東京国立博物館で開催されている北斎展を見に行った。前後期あわせて500点にものぼる大規模な展覧会である。
この日のいでたちは茶色の髭紬に柿泥染めの羽織。
北斎といえば富岳三十六景を代表とする浮世絵が有名である。
しかし、浮世絵は北斎の画業のほんの一部であり、今回の展示は彼の筆名の移り変わりにそってほぼ全生涯を網羅している。
とにかく、才能にあふれる人である。現代でいえば、画家、イラストレーター、 . . . 本文を読む
家庭用化学染料のダイロンは男のきもの生活に結構役に立つ。
利用法の一つが、前に裾除けで紹介したように、女物を染めることだ。もちろん和装小物は女性用の方が種類が豊富だからだ。写真は特売品の女性用の足袋カバーを黒く染めたもの。
ダイロン染めにはある程度のコツがいる。私が注意している点を列挙しておく。
一、素材によって染まり方がまるで違うので注意。大雑把に言って、木綿>絹>化繊の順で染まりやすいが、端 . . . 本文を読む
きものを着る機会が増えると襦袢の手入れが大変だ。半襟の交換や正絹の襦袢の洗いは手間もお金もかかる。
そこで便利なのが半襦袢と裾除けだ。 「男のきもの大全」の早坂伊織さんもこれを薦めていたので、着始めた頃から愛用している。
半襦袢も裾除けも晒木綿とベンベルグで出来ているので洗濯機で洗うことができる。半襦袢の色を紺、灰色、茶色とそろえておけば、衿の交換もほとんどいらなくなる。
私は「仙臺屋」さんで買っ . . . 本文を読む
『日本の風俗 起源を知る楽しみ』
日本のいろいろな風俗の起源について解説した本。
和服に関する項目も多く、たくさんの「へぇ~~」を楽しめる本だ。
著者は一般向けの歴史書を多く出版している歴史学者。この人には昭和51年発行の「日本風俗起源99の謎」(現在は絶版)という本があり、この本はその焼き直しであると思われる。
ただしこの本は根拠の出典が殆ど記されていないので読んでいて不安になることもある。 . . . 本文を読む
実家に和室が一つだけある。私たちが実家に泊まるときにはこの部屋に寝るのだが、その時私たちが使うための三面鏡(鏡台、座鏡)を母が買ってくれた。こういう家具は今では売れないので、家具メーカーへの受注生産だった。私たちがいないときは懐古趣味のインテリアとなる。
今は取り壊してしまった祖母の家には三面鏡があった。鏡の部分には白い布のカバーが掛けられていた。三味線や踊りの道具、仏壇とならんで子供の私が「触 . . . 本文を読む