ふんどしの語源について調べていると「犢鼻褌」という言葉が初めて登場する辞書について知りました。
室町時代に流布した『下学集』という辞書です。作者はよくわかっていないそうです。
また、広く流通したため、異本も多いらしい。
では下学集の犢鼻褌の項を見てみましょう。
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【原文】
犢鼻褌 男根衣也男根如犢鼻故云犢鼻也
晋元咸家貧而七夕晒犢 . . . 本文を読む
『物類称呼』の書き込みの時に(→過去記事)、万葉集の和歌にふれたのですが、意味がわからないのはなんとなく気持ちが悪いので、図書館で調べてみました。********************************我が背子が犢鼻にする円石の吉野の山に氷魚そ懸れる右の歌は、舎人親王、侍座に令せて曰く、「或し由る所なき歌を作る人あらぱ、賜ふに銭・帛を以てせむ」といふ。ここに大舎人安倍朝臣子祖父、乃ちこの歌 . . . 本文を読む
「丹前」と「どてら」の項(→過去記事 )で触れた『物類称呼』という本を紹介いたします。この本は、江戸時代中期の安永年間(1775年)に俳人の越谷吾山が著した方言辞典です。 結構面白いので、服飾に関する部分を引用してみましょう。(原文には句読点がありませんが、読みやすいように適宜付加しました)********************************羽織:はをり:安房國にて、はごりと云。阿波に . . . 本文を読む
原著は昭和14年の発行。本書 『木綿以前の事』 は柳田の女性やその風俗にまつわる随筆を集めた本である。
「木綿以前」とは、外来の繊維である木綿が江戸時代に普及する前に庶民の衣類の主流であった麻や太布や栲のことをさす。
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タフ(太布) 科木(しなのき)、楮(こうぞ)、梶木(かじのき)などの繊維で織った布。手触りが粗くごつごつとした布。
タ . . . 本文を読む
昭和11年に出版された本。日常のさまざまなことをつづった随筆で、きもののことはもちろん、交流のあった人のことなど、その文章がめぐるところは多岐にわたっている。
森田たまの文章はとりとめがない、まるでオバちゃんの井戸端会議のように話題が移っていく。しかし優しく流れるような文章に導かれて頁をめくるその時間は実に芳醇な読書体験だ。
題名から予想されるより和服に関する文章は少ないが、芥川龍之介、内田百 . . . 本文を読む