少し前に池波正太郎が創作のため使った資料を基に街歩きをするテレビ番組を紹介しました。(→過去記事)
けれども池波正太郎自身が「江戸切絵図散歩」という本を出していました。無知ですね。
番組で紹介していた池波正太郎の風景スケッチもこの本に載っていますから、まったくの番組のタネ本ですね。
アジアの建築は木造が多く、耐久性があまりありません。
さらに東京は、明治維新、関東大震災、米国の空襲、高度経済 . . . 本文を読む
「家紋を探る―遊び心と和のデザイン 」 森本景一という本を読みました。
著者の森本さんは「染色補正森本」のご主人で家紋の研究家。
この本は、家紋をカタログ的に解説したものではなく、著者が実際に仕事で直面した謎を解く形で話が進められるので、探偵小説を読んでいるような面白さがあります。
話が飽きないのは仕事上の問題解決だけでなく、著者の知的好奇心が感じられるからでしょうか。。
わからない家紋を探っ . . . 本文を読む
このブログでは、日本の文学作品に登場する装いについて何度か紹介していますが、わたしはその度に、広辞苑や大言海やきもの用語辞典や守貞謾稿をひきひき書いていました。
けれども、日本の文学作品のファッションを解説した 『むかしのおしゃれ事典―名作でひもとく古きよき日本のよそおい』 という本がすでに出版されていてることを最近になって知りました。
出版は2005年です。もっと早く気が付いていたらよか . . . 本文を読む
『全集 日本の歴史 別巻 日本文化の原型』という本を読みました。
小学館八十周年記念出版の「全集 日本の歴史」はこれまでとは違った視点で編まれた歴史全集として話題になりました。
本書は、その別巻の一巻なのですが、これがお勧めです。
題名どおり、江戸時代の文化に現在の日本文化の原型がすべて出そろっていることを描き出した本です。
著者はまず、歴史が文化をあつかう方法として、家永三郎の言葉を引用 . . . 本文を読む
『新・木綿以前のこと―苧麻から木綿へ』という本を読みました。
この本はもちろん柳田國男の『木綿以前のこと』を踏まえて著されています、(→過去記事)
柳田國男が、麻にとって替わって木綿が普及することで、人々の生活や心情に変化がもたらされてことを論じるのに対して、本書では経済的側面に焦点を合わせます。
つまり、木綿の生産と流通と消費によって、庶民の生活のみならず、産業や経済の構造の変化が起こった . . . 本文を読む