MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ギャング同盟』

2017-08-30 00:40:45 | goo映画レビュー

原題:『ギャング同盟』
監督:深作欣二
脚本:深作欣二/秋元隆太/佐治乾
撮影:山沢義一
出演:内田良平/佐藤慶/戸浦六宏/山本麟一/アイ・ジョージ/薄田研二/三田佳子/平幹二朗
1963年/日本

「アミューズメント」な殺し合いについて

 本作を「ギャング映画」として観るならば違和感が満載である。例えば、10年振りに出所してきた風間と一人で迎えに来ていた高本を中心としてかつての仲間だった尾形と志賀と、楠と柾江の夫婦がタッグを組んで、朝鮮戦争の特需による新興組織の会長を誘拐して6000万円を奪おうと試みるのであるが、会長の宮島と娘の秋子まで誘拐しておきながら約束を反故にされ、目の前で尾形が銃殺されても報復のために宮島や秋子を殺すことをしないし、宮島から情報を得ようと父親の目の前で娘を犯そうと試みようとしても実際には誰も秋子に手をださないのである。
 「ギャング団」としての覚悟が感じられず、全くの腑抜けとしか言いようがないのであるが、クライマックスの舞台となった場所が気になる。「アミューズメント・センター(AMUSEMENT CENTER)」と書かれたこの場所はおそらくかつてアメリカ駐留軍がダンスホールやバーとして使用していたものであろう。そこで「女」によって救われた一人の宮島は自殺してしまうが、風間は秋子と共に生き残る。ここで日本人同士が殺し合っているという設定に皮肉を感じるのである。


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