こういうことをいうとお叱りをうけそうだ。着物は日本の伝統衣装だ。日本人が日本の民族衣装を着るのにコスプレとはなんだ、と。
しかし、伝統的な衣装であることとコスプレであることは本質的には矛盾しないのだ。十二単や直垂で街を歩くことを考えて欲しい。
私は「コスプレ」という言葉を悪い意味で用いているわけではない。コスプレはとても楽しい趣味である(たぶん)。
コスプレがコスプレであるためには一定の条件が必要 . . . 本文を読む
一般に趣味とは、個人的な楽しみとして愛好するものごとのことをさす。
音楽鑑賞、ドライブ、ゴルフ、観劇、あるいはサッカー観戦などなど・・・。
楽しみとしてやるのが趣味で、仕事で行うのは趣味ではない。タクシーの運転手が一日に何時間運転をしていても、それをもってドライブが趣味であるとは言わないのだ。
また、生活に最低限必要な事柄に関しても趣味とはいわない。皆が当たり前に行っていることをわざわざ趣味である . . . 本文を読む
きものは日本の伝統文化である。これには私も異論がない。
糸を紡ぎ、機を織り、糸や布を染め、衣服にしたて、身にまとう。
すべての過程に日本の伝統的な技術と生活と心と美意識が息づいている。
しかし私はもう一言追加したい。
洋服もまた日本の伝統文化の一つである、と。
洋服が日本に本格的に取り入れられて140年ほどになる。その間に洋服は生活の隅々まで浸透した。
これは、欧米文化なかんずく米国文化の侵略で . . . 本文を読む
着物は、元は一枚の布である。
これは「男のきもの大全」の早坂さんの受け売りである。早坂さんの「男のきもの学」の講演のなかでこの言葉を聞いてはっとした。私は、着物について考えるとき、「着物は衣服である」という言葉が出発点だと思っていたのだ。
洋服もまた元は一枚の布である。しかし、着物においては洋服とは違った意味がこめられている。
まず着物は糸を解くと元の布、つまり反物の状態に戻るという洋服との決定 . . . 本文を読む
きものは衣服である。
当たり前のことであるがこのことを確認する意義はあると思う。衣服には大きく分けて二つの機能がある。
まずは物理的な機能。
これは、暑さや寒さ、尖った物、あるいは摩擦や衝撃から身体を守るという役割だ。下着に関しては体を清潔に保ち、病原微生物から体を守るという機能もある。
また人間においては、服を着ることで自分の内部と外部を認識できるのだという意見もある。
もう一つは心理的・社 . . . 本文を読む