『僕達急行 Ａ列車で行こう』

公式サイト
　森田芳光監督の遺作です。
題名だけ見てロードムービーなのかな、と思い映画館に出かけました。

　たしかに列車で移動することもある映画だったのでロードムービーなのかもしれませんが・・・

　列車の中で知り合った大企業の東京本社勤務の小町と下町の鉄工所の二代目小玉が再会し、心地よい距離感で付き合っていくことになる。

　ふたりの仕事に対する真面目な思いとなかなかうまくいかない恋、そしてふたりのまわりに居る人たち・・・

　映画を観ていて疲れたり、嫌な思いをするシーンが全くない私向きのあたたかな映画でした。

　鉄道ファンにはいろいろな人たちがいるそうです。
『撮りテツ』『乗りテツ』『時刻表テツ』、あ、女性の鉄道ファンは鉄子だそうですね。

　この映画に出てくる小町は列車からの眺めを楽しみながら好きな音楽を聴くのが趣味、小玉は列車の鉄を見るのが好き、とちょっと変わった鉄道ファン。
　それぞれの楽しみ方で鉄道を楽しみ、お互いに否定はしない・・・この関係が楽でいいです。

　なんだかフワフワしながら物語は進むものの　どんどんみんながハッピーに向かうステキな映画です。

　このやさしさ、ほわーっとした雰囲気、ぜひ味わってみてください。

ただ、所々で入ってくる効果音（？）、ちょっと気になりました。
あれ、なくてもいいのに・・・

　『武士の家計簿』に続き、森田監督のこの空気、大好きです。
もっと監督の映画が観たかったです。

私、松山ケンイチさんは『デスノート』以来ファンなんですが、この映画を観て『デトロイトメタルシティ』の松山さんを思い出しました。
　なんとも独特な雰囲気の俳優さんですねえ～