MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

チェ・ゲバラのセンスについて

2017-08-25 19:40:13 | 美術

 東京の恵比寿ガーデンプレイスの「ザ・ガーデンルーム」では「写真家チェ・ゲバラが見た世界」

という写真展が催されている。史料としても一級品だと思うが、カットも凝ったもので、例えば、

陸上競技のショットにおいて走り高跳びの選手がバーを飛び越える瞬間を正確に捉えていたり

している。

 ゲバラはセルフポートレートもよく撮っているのだが、その中で気になったものが2番目の

妻のアレイダ・マルチと一緒に1966年に撮られた写真である。ゲバラとアレイダは一緒に

本を読んでいるのであるが、その本はストリンドベリ(Strindberg)の「戯曲(TEATRO)」

である。これがセルフポートレートであることを勘案するならば、ゲバラはこの写真自体が

「演劇的」であると仄めかしているのであろう。このような洒落っ気もあるからいまだに

人気の的であり、実際に、私が訪れた時には入場制限がかかっており入口に長蛇の列が

できていた。


(タンザニア 1965年)


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