朱蒙(チュモン)が見た日本古代史(仮題)

「朱蒙」「風の国」「善徳女王」・・・韓国発歴史ドラマを題材に日本史を見つめ直す

「ヨンゲソムン」におけるソンドク女王

2011年05月24日 | 善徳女王

ドラマ「ヨンゲソムン」の中にもソンドク女王が登場する。(第76話)
以下、番組内のナレーションより。

ソンドク女王

元来 女王は夫を持たない
しかし「花郎(ファラン)世紀」には
ソンドク女王が子作りに励んだとある

彼女は夫代わりの男性”私臣(サシン)”を
3人も仕えさせた

チュンチュの父親 ヨンチュンと
宰相のウルチェとフムバンの3人である

三壻(サムソ)制という制度で
骨品(コルプム)制を守るための慣わしだった

しかし ソンドク女王には 子供が授からず
その虚しさゆえ 仏事に没頭したのである

三壻(サムソ)制:女王が世継ぎ作りのため私臣(サシン)を3人まで持つ制度

少々わかりにくい”大人の事情”が紹介されているが、現代人の感覚として理解しがたいのは、私臣(サシン)の一人がヨンチュン(龍春)であること。

ここで少し説明が必要である。
ドラマ「善徳女王」において、廃位された真智王の息子ヨンス(龍樹:チョンミョンの夫)とヨンチュン(龍春)は兄弟という設定になっているが、「三国史記」を読む限り両者は同一人物のようである。
上の記述でまさに「チュンチュの父親」と書いてあるとおりなので、つまりソンドク女王の子作りのためにチョンミョンの旦那が協力しているということになる!?
この辺りは以前にも書いたが、この時期の新羅は骨品制の維持を至上命題としていたようで、そのためには近親婚でも何でもありという感じだったようだ。

ちなみに、ウルチェとは、ドラマの初期に登場していた乙祭(ウルチェ)上大等のことだろう。
(フムパンはだれ?)

写真は高句麗に党項城を攻められパニックに陥るソンドク女王。