MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』

2017-08-21 22:08:59 | goo映画レビュー

原題:『The Founder』
監督:ジョン・リー・ハンコック
脚本:ロバート・シーゲル
撮影:ジョン・シュワルツマン
出演:マイケル・キートン/ジョン・キャロル・リンチ/ニック・オファーマン/ローラ・ダーン
2016年/アメリカ

世界的大企業の創業者の類似性について

 主人公のレイ・クロックがセールスをしていた5本脚のシェイクミキサーを6台どころか8台も購入したディックとマックのマクドナルド兄弟にわざわざ会うために彼らの店があるカリフォルニア州のサンバーナーディーノを訪れたのだが、マクドナルド兄弟にとって不幸だったのは、不吉の予兆のような「サイン」として彼らの店の向かい側に「THIEFTOWN(泥棒街)」と書かれた店があるからである。やがてその店はクロックのフランチャイズ店に取って代わり、間もなくしてマクドナルド兄弟の店「Mハンバーガー」も潰れてしまうのである。
 共同経営者と対立して仲たがいしてしまうクロックがスティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグとそっくりなことに失笑を禁じ得ないが、会社のスケールを大きくするために「型を破る」とはこういうことなのだと思う。あくまでも「マクドナルド」という名前に拘ったという発言にも共感できる。
 ノーマン・グリーンバウム(Norman Greenbaum)の「スピリット・イン・ザ・スカイ」(Spirit in the Sky)を『ライフ』(ダニエル・エスピノーサ監督 2017年)で聴いたばかりだったのだが、本作でも流れていたことにこの曲の人気の高さに驚いたのだが、ここではクロックがジョアン・スミスと一緒に歌っていた『黄金の雨(Pennies From Heaven)』を和訳しておきたい。当時のクロックの気持ちが伝わってくる歌詞である。

「Pennies From Heaven」 日本語訳

雨が降る度に思いがけない幸いが降って来る
どんな雲にだって思いがけない幸いが含まれていることを君は知らないのかい?
街中に君の富が降り注ぐのを君は見ることになる
君は(思いがけない幸いを受けるために)傘をひっくり返しておくべきなんだ

思いがけない幸いと
陽光と花束をパッケージしたものを交換しよう
君が大好きなものを求めるのならば
(雨よりも)夕立でなければならないから
雷の音を聞いたって
走って樹の下に隠れてはいけない
君と僕のために思いがけない幸いが降ってくるはずなのだから


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