludovica palmata、jipijapaまたはtoquillaとも呼ばれる)から作られる」との記述がある。
この「toquilla」が「トキヤ」なのかと思ったが、ウェブで検索した限りはjipijapaは「ヒピハパ」、toquillaは「テキーラ」と発音するらしい。
謎は深まるばかりである。

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2 コメント

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差し出がましいですが・・・ (shibita)
2011-10-25 00:35:36
・Jipijapa ヒピハパはエクアドル海岸地方内陸の都市名です。このあたり一帯がトキージャ草の生育に最も適した環境にあることから来ているのでしょう。

・テキーラはスペイン語でtequilaとつづります。toquillaは「トキージャ」です。

・トキヤと読むのは許容範囲ですが、トキーヤあるいはトキージャと読むのが文法的に正しく、現地エクアドルの語感ではトキージャと発音すべきでしょう。

・パナマ草の一種がトキージャ草で、近縁種が必ずしも同様の用途に堪えるわけではないのです。

かしこ
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ありがとうございました (多聞)
2012-05-29 13:25:25
shibitaさん
どうもありがとうございました。
トキヤ草(トキージャ草)は、パナマ草の一種なのですね。
すっきりしました。ありがとうございます。
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