根津美術館に尾形光琳の国宝杜若図屏風を見に行く。
この屏風は毎年黄金週間の時期に公開されているのだが、所有している根津美術館が改装のため三年間休業すると聞き無理をして平日に見に行った。
この屏風は是非実物を見たいと思っていた。光琳の絵は色々な仕掛けが組みこまれていることが多いのだが、この屏風は屏風の形状を最大限に活用したものといわれている。
実物を見ると、その色が画集とかなり違うことに気がつく。 . . . 本文を読む
「たもと落し」って知っていますか?
参考
「お江戸でござる 杉浦日向子のおもしろ講座」
次の「和装工作室」はコレダ!!と思い百均店で材料を探していた。
すると、別に工作の必要などないことに気がつく。
材料
首かけ式携帯電話ストラップ
ポーチ
材料費:200円
製作時間:10秒
これを首からかけ、袂の中に提げる。
実際携帯電話を入れてやってみたが大変便利。
難点は襟元が乱れると紐が見えそう . . . 本文を読む
九鬼周造と岡倉天心との間には奇妙な関係がある。
岡倉天心(岡倉覚三)は中学校の教科書にも登場するので多くの人が知っているだろう。明治の日本美術界に大きな足跡を残した人物である。
帝大に迎えられた米国人教師フェノロサとともに日本の古典的美術の発掘を行い、東京美術学校(現芸大)の創設に力を尽くし、横山大観、下村観山、菱田春草など後に巨匠と呼ばれる日本画家を育てた。しかし、相当アクが強い人物であったらし . . . 本文を読む
『「いき」の構造』という書名を目にしたとき、あるいは実際に読んでいるときでも、脳裏をかすめることがある。
「そもそも「いき」なんてものは定義できないところに価値があるのじゃないか?」 あるいはもっと素朴に
「頭でっかちの学者先生に「いき」なんてわかるのかいな? 自分がでっちあげた怪物相手に戦いを挑んでいるだけなのではないか?」
私も、九鬼の鮮やかな論理に感服しつつその不安を常に抱いていた。
一般 . . . 本文を読む
『「いき」の構造』の前半が「いき」理論編であるとすれば後半は「いき」実践編である。
「いき」の自然的表現では、日常生活におけるいきの姿が、「いき」の芸術的表現では文学や絵画でのいきの表現が考察される。
私が舌を巻くのは、「いき」の自然的表現における九鬼の表現力である。
前半の「理論編」で述べた原則をもとに九鬼は人間の生活における「いき」の表出について次のように述べる。
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